CS&N関連の紙ジャケット・シリーズ

発売が遅れに遅れてヤキモキさせられていたCS&N関係の紙ジャケ・シリーズがやっとワーナーから発売されました。同社は以前バッファロー・スプリングフィールドを紙ジャケで出そうと計画し、私も『アゲイン』のライナーをせっかく書き上げたのですが、何でもニール・ヤングが「今プラケで出ている商品をわざわざ紙ジャケにする必要があるのか!」とゴネたらしくその時は結局発売が中止になってしまったのです。そんな経緯を知っているだけに今回はホッとしているのですが、ニール・ヤングが参加した『デジャ・ヴ』がラインナップから漏れているのは多分そういう理由からでしょうね。もうガンコ親父なんだから(笑)。まあそういう部分もニールらしくって好きなんですけど。

そんな内情はともかく、CS&N名義作に加えクロスビー、スティルス、ナッシュそれぞれのソロ作やスティルスが新たに結成したマナサスなど計9枚。ぼくにはどれも懐かし過ぎるものです。今の若い人には実感として掴めないでしょうが、ビートルズ解散後のニュー・ロックといえば当時はイギリスではツェッペリン、アメリカではCSN&Yといったくらいの大人気ぶりでした。音楽性については今更ここでは触れませんが、CSN&Yという存在からは個性がそれぞれ異なる人たちの集合体というのは面白いあ〜などと高校生なりに漠然と感じていたのかもしれません。

今回ぼくがライナーを書かせて頂いたのは『ナッシュ=クロスビー』(72年)です。この二人の相性の良さ・友情はよく知られるところですが、そんな彼らがCSN&Y解散後に初めて取り組んだ記念碑が本作です。幻想的なクロスビーと素朴なナッシュの取り合わせの妙、ダニー・コーチマーを始めとするザ・セクションの含蓄ある演奏など、ぼく自身この夏改めて繰り返し聞きながらその魅力を再認識した次第です。アルバムの冒頭を飾る「サウスバウンド・トレイン」にはナッシュの優しさが詰まっています。大義名分やスローガンを振りかざすのではなく、きみ自身の足音を聞いてごらん、南行きの汽車が今夜旅立つよ、と諭す内容であり、ぼく自身も自分の生き方(というほどのものではありませんが)を考える上で大きな影響を与えてくれた歌です。今回のライナーはまずその「サウスバウンド・トレイン」の歌詞から書き始めてみました。よろしかったらぜひ手に取ってみてください。

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by obinborn | 2013-12-27 15:39 | rock'n roll | Comments(4)  

Commented by Backstreets at 2014-01-03 14:16 x
ご無沙汰しております。以前、「Fineline」のHNでお邪魔していた者ですが、ブログを始めてから名前を改めました。今後とも宜しくお願い申し上げます。
さて、「自由」、「平等」、「友愛」というフランス革命のスローガンを掲げながらも大上段に構えることなく諭すような「Southbound Train」。これら3つの意味を自分なりに考えてみるのも興味深いところです。
Commented by obinborn at 2014-01-03 15:19
なるほどフランス革命時のスローガンが元にあったのですね。それらの
旗を高く掲げるのではなく、優しく諭すようなナッシュの歌がたまらない
魅力になっています。
Commented by レシーブ二郎 at 2014-01-14 21:37 x
最初に買ったLPが廉価盤で変形ジャケットを持っていなかったのと、小尾さんのライナーが読みたかったので購入しました。二人のプロフとアルバムの聞き所が簡潔にまとめてあって、とても分かりやすかったです。ちょっと地味かもしれませんが、二人の個性の対比があざやかな良盤ですよね。
Commented by obinborn at 2014-01-15 06:12
ご購入ありがとうございます。また拙稿まで読んで頂き嬉しいです。
曲によって演奏者をしっかり使い分けている点にも静かな情熱が伝わって
くる名作だと私も思っています。

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