CS&N関連の紙ジャケット・シリーズ
そんな内情はともかく、CS&N名義作に加えクロスビー、スティルス、ナッシュそれぞれのソロ作やスティルスが新たに結成したマナサスなど計9枚。ぼくにはどれも懐かし過ぎるものです。今の若い人には実感として掴めないでしょうが、ビートルズ解散後のニュー・ロックといえば当時はイギリスではツェッペリン、アメリカではCSN&Yといったくらいの大人気ぶりでした。音楽性については今更ここでは触れませんが、CSN&Yという存在からは個性がそれぞれ異なる人たちの集合体というのは面白いあ〜などと高校生なりに漠然と感じていたのかもしれません。
今回ぼくがライナーを書かせて頂いたのは『ナッシュ=クロスビー』(72年)です。この二人の相性の良さ・友情はよく知られるところですが、そんな彼らがCSN&Y解散後に初めて取り組んだ記念碑が本作です。幻想的なクロスビーと素朴なナッシュの取り合わせの妙、ダニー・コーチマーを始めとするザ・セクションの含蓄ある演奏など、ぼく自身この夏改めて繰り返し聞きながらその魅力を再認識した次第です。アルバムの冒頭を飾る「サウスバウンド・トレイン」にはナッシュの優しさが詰まっています。大義名分やスローガンを振りかざすのではなく、きみ自身の足音を聞いてごらん、南行きの汽車が今夜旅立つよ、と諭す内容であり、ぼく自身も自分の生き方(というほどのものではありませんが)を考える上で大きな影響を与えてくれた歌です。今回のライナーはまずその「サウスバウンド・トレイン」の歌詞から書き始めてみました。よろしかったらぜひ手に取ってみてください。
by obinborn | 2013-12-27 15:39 | rock'n roll | Comments(4)
さて、「自由」、「平等」、「友愛」というフランス革命のスローガンを掲げながらも大上段に構えることなく諭すような「Southbound Train」。これら3つの意味を自分なりに考えてみるのも興味深いところです。