3月のあまのぢゃく

1日は池袋のフリーフロウ・ランチであまのぢゃくのライブを
楽しんだ。ドブロ、ギター、マンドリン、ウッド・ベースと四
人が並ぶ姿こそブルーグラスの編成を思わせるが、そういう言
い方が少しもったいないような自由闊達さを彼らの音楽に感じ
た。ブルーグラスであればファストな曲での速弾きとか、ビル
・モンローからスタンリー・ブラザーズに至る課題曲とかにつ
い走りがち。しかしあまのぢゃくの場合は一曲の進捗が変幻自
在というか、比較的長めの展開のなかでじっくりと発酵させて
いくニュアンスを大事にしていると思う。例えば曲の骨子とも
いうべきリフの部分を拡大しながら大きなウネリを生み出して
いく展開や、ことさら決めのフレーズに頼らずにゆったりと漕
ぎ出していく鷹揚な響きにすごく惹かれる。

ぼくよりずっと新しい世代のグループなので余計そう思うのか
もしれないが、過去の音楽としっかり繋ぎ目を示しながら、古
い価値観やら束縛やらに捉われれない姿が頼もしい。きっと90
年代以降の大きな潮流となったジャム・バンドの後押しもあっ
たことだろう。

ステージはグレイトフル・デッドのさざ波のようなRippleに始
まり、アンコールでの2曲はデッドのFriend Of The DevilとB
rown Eyed Womanで締め括られた。それでも中間に挟まれた
幾つかのオリジナル曲と遜色なく地続きのように、支流から大
きな河口に辿り着く川のように、トータルで逞しい流れが生み
出されていったことがもう嬉しくて。

まるで彼らと一緒に長い旅を過ごしているような感覚だ。その
汽車は駅ごとに新しい乗車客を乗せながら、窓ごしで別れを告
げる人々にも微笑んでいる。丘を超え、窓から見える退屈な光
景をやり過ごしている感じだ。昼に太陽が微笑めばいいではな
いか。静まり返った深夜に汽笛の音を聞き取ればいいではない
か。あるいは雨の日に沈む線路とか。

謙遜もあってかM.Cは少なめだったが、そんなぎこちなさがま
たいい。その分オレらの音楽を聞いてくれよ!と言い含めるよ
うな気持ちがしっかり胸に降りてきた夜だった。

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by obinborn | 2014-03-02 02:11 | one day i walk | Comments(0)  

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