ヘリポーターズとコスモポリタン・カウボーイズ

8月最後の金曜29日は荻窪のルースター・ノースサイドでヘリ
ポーターズとコスモポリタン・カウボーイズのツーマン・ライ
ブを。斯界のトップ・バンジョー奏者である原さとしを擁した
新ユニットのヘリポーターズはブルーグラスに留まらないフレ
キシブルな演奏が魅力のトリオで、とくにドラムスの植村昌弘
のブラシを活かしたリズミックな展開が鮮やかだった。ギター
の渡邊賢一と原との丁々発止にしても、単なる名人芸というよ
り、もっと無邪気に互いの音と触れ合っていく様子が新鮮だっ
た。基本はインストゥルメンタルなのだが、最後はロンサム・
ストリングス同様に原がヴォーカルを取るオールマンズMidni
ght Riderで味わい深く締めた。

対するコスモポリタン・カウボーイズは自ら”脱法カントリー”
を標榜するようにロック心溢れる自由奔放でパンキッシュな演
奏が魅力。ぼく自身もう10年以上観て来たバンドだ。出産のた
めメンバーから離脱せざるを得なかった東野りえの、ゆったり
と間合いを取ったドラムスがぼくは好きだったのだが、この夜
2バンドを兼任した植村のアグレッシブに攻め立てていくプレ
イにも感動した。その植村に刺激されてかリーダーのハル宮沢
もギターや歌へとアクティブに舞い上がっていく。ゴスペル・
ソングのJesus On The MainlineとヘンドリクスのVoodoo Chile
を何の違和感もなく繋げてしまう辺りに、ハル宮沢ならではの
冴えやセンス・オブ・ユーモアを感じずにはいられなかった。

そして筆舌に尽くし難かったのが、コズモズと原さとしの共演
だ。初顔合わせとは思えないほどぴったり息の合ったプレイは
互いにとても楽しそうだったし、コズモズのパパ藤原とのダブ
ル・バンジョーにハル宮沢による激情のストラトキャスターが
唸りを上げながら連なっていく光景は、ときに時代から冷笑を
浴びされられてきた東京アンダーグラウンドの風雲児、ハル宮
沢が遂に勝ち得た誇らしい凱旋である。ジャイアンがベースで
底辺がっつりと支え、多田葉子がソプラノやアルト・サックス
で彩りを加えていく。メンバー全員がアイコンタクトをしなが
ら最後の総力戦へと挑んでいく。

(写真は左から原さとし、筆者、ハル宮沢)

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by obinborn | 2014-08-30 01:44 | one day i walk | Comments(0)  

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