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どんな気がする?

子供がイジめられて黙っている親はいない。息子が交通事故に遭えば真相を追求し、娘が過労死すれば会社を法的に訴えるのが親の務めというものだろう。氷りの世界人なる人物の悪意に満ちたレビューを読むと、書籍という子供を生み出した親として黙ってはいられない。むろん作品というのは公に放たれた時点で第三者による客観的な批評を受けるわけで、そのことでより多くの見方を与えるのだが、レビューにも値しない単なる貶めを私はスルーしない。本人は匿名であればアマゾンに何を書いても許されるとでも考えているらしいが、正体はすでに多くの人たちが承知している。その浅はかさや軽卒さを同業者として哀れに思う。

氷りの世界人は以前から匿名ツィッターやフェイスブックを使いながらことあるごとに私を実名攻撃してきた。その一方で、私が彼のブログに反論すれば削除するだけだった。これでは読者に争点は見えないだろうし狡猾なだけである。どういういきさつかは知る故もないが、現在氷の世界人はツイを閉鎖し、FBに関しては特定の仲間たちのみが閲覧出来る会員制にしているようだ。音楽家が作品を批評されることに寛大なように、音楽評論家もまた彼が書いた文章によって評価される(されない)。もし彼に何らかの職業的なプライドなり倫理観なりがあれば、こうしたクローズドな態度こそを真っ先に改めるべきだろう。音楽をめぐる批評や討論というものは、常に公の場で”風に吹かれて”いなければならないのだから。

すべての信頼を失った人間に対し、もはや掛ける言葉も同情する余地もない。かつてディランはLIKE A ROLLING STONEで傲慢な金持ち女が落ちぶれていく顛末を黙示録的な未来図のように歌い、HOW DOES ITFEEL?(どんな気がする?)と問い掛けた。私にはその残響が空しさとともに聞こえてくるだけだ。ミスター、これは他でもないアンタの話だぜ。

2014年 秋
小尾 隆

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by obinborn | 2014-11-07 12:22 | rock'n roll | Comments(0)  

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