12月24日の佐野元春&ザ・コヨーテ・バンド
ところで昨日、ぼくは懐かしい友だちに会った。当時それほど話したわけではないけれど、会話を交わさなかったわけでもない。そんな友だちだ。いささかのぎこちなさはあったが、ぼくたちは久し振りに語り合いながら話は夜空を見守る星と月にまで及んだ。そんな彼のために今夜演奏された「ポーラスタア」があればいいと思った。そして今日は演奏されなかったけれども、21世紀になってから佐野元春が作った誓いと再会の物語「月夜を往け」が、彼に届けばいいなと思った。
佐野元春は一体何を歌に託し、どんなことと戦ってきたのだろう。そんなことをぼくは今も考える。彼のような生きた言葉で街を描写し、世代を代弁した人はそれまでいなかった。彼のような情熱を携えながらシニシズム(冷笑主義)に陥るまいとロックした人はこれまでいなかった。だから佐野元春を聞いた帰り道、ぼくは自分のことを振り返るのと同じくらい、友だちだった彼や彼女たちが今日もシニシズムという毒に冒されていないことを願う。
by obinborn | 2014-12-25 01:06 | rock'n roll | Comments(0)