また歌ってよ、ドーシー

先日近所の美味しいルイジアナ料理店でたまたまリー・ドーシー
の話になった。この前来日したアラン・トゥーサンからの流れで、
彼が制作したアルバート・キング『NEW ORLEANS HEAT』が持
ち上がり、さらに流れはドーシーへと結び付いていったというわ
け。この私もドーシーは大好きである。元々60年代から彼の歌に
は一種の言葉遊びというかユーモアの感覚があり、それが歯切れ
良いスモール・コンボによる演奏と見事に噛み合っていたのだが、
その頂点がミーターズをバックにトゥーサンがウェル・プロデュ
ースをした『YES WE CAN』(70年)だったと思う。

そんなドーシーの続く最後のアルバムとなったのが78年の『
NIGHT PEOPLE』(78年ABC)である。トゥーサンによる制作
は『YES WE CAN』と何ら変わっていなかったが、変わりゆく
時代を物語るかのようにサウンド・プロダクションは大幅にディ
スコ〜AOR路線へとシフトしている。波のようなストリングスや
多用される女声コーラスにも戸惑った記憶がある。しかしながら、
まるでアルバート・キング『NEW ORLEANS HEAT』同様にいつ
しかこのABC盤を愛するようになっていったのだ。

まるで一夜限りの歓楽街へと誘っていくような冒頭のSAY IT
AGAINがいい。幾分デコレーションされたサウンドではあるが、
そこには精一杯めかし込んだドーシーの姿があった。ニューオー
リンズ・ファンクをモダンに展開した表題曲のNIGHT PEOPLE
に過日と少しも変わらないドーシーの節回しを感じた。そして
CAN I BE THE ONEのメロウな響き!ドーシーがもう少し長生き
してくれれば、例えばアリフ・マーディンとのコラボレイトがあ
ったかもしれない。いつまでもドーシーにHOLLY COWやYA-YA
のイメージばかりを求めるわけにもいくまい。時代はいつも変化
してゆく。

そういえばトゥーサンの熱心な信奉者だったボズ・スキャッグス
が70年代半ばを折り返した地点でどういうキャリアを積み重ねて
いったのか? 誤解を含めながらもR&Bの原理主義から彼が解放
されていった理由は何だったのか? リー・ドーシーの最終作『
NIGHT PEOPLE』はそんなことまでぼくに問い掛けてくるのであ
った。

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by obinborn | 2015-02-01 01:49 | one day i walk | Comments(0)  

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