ジョニー・アランと英パブ・ロック

南ルイジアナのラファイエット出身のジョニー・アランがジン・
レコードからデビューしたのは1959年のことだった。最初のシ
ングルは彼の自作となる3連曲LONELY DAYS LONELY NIGHTS
で、これはやがてスワンプ・ポップと呼ばれる代表作のひとつに
なった。その後もアランはジョニー・ホートンでおなじみのNOR
TH TO ALASKAを改作した地元讃歌SOUTH TO LOUISIANAをヒ
ットさせたが、これは60年代前後のロックンロール・ブームの局
地戦のようなものだった。やがて彼は時代とともに忘れられたが、
72年にチャック・ベリーのPROMISED LANDで再デビューを果た
し英国チャートを賑わした。英BBCの名物DJ故チャーリー・ジレ
ットは熱心なスワンプ・ポップの紹介者だったこともあり、彼は
自身のOVALレーベルから『ANOTHER SATURDAY NIGHT』とい
うコンピレーションLPを74年に作るほどだった。この頃のジレッ
トがボビー・チャールズのウッドストック・アルバムを番組で好
んで掛けていたこと、OVALがバーバラ・リンやサー・ダグラス・
クィンテットなどルーラル・ロックのアルバムを配給していたこ
とも興味深い。ブリンズリー・シュウォーツ時代のニック・ロウ
はスワンプ・ポップ風の自作ナンバーI WORRY('BOUT YOU BA
BY)を書いているが、同時代にリリースされた『ANOTHER SAT
URDAY NIGHT』からの影響を想像してみるのも悪くないだろう。
というのもロウがソロ・デビューするスティッフはOVALと提携
してアランのPROMISED LANDをシングル発売しているほどであ
り、またアランは彼の79年のアルバム『LOUISIANA SWAMP FO
X』でロウのI KNEW THE BRIDE(WHEN THE SHE USED TO RO
CK N ROLL)をカバーしているのだから面白い。この曲はまずデイ
ヴ・エドモンズ版が77年にリリースされたが、そのヴァージョン
に近いファストな出来になっている点も、アランがデイヴ版を聞
きながら覚えた可能性を仄めかしている。またデイヴ・バンドの
名脇役であるゲラント・ワトキンスは、アランの英国公演の際に
バックを務めているという事実もある。さらにジョニー・アラン
は『LOUISIANA SWAMP FOX』でジム・フォードのJU JU MAN
を取り上げているが、この曲をブリンズリーズとデイヴがそれぞ
れカヴァーしていたことは偶然ではあるまい。かくの如くルイジ
アナ・スワンプ・ポップと英国パブ・ロックとは面白い縁があり、
こうした相関性を調べていくのは、あなたに劇薬のような興奮を
もたらすことだろう。

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by obinborn | 2015-02-03 15:47 | one day i walk | Comments(2)  

Commented by Almost Prayed at 2015-02-08 09:55 x
ルイジアナものは実に良いですね。現在では自分が最も愛する音楽と言ってもいいかもしれません。イングランドの人々がのんびりとゆるーい気質だとは思えないのですが(苦笑)、だからこそ憧れも含めて、イングランドのミュージシャンはなおさらルイジアナものに感じ入るところがあるのかもしれないと個人的には思っています。それは日本人が演歌に感じ入るところとよく似たものなのかもしれませんね。

ところで、小尾さんはクッキー&ザ・カップケイクスについてはどうお思いでしょうか。いやぁ、彼らの作品はえらく心に沁みますね。スワンプ・ポップ方面で自分が最も好きなシンガーはロッド・バーナードです。
Commented by obinborn at 2015-02-08 11:06
ジョニー・アランと英国パブロックの関係はやはりルーラルな音楽への憧れと
もう一つは具体的に名DJのチャーリー・ジレットが自分の番組でボビー・チャ
ールズなどを紹介したことが大きかったと思います(拙書パブロックP122など
を参照に)クッキー&ザ・カップケイクスは20代の頃から大好きでした。

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