3月1日の東京ローカル・ホンク

1日は東京ローカル・ホンクのライブを自由が丘のマルディ
グラにて。西日本を回った今回のツアー・ファイナルとなっ
たこの夜も、彼らは疲れを見せることなく弾力のある温かい
演奏を繰り広げてくれた。挨拶代わりに始まった「サンダル
鳴らしの名人」のアカペラからラテン・ビートに彩られた「
引っ越し娘」へと連なる序盤の流れも鮮やかであり、毎日の
牛乳やパンのように親しんでいるにもかかわらず、その演奏
はそれらを欠かさないことで価値を増していくような、大事
な何かをそっと運び込んでくるような、そんな響きがあった。
メンフィス・ソウルそれもウィリー・ミッチェルのハイ・サ
ウンドに返礼するような「はじまりのうた」では、ベースと
ドラムスとが絶妙にシンクロし合いながら膨らみを増してい
くグルーヴが圧巻であったし、彼らのステージには欠かせな
い「お手紙」や「虫電車」が淡いタッチで描き出す人々の暮
らしぶりは、少なくとも筆者にそれが失われた時のことを考
えさせるものだった。

ホンクのソングライターである木下弦二の魅力を追い掛けて
いくと、それは普通の言葉に対して彼がいかに多くの含蓄を
込めているかの一言に尽きる。無駄な修辞を省く。作品のな
かで言い訳をしない。結果として歌われた歌詞なり奏でられ
たサウンドスケープなりに立ち現れるのは作者の素直な心映
えだ。そんなことを感じながら、後半畳み掛けるようにプレ
イされていった「社会のワレメちゃん」や「おいでおいで」
に接していくと本当に大事なものが見えてくる。まして新曲
の(今後重要になっていくと思われる)「身も蓋もない」は、
ジョン・レノンのGODに匹敵するような真摯さだ。そんなひ
とつひとつが胸を焦がしていく一夜だった。

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by obinborn | 2015-03-02 08:38 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

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