4月13日のホンク

ホンク3DAYSの最終日となる13日は、さとうさちこを迎えて
のツーマンだった。雨の月曜日ということもあって会場の横浜
サムズアップはやや空席もあったが、こんな日にふさわしいし
っとりした演奏が疲れた体にじわじわと染み渡った。

さとうさちこは何でもジョニ・ミッチェルに傾倒しているらし
く、オープニングにあの懐かしいBOTH SIDE NOWを選び、な
おオリジナル曲の狭間にちょっとした小品CARIFORNIAを混ぜ
るなど、ジョニ好きの筆者を大いに喜ばせた。また澄み渡った
歌声にしても技量をひけらかす部分がまったくなく、抑制され
た表現に(タイプは違うが)ホンクと共通する匂いを感じた。
途中からホンクのメンバーを交え、わずかに音数を増していく
構成も実に見事だ。地元で愛されている彼女らしく和気あいあ
いとした客席とのやり取りも悪くない。5月にはジョニの曲だ
けを歌うライブもあるとか。もし都合が付けば駆け付けたいと
ころだ。

昨夜に続けて聞いた東京ローカル・ホンクは、また演奏の細部
のニュアンスが異なり、その変幻自在なステージに圧倒された。
ベースとドラムスのシンクロ感がメンフィス・ソウル、それも
ウィリー・ミッチェルのハイ・サウンドを彷彿させる「はじま
りのうた」から新たな名曲となった「身も蓋もない」まで、ケ
レン味のないその音楽は聞き手を飽きさせることがない。客席
にシッティングしてノンマイクで歌われた「夜明けまえ」のコ
ーラスの見事さはどうだろう。毎度お馴染みの光景ではあるが、
いつも囲むテーブルに温かいスープが差し出されるのと同じよ
うに、失いたくないものがそこにあった。

さとうとホンクは昔からの音楽仲間らしく、両者がジョイント
した終盤はさながらジョニ・ミッチェルとザ・バンドとの出会
いのよう。また最後にはさとうに花を持たせ、再び彼女のソロ
でアイルランドの伝承曲THE WATER IS WIDEが歌われるなど、
さとうに対するホンクのささやかなエールが嬉しい。さっき家
に帰ってきた私は、今ジョニの若き日のきらめきに満ちた『B
LUE』を聞きながらこれを書いている。LP盤は二度目のAサイ
ドになり、ちょうど4曲めのCAREYに差し掛かったところだ。

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by obinborn | 2015-04-14 02:01 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

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