1980年秋のグレイトフル・デッド

デッドのオリジナル・アルバムは現在ボーナス・トラックを
追加した形でリマスターCDが発売されているが、とりわけ驚
かされたのは『DEAD SET』が多くの未発表テイクとともに
生まれ変わったことだった。ちなみにその追加曲はLET IT G
ROW、SUGAREE、C.C.RIDER、ROW JIMMY、LAZY LIGH
TNIN'、SUPLLICATION、HIGH TIME、JACK STRAW、SHA
KEDOWN STREET、NOT FADE AWAYの10曲。これはまさ
に長時間収録を可能にしたCDの特性を2枚組に生かし切った
形だ(最初の形態であるLP2枚はディスク1に収まった)

80年の秋ツアーからライブ収録されたこの『DEAD SET』は
彼らのオフィシャル盤のなかでも人気の高いアルバムだった
が、そのエレクトリック・サイドをより拡大した形で堪能出
来る。演奏面ではやはりミッキー・ハートが復帰してツイン
・ドラムス体制が戻ってきたことが大きい。むろんミッキー
不在時のシンプルな歌モノ路線も悪くなかったが、アフリカ
音楽に傾倒した彼のドラム&パーカッションによって、演奏
の自由度は飛躍的に増している。たとえビル・クレイツマン
と同じビートを軽く合わせている時でさえ、タイム感のズレ
や厚くなった倍音に接することが出来るのだった。そうした
意味ではRHYTHM DEVILS>SPACE>FIRE ON THE MOUNT
AINと連なっていくインプロ部分は本作最大の聞き所だろう。

そしてジェリー・ガルシアの静とボブ・ウェアの動のコント
ラストも味わえる。FRIEND OF THE DEVILがゆったりとガ
ルシアによって歌われる次に、ウェアのNEW MINGLEWOO
D BLUESが躍動する。ウェアがGREATEST STORY EVER
TOLDのロックンロールを決めた後には、ハンター=ガルシ
アのなかでも最も美しい作品BROKEDOWN PALACEが待っ
ている。そうして押したり引いたりするリズムのさざ波が
交互に訪れることによって、デッドの音楽は広がりのあるも
のになったのだ。

この『DEAD SET』と対になるアクースティック・セットを
収録した『RECKONING』を併せて聞けば、80年秋のグレイ
トフル・デッドの全貌が見えてくる。こんな春の日には彼ら
の音楽に思いっきり身を委ねてみたい。ビル・ブロウィング
のヒルビリーからハムザ・エル・ディーンのアフリカ音楽ま
でがそこに流れている。緩いチャック・ベリーがあり、なか
なか終わらないバディ・ホリーのNOT FADE AWAYでは、
ステージに立っている者たちがどうやってエンディングに向
かうのかを探っている感じだ。そのアイ・コンタクトまで含
めて、ぼくはデッドというグループが大好きだった。

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by obinborn | 2015-04-16 18:07 | one day i walk | Comments(0)  

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