1973年11月のグレイトフル・デッド

今日のデッドは73年11月11日。彼らの地元であるシスコの
ウィンターランド3日間公演の最終日である。キース&ドナ
・ゴドショウの新参加組もすっかりメンバーに溶け込み、ビ
ル・クレイツマンのワン・ドラムス体制ながら、じっくりと
いい楽曲を落ち着いた演奏で聞かせていく。そんな意味では
キーボードの音色が華美になっていく後年より、筆者が俄然
贔屓にしている時期の記録である。フィル・レッシュの腰が
思わず浮くような柔らかいベース・ランが”歌モノ”で際立っ
ていることもポイント。この時期積極的に取り上げていたマ
ーティン・ロビンスのEL PASO、ジョニー・キャッシュのB
IG RIVER、クリス・クリストファーソンのME AND BOBBY
McGEEといったカバー曲からも、カントリー・テイストが
何とも心地よく聞こえてくる。

白眉はやはりWEATHER REPORT SUITEだろうか。それま
でハンター=ガルシアのソングライティング・コンビに押さ
れがちだったボブ・ウェアが隠れた才能を発揮したことでも
忘れられない三部構成から成る壮大な組曲だ。後年は一部が
省略され後半のLET IT GLOWのみがピックアップされていく
だけに、73年に行われた本来の演奏が思いっきり懐かしい。
そして勿論ステージの後半にはDARK STARがあり、それが
EYES OF THE WORLDへと連なっていく。

澄んだ水のようにクリアなガルシアのギターと優しい歌声を
聞いているだけで、過去と現在と未来の時間軸がトリップ感
とともに入れ替わっていくよう。90年代以降にジャム・バン
ド〜長尺演奏のムーヴメントがあり、その流れのなかでデッ
ドがまさに元祖として見直された部分もあるけれど、幾つか
の90年代組よりもずっと牧歌的で鷹揚に聞こえる。それが時
代というものだろうか。

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by obinborn | 2015-04-23 17:24 | one day i walk | Comments(0)  

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