Sweet Soul Music

ピーター・ギュラニックの『SWEET SOUL MUSIC』が翻訳
された時は本当に嬉しく、読みあさったものだ。勿論原書も
持っているのだが、日本語で一気に読み通す気持良さがあっ
た。とりわけこの本を名著たらしめているのは、ギュラニッ
クがダン・ペンやドニー・フリッツといったサザン・ソウル
の裏方たちに着目し、南部の音楽シーンを俯瞰している点だ
ろう。ギュラニックはダン・ペンのSKINという人種問題を扱
った曲の歌詞を後半に引用しているほどで、彼が論ずるとこ
ろの黒人と白人との音楽的混合がソウル音楽の素晴しさだ、
という主張を一貫して崩さない。

そんなサザン・ソウルのど真ん中にいたアラバマ・ボーイが
ダン・ペンだ。彼が60年代半ばに録音した未発表音源集の『
THE FAME RECORDINGS』には、ソングライターとして南
部シーンに関わってきた男の足跡が詰め込まれている。オー
ティス・レディングのYOU LEFT THE WATER RUNNING、
ローラ・リーのUPTIGHT GOOD WOMAN、アーサー・アレ
キサンダーのRAINBOW ROAD、ソロモン・バークのTAKE
ME、オヴェイションズのI'M LIVING GOOD、パーシー・ス
レッジのIT TEARS ME UP、ジェイムズ&ボビー・ピューリ
ファイのI'M YOUR PUPPET…..といったダン・ペンがスープ
ナー・オールダムやドニー・フリッツとのコンビで書き上げ
てきた楽曲の数々が、ペン自身の歌による作者版として陽の
目を見たことがもう嬉しくって。しかもとても仮歌(デモ)
レコーディングとは思えない完成度!これには唸るしかなか
った。

残念ながらペンを取材したことはないのだが、同じアラバマ
州のソングライターであるドニー・フリッツにインタヴュー
出来たのはいい思い出だ。その際にフリッツが語ってくれた
ことがサザン・ソウルの真実だと筆者は思っている「私とア
ーサー・アレキサンダーは10代の頃からずっと友だちだった。
そして私たちはともに演奏旅行をした。でもなかには『何で
お前は黒ん坊なんかと一緒にいるんだ!』と罵られたことも
ある。でも私たちは負けなかった。彼らには言い返してやっ
たよ『俺たちは一緒に音楽をやっているんだ!』ってね。マ
スル・ショールズはそれほどでもなかったけれど、バーミン
ガムでの人種差別は本当に醜かった。そうそう、ツアー先で
はまだデビュー以前のオーティス・レディングからシングル
・レコードを貰ったことがあるんだよ」

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by obinborn | 2015-05-22 00:06 | one day i walk | Comments(0)  

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