6月21日の佐野元春&ザ・ホーボー・キング・バンド

21日は佐野元春&ザ・ホーボー・キング・バンドを東京ビルボ
ードにて楽しんだ。コヨーテ・バンドのザクザクと切り込んで
いく無鉄砲なギター・ロックもいいが、ビルボードという会場
に合わせ、寛いだ大人の味わいを醸し出していくHKBの演奏も
また陰影が深く、佐野と歩んだ35年をフラッシュバックさせて
いくような音と言葉たちが胸を満たした。

まだ明日の最終日が残っているのでセットリストに触れられな
いのは歯痒いが、約90分全14曲が間髪を置かずテンポ良く繰り
広げられていく。大阪と東京で4年めになるこのビルボード・
ライブのテーマは、古い曲から新しい歌までを、しかも佐野の
キャリアからは脇道に置かれがちなナンバーに光を当て、彼が
若かった頃とは異なるニュー・アレンジで披露するという共通
点で一貫する。コヨーテ・バンドとの第三作『Blood Moon』の
発売が来月に控えるなか、佐野のこれまでの長い歩みを振り返
るような今夜の響きは、何とも得難い体験だった。

イントロとともに瞬時に思い起こす曲もあった。2コーラスめ
やリフレインの時になってやっとタイトルが浮かんできた歌も
あった。佐野元春の35年とは、いみじくも筆者にとって殆ど同
じ日々であり、同世代的な感情ばかりを抱いてしまう。彼のよ
うな情熱を伴って「日本のロック」に新しい眼差しを注いだ人
はいなかった。彼ほど生きた言葉で街を切り取り、鮮やかに彼
や彼女たちの群像を描いた人はいなかった。枯れた土地があれ
ば佐野はそこに水を撒いていった。その言葉は溢れ出しながら
音という絵の具で描かれていった。

そんな彼のひとつひとつの営為を、今こうして振り返っている。

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by obinborn | 2015-06-21 22:07 | rock'n roll | Comments(0)  

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