追悼:ブルース・ローランドその2

というわけでローランド氏を偲んで今夜はコレを聞くしか
ないでしょう。よくシンガーとドラマーとの関係は投手と
捕手とのそれに譬えられるけれど、バンド・サウンドの妙
味を知れば知るほど「ドラムなんて誰でも同じ」とは言え
なくなる。そんな意味でヘンリー・マカロックというシン
ガー&ギタリストは本当に良い女房役に恵まれたとぼくは
思っている。つまりそれほどまでにブルース・ロウランド
のドラムスはマカロックの南部詣でのような歌をがっしり
と受け止めていったのだった。

20代前半に出会って以来この『GREASE BAND』を多分
もう1000回以上聞いているが、今夜再びローランドのDs
に焦点を当てながら接してみると、この人の頑固そうなリ
ズム・キープや歌心溢れるフィル・インが、なお一層身体
に染み渡ってくる。21世紀になってから既に15年めになる
今日、スワンプ・ロックという音楽スタイルがどこまで若
い世代に伝わっているのかは心もとないけれど、歌詞の良
さでも旋律の美しさでもなく、バンド・サウンドの温もり
という一点によって、71年に発売されたこの『GREASE
BAND』はこれからもずっとある種の音楽ファンにとって
暗闇をそっと照らし出す羅針盤のような存在になっていく
ことだろう。

ミュージシャンの死亡記事にはどこかで慣れっこになって
いる自分がいた。そんなぼくでもローランドの別れの挨拶
には動揺を隠せない。前段のテキストでは触れられなかっ
たが、彼のセッション・ワークとしてはロジャー・モリス、
ジェリー・ロックラン、ブライン・ハワースといった英国
のソングライターとの共同作業も忘れ難いものだ。恐らく
70年代の英ロック・ファンの間ではマーティン・ランブル、
デイヴ・マタックス、ジェリー・コンウェイ、あるいはティ
ミ・ドナルドらとともに、ブルース・ロウランドの名前は
ずっとずっと記憶されていくに違いない。それは人々が自
分の育った町を振り返る気持に似ているのかもしれない。

その土地が枯れないように雨や太陽を降らせていこう。聞
く耳が曇らないように。どこかの誰かが用意した最新モー
ドに流されないためにも。

e0199046_17493125.jpg

[PR]

by obinborn | 2015-07-08 17:50 | one day i walk | Comments(0)  

<< 7月10日の双六亭とサザンライツ 追悼:ブルース・ローランドその1 >>