ディック・ゴーハン『HANDFUL OF EARTH』

「これらのオリジナル・ソングがなければ私は何も出来な
かったのです。私は伝承曲に影響され自分なりに翻訳しま
した。とくに私の故郷である北アイルランドのトラッド・
ソングには感銘を受けました」ディック・ゴーハンが自ら
ライナーノーツで語る『HANDFUL OF EARTH』(Topic
81年)は、まさにゴーハンの記念碑といっていいだろう。
ジャケットでは原子力発電所を背景に仁王立ちする彼の姿
が映し出されているが、収められた歌の数々は人の営みや
伝えられてきた奇譚に発する歌が多い。なかにはレイシズ
ムに言及した歌もあるが、同じレーベルのアーチー・フィ              ッシャーの曲、望郷の念に捕われたSong For Ireland、そして            労働歌などが大半を占めていて、必ずしも反原発の歌が歌
われているわけではない。しかしながらそれらの歌がある
日突然失われてしまうような怖さが本作にはある。社会的
ではない歌が逆に社会を反映していくようなアイロニーが
ろうか。ゴーハンがシンプルな弾き語りで静かに歌うほど、
伝わってくるものは大きい。

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by obinborn | 2015-08-12 18:57 | one day i walk | Comments(0)  

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