『Blood Moon』をアナログ盤で聞く

『BLOOD MOON』のアナログ盤が届いた!これまでCD
でもう多分150回以上聞いてきたけれど、LP盤で聞くとコ
ヨーテ・バンドらしい野性味に満ちたバンド・サウンドが
より剥き出しになる感じで、普段接している彼らのライブ
の印象に近い。ああ、佐野元春はコヨーテたちとこういう
強靭な音を作りたかったんだなあ、ということがCD版以上
に伝わってくる。確かにCDではひとつひとつの音がバラン
ス良くデジタル変換されているが、音がひとつの塊となっ
て唸り迫ってくるLP盤のサウンドスケープは圧巻だ。収録
時間が48分以上あるのでLPメディアのダイナミック・レン
ジを考えた場合は昨今流行りの2枚組に振り分ける判断も
あっただろうが、アルバムのトータリティを考えたとき、
やはり佐野はきっかり一枚で起承転結を付けたかったはず。
そんな想いもしっかり届いた。CDと同じ音量で聞く分には
いかにも弱いのだが、倍音にした際のしなやかなグルーヴ
は、まさにロック・バンドの理想型を思わせるほど。

アルバムの内容については何度も書いてきたので、ここで
繰り返すまでもないだろう。佐野元春は今までも時代を映
すアーティストだったが、今回はとくに社会性の高い作品
が並んでいる。それもこれまでの彼が必ずそうしてきたよ
うに具体的にどこかの誰かを糾弾するものではなく、言葉
は選び抜かれ抽象化されている。そのぶん、あと5年経っ
て、あるいは10年経って、2015年を振り返った場合でも、
本作に収録された12曲は鮮度を失わないのではないだろう
か。勇ましいことをダイレクトに表明するのがパンク・ロ
ックだとしたら、佐野元春はもう少し世界を俯瞰しながら
歌の主人公に”歌わせている”そんな物語性を考慮しながら
最高のロック詩人の言葉とコヨーテ・バンドの音を感じて
欲しい。

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by obinborn | 2015-08-13 17:25 | rock'n roll | Comments(2)  

Commented by caorena at 2015-08-13 23:58
りーなです。アナログ、ジャケットも映えるし、内容も素晴らしいです!
自分のブログにも書きましたが、私は先にアナログを聴いてからCDを聴いたので、音の違いに驚きながら、これはアナログを意識した曲順だなと強く思いました。
そしたら元春がラジオに出演した時に、アナログありきで考えたと言っていたので、ああやっぱり!と嬉しくなりました。
小尾さんがおっしゃるように「野性味に満ちたバンド・サウンドが
より剥き出しになる感じ」はほんとにそのとおりで、もう完全にやられちゃいました(笑)
Commented by obinborn at 2015-08-14 11:45
いつもコメントありがとうございます!遅まきながらぼくもLP
盤の音の太さを実感しています。そして聞けば聞くほどこの曲順
であることに意味を感じずにはいられません。佐野さんのアルバム
からはいつも物語性が感じ取れますが、今回はとくにトータル性
が際立っていますね!この野性味、クセになりそうです(笑)

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