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オーリアンズの覚え書き

「豊かなハーモニーという点ではイーグルズとオーリアン
ズとは確かに共通点がある。でもぼくたちは元々東海岸の
R&Bバンドだったんだよ」ジョン・ホールがそう言ってい
たように、オーリアンズは”ファット・ボトムとハイ・ハー
モニー”を実践したバンドだった。デビュー・アルバムをマ
スル・ショールズで録音したのも、彼らの出自を物語って
いる。そして73年オーリアンズは地元ウッドストックのベ
アズヴィル・スタジオで念願のセカンド作のレコーディン
グを完了したのだった。これこそは彼らの自信作だったが、
abcレーベルは「売れない!」と発売を拒否してしまった。
ホールはこう回想する「レコード会社にもう少し想像力が
あれば良かったのに…」

2015年の今になってもオーリアンズの影響力は絶大だ。と
いうのも有名無名に関わらず、ちょっとしたギターのオブ
リガートや歯切れのいいカッティングにホールやホッペン
の痕跡を感じさせる音楽家(勿論私が好きな人たちだ)が
少なくないから。ある意味アヴェレージ・ホワイト・バン
ドやココモといった英国圏のバンドと同じような役割を果
たしたとも言えよう。このオーリアンズやファビュラス・
ラインストーンズの波及効果はそれこそシュガー・ベイブ
からキリンジまでに散見される。歌われる言葉が平易な連
なりとしてではなく、生き生きとしたリズムを伴いながら
輝き出していく。音楽を聞いていて幸せだなと思うのはい
つもきまってこんな時だ。

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by obinborn | 2015-08-19 19:35 | rock'n roll | Comments(0)  

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