私のアナログ道

CDというフォーマットが普及し始めたのは、80年代半ばの
ことでした。私も時代の流れには逆らえずCDプレイヤーを
購入し、試しに何枚かのCD盤を選びました。今でもよく覚
えています。当時はまだ宇田川町の外れにあったタワー・レ
コードの商品構成はLPとCDとが半々ずつといった感じだっ
たのですが、とりあえずライ・クーダーの『チキン・スキン
・ミュージック』のCD盤を買ってみたのでした。ジム・ケ
ルトナーのブラシ・ワークが鮮明に聞こえてきました。

それでも以降レコード・プレイヤーをオーディオ環境から外
してしまうとか、LPやシングル盤を売り払ってしまうという
ことはありませんでした。これは時代を見越す卓見があった
というのではなく、単に私がケチだったからです。多くの人
がレコードを手放しCDへと乗り換えていきましたが、私はこ
れまで集めてきた自分なりのレコード・コレクションがもっ
たいない、と感じたまでです。あの頃は「レコードなんかに
こだわっているとシーラカンスになっちゃうぞ!」という脅
しめいた物言いまでありましたね。何か新しいものが出て来
た時、人々は根拠もなく未来を盲信し、過去を置き去りにし
てしまうのかもしれません。これはCDに限った話ではなく。

ダウンローディングの波及によって現在CDの生産量が頭打ち
になっていることは皆さんご承知のことでしょう。その代り
にアナログ・レコードの良さが見直され、ブームになってき
た昨今の様子を眺めていると、結果的に私の選択は正しかっ
たことになります。かつてレコード撲滅宣言をしていた人た
ちを引っぱり出してきて、査問委員会で吊るし上げたいくら
いです。責任者出てこい(笑)そういえばCDの『チキン・ス
キン・ミュージック』はもう行方不明なのですが、米オリジ
ナルのLPレコードは今もきちんと私のライ・クーダー・コー
ナーに鎮座しています。左隣には『パラダイス&ランチ』が
あり、右にはライブ盤の『ショウタイム』がある。人が時間
をかけながら築いていく個人史とは、とどのつまりそういう
ものなのかもしれません。

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by obinborn | 2015-10-04 11:08 | one day i walk | Comments(0)  

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