スティーヴ・ヤング『SEVEN BRIDGES ROAD』

スティーヴ・ヤングに関してはあまり詳しくはないけれど、
69年のデビュー作『ROCK, SALT AND NAILS』(A&M)や、
72年のセカンド『SEVEN BRIDGES ROAD』(REPRISE)
など初期の作品が今現在も忘れ難い。ジョージアに生まれた
このサザーン・ボーイはいつしかニューヨークへと赴きグリ
ニッチ・ヴィレッジのフォーク・シーンで切磋琢磨したとい
うが、根っからの南部気質は隠しようもなく、無骨な語り口
とともに奏でられるルーラルな響きが時を超えて胸を打つ。
ファースト・アルバムにはジーン・クラークやグラム・パー
ソンズといった元ザ・バーズ組も参加していたから、当時の
ロックの大きな潮流となったカントリー指向に、ヤングは接
着剤のような役割を果たしたのかもしれない。現に西海岸の
70年代を彩ったイーグルズは、ヤングのSEVEN BRIDGES
ROADをレパートリーとしていたくらいだ。

カントリー音楽の本場ナッシュヴィルで録音された『SEVEN
BRIDES ROAD』(写真)はそんな音楽背景を持つヤングに
とって面目躍如の作品だったに違いない。フレッド・カータ
ーJr.やピート・ドレイクによるギターやスティール・ギター、
あるいはチャーリー・マッコイやボビー・トンプソンといっ
たエリア・コード615に在籍するメンバーの演奏がヤングの
歌にそっと寄り添っている。ディランやザ・バーズのナッシュ
ヴィル訪問は後進のアーティストにルーツ音楽への眼差しを
与え、英国のローリング・ストーンズにも影響を及ぼしたほ
どだが、そうした動きの片隅にヤングがいたことを覚えてお
きたい。自分探しはいつの時代も若者にとって必須科目。そ
んな青い時代の息吹が『SEVEN BRIDGES ROAD』からは
しっかり聞こえてくる。ときにオクラホマの砂埃を浴びなが
ら、ときにモンゴメリーの町に降り注ぐ雨を見つめながら。
そしてアルバムの主人公は今日も七つの架け橋に思いを巡ら
せていることだろう。

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by obinborn | 2015-10-23 03:23 | one day i walk | Comments(0)  

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