10月30日のサーディン・ヘッド

音の粒子が無限大に弾け飛んでいった夜だった。緊張と弛緩、
動と静、あるいは爆発と抑制。そうした対立する要素を長尺
ジャムのなかで紐解いていくサーディン・ヘッドのライブを
30日は青山の月見ルにて。彼らの演奏に接するのは10月6日
に続くものだったが、都心でも最高の音響設備では?と賞賛
される月見ルだけに、サーディンの実力が遺憾なく発揮され
た感動的で忘れ難いものとなった。とくに2本のギターが一
時同じリフを繰り返しつつも、やがてほぐれながら気ままに
フリーへとインプロヴァイズしていく自発的なプレイが筆者
の胸をとことん満たしていく。その局面局面に於けるメンバ
ー4人の反応力がまた実に鋭い。精緻に描き出す地図があれ
ば、本人たちも予測不可能の展開もあり、あらゆる意味で今
現在最も輝いているバンドの姿を指し示していく。デッドや
オールマンズのショウを彷彿させるライティングも効果的で、
超満員のオーディエンスを歓喜の渦へと導いていった。それ
ぞれの音が激しくせめぎ合うなか、ふとメロディアスな輪郭
を描き出してゆく至福感といったら!

サーディン・ヘッズに感謝を込め『FOR FREE』と題された
この日の無料ライブ。思えば彼らはテーパーによる同時録音
やトレードを歓迎しながら音楽をやり続けている。その心意
気にデッドが長年に亘り培ってきたスピリットや、従来の音
楽産業に対するカウンターを思わずにはいられない。言葉で
はなく、あくまで音として提示され、様々な色で塗られてい
くキャンバス。その絵はどこまでも自由であり、何らかの意
図によって曇ることはない。そんな清々しさを身体いっぱい
に感じながら帰路に着いた。

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by obinborn | 2015-10-31 01:39 | one day i walk | Comments(0)  

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