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11月3日の中村まりと塚本功

11月3日は中村まりと塚本功のツーマン・ライブを吉祥寺の
クアトロ・ラボにて。二人の顔合わせは久し振りのことだっ
たが、かつて中村が塚本のギター・レッスンを受けていたと
いうだけに息の合った共演を聞かせてくれた。まずは中村が
自作のThrough My Heart Againからミシシッピ・ジョン・ハ
ートのSlidin' Deltaへと序盤を繋ぐなどソロ・パートを披露。
最新曲として歌われたOne Thingや、もはや名曲の風格を湛
えてきたStill In the Sunなどを耳にしていると、自然に新し
いアルバムへの期待が募ってくる。またデイヴ・ヴァン・ロ
ンクやカーレン・ダルトンも演奏した古典Green Green Roc
ky Roadや、バンジョーに持ち替えて歌われたトラディショ
ナルLittle Burdieでも、技量を伴ったシンギングが冴え渡る。

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第一部の最終曲Caught in a Roundaboutでは、フルアコを抱
えた塚本が加わり、二部からはしばし彼の時間帯が繰り広げ
られた。お箱であるマジック・サムのFeelin' Goodを掻き鳴
らしつつ客席を練り歩くなど、塚本は百戦錬磨のステージで
湧かせるが、一方でスキッター・ディヴィスの End of the Wo
rldや幾つかのオリジナル・ソングでナイーヴな心持ちもたっ
ぷり。そういえばギター・インスト版でザ・バンドのin a S
tationを奏でる心憎い演出もあった。

そして終盤は二人がジョイントすることで、生ギターとフル
アコとが絶妙に溶け合っていく。塚本が「デューク・エリン
トン最高のロックンロール!」とアナウンスした後に爆発す
るCaravan、先日惜しくも他界してしまったハース・マルテ
ィネスのAltogether Alone、ファッツ・ウォーラーのEveryda
y Is a Holidayなどがこちらの胸の閊えを癒してゆく。意外な
ことにR.C.サクセションの「たとえばこんなラブ・ソング」
まで飛び出したほど。21世紀になってから15年め。武蔵野の
一角から過去の優れた楽曲と愛おしいオリジナル・ソングと
が互いに微笑み合うナイスな夜となった。

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by obinborn | 2015-11-04 00:36 | 中村まり | Comments(0)  

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