11月7日の東京ローカル・ホンク

7日は東京ローカル・ホンク今年最後のワンマン・ライブ
を高円寺のJIROKICHIにて。彼らの多くの曲をまるで自分
の手足のように親しんできた自分だが、やはり一期一会の
演奏へと接するたび新鮮な気持に襲われる。地響きのよう
に轟く和声といい、複雑に入り組んだリズムといい、音楽
的にはとても複雑な語彙を用いているのに、それらをごく
シンプルで優しく聞かせるところに、キャリア20年の業を
思った。四人が奏でる楽器が自然に溶け合いつつ空間を満
たしていく。そこにロック・カルテット理想の姿を思わず
にはいられない。

日常のありふれた言葉を用いながら、町をスケッチし人々
の様相を切り取る。そんな木下弦ニのソングライティング
が、この夜も表情豊かな演奏によって命を吹き込まれた。
セットリストで言えば、「拡声器」「はじまりのうた」
「昼休み」「お手紙」といった楽曲がその最たるものだろ
う。アカペラで歌われた「サンダル鳴らしの名人」「夏み
かん」「夜明けまえ」の3曲も、ステージと会場との垣根を
取り払っていく親密さに満ちていた。また長尺ジャムとし
て終盤を飾った「社会のワレメちゃん」とそれに続いた新
たな名曲「身も蓋もない」では、今直面している厳しい現
実に対する個人の声が発せられていく。「身も蓋もない」
の歌詞を一部紹介しよう。「ブルーズなんてみんな借り物
の言葉さ/ロックンロールなんてただの習い事/今思い出す
のはあの日の子守歌/網戸から夜道に流れる笑い声/効き目
のある祈りの言葉を教えて欲しいけど」

もしジョン・レノンが今も生きていたら、きっと木下弦二
のような言葉を携えていただろう。弦二のように曇りのな
い目で世界のありようを見つめていただろう。

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by obinborn | 2015-11-08 01:44 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

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