木下弦二の『natural fool』に寄せて

「ぼくたちのバンドを聴いてみてください」木下弦二から突然
電話が掛かってきたのは07年の夏のことだった。ぼくはちょう
どお昼に定食屋で御飯を食べていた時だった。そんなことまで
よく覚えている。あれから8年が経ち、今こうして彼初めてのソ
ロ・アルバムに接していると、人との出会いの偶然に感謝せず
にはいられない。平易な日本語を綺麗に響かせる人だなという
のが最初の印象。やがて自分の暮らしてる町の様子や人々の表
情をスケッチした彼のソングライティングにすっかり夢中にな
った。今回の『natural fool』にはそんな弦二の世界がたっぷり
詰まっている。東京ローカル・ホンクで演奏してきた代表曲の
ソロ・ヴァージョンもあれば、比較的最近生まれた歌もあると
いった具合で、これから彼を聴いてみようという方にも名刺代
りにお薦めしたい。優れた歌には二律相反の感情があるとよく
言われる。それは楽しい歌を聴いているうちに悲しくなってく
る心の糸口のようなもので、陽光に照らされれば照らされるだ
け自分の影が伸びていくのと似ている。木下弦二はそういう影
絵のような歌を作れる人だ。

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by obinborn | 2015-12-04 17:36 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

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