Rolling Stones /After-math

66年の4月にリリースされた『アフターマス』はこれまで
多くのカバー曲を取り上げてきたストーンズが、初めてジ
ャガー=リチャードによるオリジナル曲のみで構成したア
ルバムとして話題になった。グループとしては4作目のLP
であり、全曲がロスアンジェルスのRCAスタジオで録音さ
れている。これまでも渡米した際はチェスとともに愛用し
てきたRCAスタジオでの作業がより熟れてきた過程であろ
うか。同地のエンジニアであるデイヴ・ハッシンジャーが
裏ジャケットにストーンズとの出会いを記す序文を寄せて
いることも象徴的だ。何と言っても強調したいのは各種楽
器を操るブライアン・ジョーンズの活躍であり、珠玉のバ
ラードLady Janeでのダルシマーや、Under My Thumbでの
マリンバの響きがサイケデリアの時代を彩り、67年の12月
に発表された記念碑『サタニック・マジェスティーズ』を
予見させている。その一方ではFlight 505やIt's Not Easyと
いった従来のR&B〜ロックンロール、ブライアンのスライ
ド・ギターが冴えるブルージーなDoncha Bother Meといっ
た楽曲もあり、先進性とルーツ回帰との間で揺れ動く66年
ならではの彼らの姿を克明に捉えている。モータウン・サ
ウンドと同じように一拍目のスネアを強調したStupid Girl
と、68年の『ベガーズ・バンケット』にも通じるカントリ
ー・ブルーズ曲High And Dryを対比させても、チャートバ
スターと老ブルーズマンとのような取り合わせだ。またス
トーンズとしては初めて11分半を超える長尺ジャムとなっ
たGoin' Homeには当時台頭してきたフリートウッド・マッ
クやチキン・シャックといった英ブルーズ・ロックの影響
を感じずにはいられない。アルバム・タイトルのAFTERM
ATHとは文字通り「余波」という意味であり、まさに66年
というニューロック勃興期の空気に晒された彼らの姿が映
し出された貴重な作品集となった。本作からはMothers Little
Helperが66年の7月に全米8位、Lady Janeが同年8月に24
位へとチャート・イン。なお余談になるが、諦観に満ちたOut
Of Timeはハル・アシュビー監督の映画『帰郷〜Coming Ho
me』に使用され、ヴェトナム戦争に翻弄される主人公たち
の気持を汲み取っていた。

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by obinborn | 2016-04-07 07:35 | rock'n roll | Comments(2)  

Commented by 大塚 at 2016-04-07 15:24 x
グリン・ジョンズの本『サウンド・マン』を読み始めています
最初からジミー・ペイジやらスチュの話が出てきて驚きました
まだ読んでなかったら ぜひ読んでみてください
Commented by obinborn at 2016-04-08 02:10
大塚さん、情報ありがとうございます。さっそく注文しました!面白そうですね。なお最近はフェイスブックのほうを中心に
書いています。よろしければそっちもチェックしてみてください。

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