砂埃のようなガイ・クラーク

「僕たちはずっと同じ道を歩いてきた。ガイ・クラークは
若い人にはそう簡単に書けないトム・ウェイツのような歌
を作る。ガイが歌で描くのは老人や古い汽車や遠い記憶そ
して白黒映画なんだよ」75年にリリースされたガイのデビ
ュー作に、ジェリー・ジェフ・ウォーカーはそんな一文を
寄せている。

ガイ・クラークが亡くなり、しばし呆然としている。彼こ
そは故タウンズ・ヴァン・ザントとともにテキサスの新し
いシンガー・ソングライターの潮流を築き、今日活躍する
幾多のアメリカーナの規範となり、点在する”普通の人々”
にとって心の拠り所だったから。

ジョニー・ギンブルの朝靄のようなフィドルに導かれて
名曲「L.A Freeway」の主人公はこう歌い始める「食器類
をすべて詰め込みなさい/佳き希望を記しなさい/家主に別
れを告げて」 your dishesとgood wishes の韻の踏み方に
ぐっと来たものだった。大袈裟な言い回しで解った風な
主張をするのではなく、クラークは行間のなかに人生の
何気ない真実やちょっとした機微を忍ばせた。苦み走った
歌い方には歌詞には出てこない含みが感じられた。

ぼくが若かった頃、クラークの歌を聞くのは背伸びするよ
うな体験だった。今ではもっと身近に彼の歌に接すること
が出来る。クラークさん、まるで砂埃(ダストボウル)の
ようなあなたの歌が好きでした。

e0199046_18365939.jpg

[PR]

by obinborn | 2016-05-18 18:38 | one day i walk | Comments(0)  

<< 5月26日のサーディン・ヘッド 5月14日の東京ローカル・ホンク >>