都知事選を振り返って

都知事戦終盤での野党共闘の綻びは醜いものだった。宇都宮
と鳥越との内紛はもとより、民進の岡田が次回の党代表には
候補しないと投票日前日になって表明するなど、首を傾げざ
るを得ない事態が続いた。これでは敵前逃亡と罵られても仕
方あるまい。肝心の鳥越にしてもアンチ安倍政権を掲げるだ
けで、とても真剣に都の政策を考えているとは思えなかった。
しまいには大島など離島に限っては消費税を半額にするなん
ていう荒唐無稽を言い出す始末だ(苦笑)

結局そうした事態を有権者の多くはしっかりと冷静に見定め
ていたのだろう。鳥越が集めた票の倍以上で小池が圧勝した
事実は重い。アンチ鳥越の無党派層の何割かが批判票として
小池に投じた事実が、今回の都議選の屈折した様相を端的に
物語っている。筆者は一年前からこのFBで「民共合作」を批
判してきたが、とくに口に出さずとも同じような思いで野党
共闘のインチキ臭さを感じていた方々は多かったのだ。そも
そも自衛隊を認めないと党要綱にある共産と、改憲派が多い
民進が手を結ぶというのがいかにも打算的ではあるまいか。
それとも現在のリベラルは、そんな偽善から目を逸らすほど
衰えてしまったのだろうか。

真のリベラルとは、ただ闇雲に9条を守れと叫んだり、沖縄
の声を聞けと正義を振りかざす勢力ではない。そうした問題
意識を共有する一方で、日米安保条約の価値や南シナ海で脅
威となっている中国の危険な動きを察知する能力が求められ
ている。横須賀に米の大型空母が入港していることが、アジ
アの抑止力になっている現実を見つめよう。中国がチベット
の人民を迫害した事実を、自分たちの国の問題としてイマジ
ンしてみよう。

個人的な告白になってしまい恐縮だが、私の父は丸山眞男と
親交のある言論人だった。その一方で祖父はかなり初代の自
衛官だった。そんな左と右とが入り混ざった環境に育った私
は、いつしか複眼的な思考を身に付けていったのだと思う。
今回の知事選で都民は、思い入れの激しいジャーナリストよ
りも現実的に物事を考えられるリアリストを選択した。むろ
ん小池には日本会議との深い繋がりがあり、その右翼思想が
いつ剥き出しになるか解らない危険を孕んでいる。それでも
都民が彼女を選んだのは、自称リベラルたちへの深い失望が
あったからだ。そのことを受け止めたい。

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by obinborn | 2016-08-01 08:28 | one day i walk | Comments(0)  

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