ジョン・フォガティ、大地の匂い。

ジョン・フォガティを近作アルバムまで、すべて追いかけている
人ってどのくらいいるんでしょうか?ぼくは実は脱落組で、少し
前にリリースされたセルフ・カバー集もまだ聞いていないという
体たらく。それでも09年の『ライズ・アゲイン』はたまにクリー
デンスのレコード棚から取り出したりしています。彼にとっては
73年の『ブルーリッジ・レインジャーズ』以来、およそ36年ぶり
のカントリー・アルバムであり、自作曲にこだわらず、バック・
オウエンズやウェブ・ピアスといった大御所から、ジョン・デン
バーのBack Home Again、ジョン・プラインのParadiseといった
カントリーと隣近所のシンガー・ソングライターまで幅広く取り
上げています。こりゃ、アメリカの片田舎にあるジューク・ジョ
イントにぴったりの選曲だなあ〜。

とくに嬉しかったのはリッキー・ネルソンのGarden Partyかな。
72年の9月に全米ポップ・チャートの6位へ登り詰めたこの曲に、
フォガティはドン・ヘンリーとティモシー・B・シュミットのコ
ーラスを付けます。さらにデラニー&ボニー作のNever Ending
Song Of Loveや、エヴァリー・ブラザーズのWhen Will I Be Lov
edへと連なっていくからもうたまらんです。また演奏陣では今
をときめくバディ・ミラーgやグレッグ・リーズsteel.gといった
アメリカーナの新世代が、まったく違和感なく溶け込んでいると
ころに、つい感じ入ってしまったり。

思えばカントリー音楽特有のバタ臭さが苦手だったぼくを、い
つの間にかカントリーの世界に誘ってくれたのがクリーデンス
でした。思いっきりブルージーなスクリーミン・ジェイ・ホウ
キンスのI Put A Spell On Youや、デイル・ホウキンスのSuzie
Qの悪魔的ギター・ソロの一方、彼らはフォガティの自作Lodi
でワンナイト巡業を繰り返す音楽家の悲哀をカントリーのメロ
ディに託しました。先のリッキー・ネルソンに従えば、彼の61
年曲Hello Mary Louを選曲し、ケレン味ないアレンジで堂々と
演奏しました。

ブルーズとカントリーというアメリカ音楽の水脈を見渡す。そ
のことに少しも躊躇しない。何故ならそれはジョン・フォガテ
ィという男の生命線だから。時流におもねることがないという
意味では、レヴォン・ヘルムがそうだったように、今日もフォ
ガティはアメリカーナのまま、大地に立ち、夕暮れを見つめ、
今夜もまたステージに立ち、人々の阿鼻叫喚をそのまま受け止
めていきます。

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by obinborn | 2016-08-25 17:31 | one day i walk | Comments(0)  

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