ハリケーン・スミスを聞く初秋

夜中にコオロギの声などを聞いていると、いつの間にか秋に
なったことを実感します。私も今日久し振りに長袖を着てみ
ました。台風もいつの間にか去ったようですね。そんな夜に
ハリケーン・スミスを聞いています。彼は一般的にはあまり
知られていませんが、1923年の2月ロンドンに生まれ、やが
てEMIレコードに入社。あのジョージ・マーティンの庇護の
もと、レコーディング・エンジニアとしてのキャリアを積ん
でいきます。ノーマン・スミスという本名で彼が録音に関わ
った作品には、ビートルズの『ラバーソウル』『リヴォルヴ
ァー』ピンク・フロイド『夜明けの口笛吹き』『神秘』『ウ
マグマ』プリティ・シングス『S.F.スロウ』など、ロック史
に燦然と輝く名アルバムがあります。

そんな彼がある日、アビー・ロード・スタジオでフロイドと
の仕事をしていた休憩時間に、たまたま自作曲Don't Let It D
ieを冗談のように歌ったところ、周囲から意外な好評を得て、
ノーマンはハリケーン・スミスという芸名でソロ・デビュー
することになりました。それが72年の『Don't Let It Die』(
EMI)でした。スミスは当時48歳。まさに中年男の遅過ぎる
デビューでした。しかし、オーケストレーションを多用した
そのノスタルジックな音楽性は英米で高く評価され、Don't
Let It DieやOh Babe, What Would You Say?といったシング
ル・ヒットが生まれました。また当時デビューしたばかりのソ
ングライター、ギルバート・オサリヴァンのWho Was It?を
取り上げた点にも、ノーマンのオールド・タイム嗜好の一端
が伺えるような気がします。

スミスのデビュー・アルバムは英盤(写真左)と米盤(右)
で選曲が幾つか違っています。トータルに彼の世界に触れた
ければ英盤、それには収録されていないOh BabeやWho Was
It?を聞きたければ米盤といったところでしょうか? 私はど
ちらも大好きです。70年代初頭には前述のオサリヴァンを始
め、ハリー・ニルソン、リンゴ・スターなどノスタルジック
な意匠を施した音楽に注目が集まりました。そんな潮流のな
かにハリケーン・スミスを置いてみると、彼の果たした役割
がおぼろげながらも見えてくるようです。

e0199046_642317.jpg

[PR]

by obinborn | 2016-09-23 06:05 | one day i walk | Comments(0)  

<< 映画『怒り』を観て 自衛隊のこと >>