映画『君の名は。your name』を観て

26日は午前中『君の名は。〜your name』を豊島園シネマで
鑑賞しました。50代後半のジジイが観る映画かよ〜wという
自嘲気味の気持もありましたが、結果観て良かったです。様
々なメディアで話題になっているアニメ作品ですが、自分は
なるべく真っ新な状態で接したかったので、情報はあえてオ
フにしました。それでもどこからか漏れてくるのは致し方な
いところです。でもときに禁欲的になるのは必要ですよね。

最も多感な10代真ん中である男女二人の高校生が主人公とな
り物語を進めていくのですが、都会に暮らす男子と田舎に住
む女子との人格が、時空をワープしながら入れ替わっていく
ところに面白さがあります。消費的な生活に早くも染まりつ
つある東京の青年がひとつの軸。もうひとつの柱は田舎で退
屈な(されど愛おしいと思える)毎日を過ごす少女。そんな
二人が、何千年に一度かで地球に降りてくる惑星を機会に、
それぞれの立場や置かれた環境へと、性差を乗り越えながら
思いを馳せていきます。

秀逸なのは惑星の到来とともに消滅してしまった地方の町(
つまり女子主人公が暮らしていた場所)を、東京の青年が探
し求めていくという後半でしょうか。そこに阪神大震災、あ
るいは東日本大震災といった近年の残酷な出来事を容易に重
ね合わせられるところに、この映画の苦みがあるように思え
てなりません。私たちの現代的な生活は物質的には満たされ
ていることでしょう。メールやライン一本で即座に互いと”会
話"出来る。たとえ雇い主の顔を知らなくとも携帯画面のみで
アルバイト先を探せる。しかし、そんなインスタントな関係
は時に両刃の剣であり、自分や他人を容赦なく傷付けていき
ます。

そんな負の部分を背負っている私たちにも、本当に大事なこ
とや人々の営為を記憶していく能力があります。そうした意
味でこの映画は、様々な環境に置かれながらも愛すべき他者
を忘れてはいないよ、ちゃんと覚えているよ、ということを
言外に伝える作品なのかもしれません。『君の名は。〜your
name』という直裁なタイトルが、俄然重みを伴ってくるの
です。そんな訳で、私のようなくたびれた単なるオッサンも
少し泣けてきました。

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by obinborn | 2016-09-26 14:48 | one day i walk | Comments(0)  

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