コテコテ・ジャズは最高っす!


ハモンド・オルガンは南部の教会で用いられるなど、バレル
ハウス・ピアノとともに黒人音楽の歴史を支えてきました。
50年代にはR&Bやジャズの分野にも応用されるなど、どんど
ん進化していきました。一番有名なのはビル・ドゲッドやジミ
ー・スミス辺りでしょう。私もオルガンの泥臭くファンキーな
タッチは大好きなので、ロックをとりあえず一周し終えた90年
代には狂ったようにオルガン・ジャズ、オルガンR&Bのレコー
ドを集め始めたものです。ちょうどイギリスでアシッド・ジャ
ズ〜レア・グルーヴのブームがあり、日本でもピーター・バラ
カンがベビー・フェイス・ウォレットのブルーノート盤や英チ
ャーリーがコンパイルしたビル・ドゲットのLPを紹介していた
頃だと記憶します。ヒップホップ以降の世代ではビースティ・
ボーイズがジミー・スミスのROOT DOWNをサンプリングし
ましたよね。その温故知新的な効果は絶大でした。

やがて聞く枚数を重ねていくと、ブルーノートは比較的大人し
いオルガン・ジャズに終始していて、プレステッジやチェスの
傍系のアーゴといったレーベルにもっとエグく、よりR&Bパー
ティ向けのダンス・レコードが多いことに気が付いていきまし
た。『ジャズ批評』誌が”コテコテ・ジャズ”なる造語を新たに
作り出し、従来のハード・バップとは違うファン層を開拓しな
がら、モダン・ジャズ派には敬遠されがちだったB級プレイヤ
ーたちを掘り起こしたことも忘れられません。グルーヴ・マー
チャントも真っ黒ないいレーベルです。60年代後半に立ち上げ
られた会社らしく、当たり前のようにエレクトリック・ベース
や16ビートが援用されているのは、当時のソウルやファンクの
台頭を意識していたからでしょう。ブラック・ミュージックは
スライ&ザ・ファミリー・ストーンやカーティス・メイフィー
ルド、あるいはスティーヴィ・ワンダーなどの台頭で、70年代
の扉を開きつつありました。

73年にグルーヴ・マーチャントからリリースされた『GIANTS
OF THE ORGAN:COME TOGETHER』を、そんなニューソウ
ルの蜂起と共に感じてみるのもあながち間違いではないと思い
ます。ジミー・マグリフとグルーヴ・ホルムズという二大ハモ
ンド奏者がまったく互角に共演したこの盤は、いわばオルガン・
トリオ二組が同時にプレイしているようなものであり、単純に
2倍以上の劇薬的な効果を促します。ドラマーとコンガ奏者だ
けはバーナード・パーディとクワシ・ジェイオルバに固定しつ
つも、ギターをジョージ・フリーマンとドネル・レヴィに振り
分けた点にも、ダブル・トリオの意義をはっきり汲み取ること
が出来ます。

もっとも当時のマイルズ・デイヴィズのようなポリリズム的な
面白さは希薄というか、そもそも目指すところではなく、あく
までシンプルなビートが絶え間なく供給(反復)され、そのな
かでオルガン×2、ギター×2の丁々発止がスリルとともに展開
されるという塩梅です。なおこの顔合わせに気を良くしたのか、
マグリフとホルムズは、同じ73年に本作のライブ展開版とも言
うべき『IN CONCERT』を残しています。そちらもぜひ併せて
聞きたいですね。

元々ブッカー・T&MG’sのGREEN ONIONやTIME IS TIGHTを
中学生の頃から身体に馴染ませていた私には、こうしたオルガ
ン・ジャズ〜コテコテ路線に免疫があったのかもしれません。
まさに娯楽ジャズの極み〜ダンス・パーティ必携の一枚が、こ
の『GIANTS OF THE ORGAN:COME TOGETHER』ではない
でしょうか。というわけで音楽のお供はビールからハイボール
へと進み始めました。

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by obinborn | 2016-10-02 17:24 | blues with me | Comments(0)  

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