12月8日、今宵ジョンとともに

今夜は初心に戻ってビートルズをファーストからアルバムの
シークエンス順に『リヴォルヴァー』までの計7枚を聞いて
いきます!一応ここまではU.K.パーロフォンのオリジナル・
モノ盤で持っているんです。まあ、そんなコレクター話はと
もかく、もしもビートルズに出会っていなければ、ぼくは音
楽評論の仕事をしたり、何冊かの著作を出すこともなかった
でしょう。そういう意味では彼らこそが自分の出発点でした。
その後ビートルズの背景にはどんなR&Bやポップスがあった
んだろう?同時代には一体どういうムーヴメントがあったん
だろう?と、ぼくは好奇心をどんどん広げていきました。

ジョン・レノンに関してはあまりに多くが語られ過ぎてきた
と思っています。だからぼくはいたずらに彼を英雄視するよ
うなストーリーよりは、奥田英朗さんの『ウランバーナの森』
や、みうらじゅんさんの『セックス、ドリンク、ロックンロ
ール!』といった小説のように、彼らの個人史に投影された
ビートルズ像のほうにずっと惹かれます。奇しくもこのお二
人とはほぼ同学年であり、時代的な空気からして彼らの小説
には前述作に限らず、共感出来る部分が少なくないのです。

「ジョン、ロックという言葉をおまじないのように唱えてい
ればぼくはきみのようになれるのかな」とみうらさんは自伝
的な作品『セックス〜』で自問します。それは同時にぼく個
人にも放たれた言葉であり、そこにはジョン・レノンを偶像
化するのではなく、自分自身の(情けない、どうしようもな
い)生活のなかで見つめようという優しい眼差しが溢れてい
ます。

精緻なデータだけでは補えない何かがあります。それはまさ
に「きみはどう感じたんだい?」という一点に集約出来ると
今でも思っています。ジョン、きみが殺された12月の寒い日
のことを今もぼくは思い出すよ。あの長い一日が古い映写機
に映し出された8ミリ・フィルムのように甦ってくるよ。

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by obinborn | 2016-12-08 18:05 | rock'n roll | Comments(0)  

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