『ブルース&ソウル・レコーズ』誌の最新号に寄せて

『ブルース&ソウル・レコーズ』最新号が届く。特集は
ストーンズの『ブルー&ロンサム』。幾人かのライター
たちが各自の視点からこの”温故知新”作を検証し、言葉
を寄せているが、どうしても知り合いのお二人の文章か
ら読み進めてしまう。私とほぼ同世代と思われる妹尾み
えは「ソロ回しに頼らない」ストーンズ解釈のリトル・
ウォルター曲を、シンバル・ワークまで模したジミー・
リード曲を称える。一方で飲みダチの日向一輝はどうだ
ろう。彼はエディ・テイラー曲のストーンズ演奏につい
て「一発録りゆえ、ミックの歌唱部分にハープはない」
ことを指摘し、だからこそ、そこにブライアンの存在を
感じまくるのだと語る。いずれもブルースを深く聞き進
めてきた者ならではの洞察だ。だが彼らはマニアックな
地点に着地するのではない。妹尾はブルースをエンター
ティメントまで昇華させたストーンズの姿を評価する。
日向は一生懸命なミック・ジャガーの歌とハープに比喩
ではない青さを感じ、遥か年長者の音楽に驚愕する。

音楽について書かれた文章はそれこそピンからキリまで
ある。優れた評論が何であるか、また誰が書いたものか
どうかは意見が分かれるだろう。しかし、真逆にあるバ
ータ記事は多い。なかには音楽専門誌よりも一般新聞や
メガショップの広告誌のほうが遥かに身入りがいい!と
公言するクソ音楽評論家もいるくらいだ。そうした醒め
た(諦めた)認識が跋扈するなか、終始気持良く『ブル
ース&ソウル・レコーズ』誌を読み進めた。むろん音楽
を聞きながら。そう、今夜の私の友はジミー・リードの
『I'M JIMMY REED』だ。レコード・プレイヤーは二度
めのHONEST I DOを再生し、やがてB面にあるLITTLE
RAINを奏でてゆく。

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by obinborn | 2016-12-26 01:26 | blues with me | Comments(0)  

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