18日は渋谷のクラブ・クアトロにてデヴィッド・ヒダルゴ
とマーク・リボウのライブを。ぴったり息の合った二人の
歌とギター、互いがスリリングに繰り出すソロ・パート、
もしくはルーツ音楽への敬愛。それらが何ひとつ気負いなく
滲み出すような一夜だった。ことリボウに関してはかつてラ
ウンジリザーズを牽引していた頃のフェイク・ジャズのイメ
ージは皆無であり、ヒダルゴの歌へと寄り添う姿が感動を呼
び起こしていく。演目に関してもマール・ハガードのベイカ
ーズフィールド・カントリーからジミー・マクラクリンの西
海岸ブルーズGEORGIA SLOP、メキシコのソン・ハローチョ
まで、ごく自然にジャンルを越境していく様を素晴しいと思
だからと言って単に和気あいあいとしたコラボレイトという
わけではない。ステージが後半に進むにつれてヒダルゴとリ
ボウそれぞれのフレーズがどんどん鋭角的になり熱を帯びて
いく様は、かつて熱血的なギター少年だった二人を彷彿させ
る。恐らく互いの共通分母であるR&Bとロックンロールへの
想いがあり、それらはグレイトフル・デッドのBERTHA、マ
ーヴィン・ゲイのWHAT'S GOING ON、そしてトミー・ジェ
イムズ&ザ・シャンドルズのあの無邪気なトップ40曲Hanky
Pankyが立て続けに演奏された終盤で実証された。二度のア
ンコールに応えた最後の曲がウィルソン・ピケットの麗しき
メンフィス・ソウル曲IN THE MIDNIGHT HOURだったこと
には、”新しさ”ばかりを求めがちな音楽ジャーナリズムへの
どちらかと言えば筆者はロス・ロボスのデヴィッド・ヒダル
ゴを追いかけてきた聞き手だが、リボウを相方にしたヒダル
ゴの姿はとても詩的であり、ものすごく音楽的だった。それ
らのひとコマひとコマをずっと覚えていられたら、どんなに
素敵なことだろう!電車は終電近く。季節には仄かに夏の匂