それはスポットライトではない

昔『マガジン』の内表紙に「夏になると冬を思ってしまう。
冬になると夏が恋しくなる。俺は馬鹿なのかね」という秀逸
なコピーがあって感心したものだが、そのくらい実際のニン
ゲンというのは周回遅れなのかもしれない。私は昔から最新
トレンドを追いかけている連中には興味がなく、昨日と同じ
ようにSame Old Bluesと呟くJ.J.ケイルのような人を俄然贔
屓にしてきたなあ。賢明なる読者の方々ならとうにご存知の
ことと思うが、私の音楽嗜好は77年であろうが2017年であろ
うがまったく変わらない。ルイジアナの湿地帯で日がなバイ
ユーを見つめ縁側に座っているようなブルーズマンに憧れた
まま、今日まで過ごしてきたのだった。

先日ほぼ同級の友人に会った時、その老け具合に驚かされた
のだが、言葉に出すのをぐっと堪えた。彼から見れば私だっ
て同じようなものだろう。まあそういう局面で人の知性なり
奥ゆかしさなりが試されるのかもしれない。私にはむしろ50
代になっても若ぶってる奴のほうが奇異に映る。10代に出会
った音楽・文学・映画などを大きな背骨にしながら、これか
らも慎ましく暮らしていきたい。私が願うのはそういうこと
だ。このジェリー・ゴフィンも、20代の青二才の時より今の
ほうが遥かに染み亘るワイ。

「それはスポットライトではない/街灯でもない/やっと解っ
たのさ/それはきみの瞳に輝く光/ねえ、ぼくが言いたいこと
がうまく伝わるかい?」(IT'S NOT A SPOTLIGHT/GERRY
GOFFIN)


e0199046_11331004.jpg



[PR]

by obinborn | 2017-06-12 11:33 | one day i walk | Comments(0)  

<< ネット時代に問われる知性 百田尚樹氏の講演中止に思うこと >>