ポップ・チャートをかすりもしなかったチャック・ベリーの重要な2曲

音楽雑誌のチャック・ベリー追悼特集が一通り出そろった
みたいだ。『ギター・マガジン』『レコード・コレクター
ズ』そして『ブルース&ソウル・レコーズ』どれも執筆者
の熱が込められた素晴しい内容だと思う。自分が知ってい
ることもあれば、知らなかったこともあった。そのなかで
とくに印象深かったのは、『ブルース&ソウル』誌に於け
る日向一輝氏の考察である。

56年9月にリリースされたToo Much Monkey Business c/w
Brown Eyed Handsome Manのシングルは、R&Bチャート
でそれぞれ4位/5位と輝かしい業績を誇ったものの、ポップ
チャートではランクインさえしていない。ベリーにしては
珍しいことだ。方や「インチキ・ビジネスにはもううんざり」
とのボヤキ節(元祖ラップ)で若者たちの鬱憤を代弁した。
もう一方は直接的な表現は避けているものの、暗に茶褐色の
チカーノ(ラティーノ)が生き辛い世の中を、公民権運動の
時代に重ね合わせている。

その2曲がポップ・チャートにかすりもしなかったこと。そ
の”含み”に50年代後半のアメリカの現実が映し出される。音
楽の文章を読んでいて刺激を受けるのは、いつもそんな時だ。


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by obinborn | 2017-06-28 19:51 | rock'n roll | Comments(0)  

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