2016年 06月 05日 ( 1 )

 

ヤング・ラスカルズと私

昨日はダスティ以外にも3枚ほど買ったんだけど、とくに
嬉しかったのは、ヤング・ラスカルズの『COLLECTION』
だった。1966年にシングルGood Lovin'でデビューした彼
らは、全米一位に輝いたその曲を収めたアルバムをリリー
スした後、あまり間髪を置かずにセカンド作『COLLECTI
ON』のレコーディングに取り組む。前作同様まだまだカバ
ー曲が多く、ここでもクリス・ケナーの「ダンス天国」や
マーヴェレッツの「海のなかには魚がいっぱい」あるいは
バディ・ジョンソンのSince I Feel For Youといった演目に
頼っている。そのクラブ・バンド然とした匂いはパブ・ロ
ックを愛する者の一人としてむろん大歓迎!それでもこの
アルバムの価値は優れたオリジナル・ナンバーにあると思
う。メンバーのフェリックス・キャヴァリエとエディ・ブ
ルガッティが共作したWhat Is The ReasonやLonely Too
Long、そしてLove Is A Beautiful Thingは、以後も長らく
ラスカルズのステージを支え続ける名曲となった。

イタリア系のアメリカ人としてニューヨークに育ったラス
カルズのメンバーは、人種差別に対してもヴェトナム・ウ
ォーに関しても敏感に反応していった。やがて生まれた
「希望の光〜A Ray Of Hope」は、混迷する時代に投げか
けられた架け橋となる。チャック・ベリーやレイ・チャー
ルズの自伝映画でも描かれていたように、60年代に於いて
はライブ・コンサートに入場出来ないアフロ=アメリカン
たちが多くいた。シスター・ロゼッタは乗るバスのシート
に差別があることに抗議した。ガーランド・ジェフリーズ
は自分を乗せようとしないタクシーが、次の角で白人を招
く場面を目撃している。その傷付いた心はどれほどのもの
だっただろうか。

「ぼくたちラスカルズは黒人を規制する会場では、もう二
度と演奏しない」フェリックスはそう発言し、その結果と
して彼らは活動を制限され、袋小路へ追い込まれ、いつし
か解散してしまった。ブラック・ミュージックから恩恵を
授かり音楽の道を志したイノセントな若者たちが、やがて
暗い時代へと吞み込まれていく。音楽を聞いていてダンス
するハピネスと同じくらい、悔しさや罪悪感を噛み締める
のはいつもそんな時だ。

まだ20代半ばだったフェリックスはWhat Is The Reason
でこう歌っている「恋に落ちるのに理由なんてないよね!」
と。そのごくシンプルな歌詞が、聞き手たちの経験を伴い
ながら、もう少しだけ重層的な表情を帯びていく。ヤング
・ラスカルズはぼくに、自分が何故ロック音楽を好きにな
ったかを、今も鮮やかなまでに思い起こさせてくれる。

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by obinborn | 2016-06-05 14:33 | rock'n roll | Comments(0)