2017年 03月 28日 ( 3 )

 

3月28日は梶原英夫さんの個展を

28日は梶原英夫さんの個展を高田馬場の凹凸キッチンカフェ
&デリにて。いや〜圧巻でした。梶原さんがお好きな音楽の
ジャケットを切り抜きながら、細かいペインティングを何度
も何度も重ねていく。写真ではなかなか伝えられないのが歯
痒いけれど、その道ではシャドウ・ボックスと呼ばれる立体
的な手法を用いて、彼はその音楽愛をそっと告白する。

お話しを伺ったところ、シャドウ・ボックスが映えるのはポ
ートレイト写真ではなく、あくまでイラストレイテッドの作
品らしい。あえて言うのなら『アビーロード』ではなく『リ
ヴォルヴァー』それを描いたクラウス・フォアマンの細かい
線画に、梶原さんはやり甲斐を見出されるとのこと。唐突か
もしれないけれど、プリンスの『アラウンド・ザ・ワールド
・イン・ア・デイ』を、彼はどう描いていくのだろう?

絵心がない僕には本当に羨ましい世界だ。それも商業ベース
ではなく、あくまでご本人の趣味であるところにぐっと来る。
まだ知り合ったばかりの方だが、高田馬場の駅へ向かう帰り
道を、僕は足取りも軽く歩いていった。

なお彼の個展は4/1(sat)まで。お時間がある方はぜひ足を運
んでみてください。


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by obinborn | 2017-03-28 23:09 | one day i walk | Comments(0)  

J.ガイルズ・バンド『ブラッドショット』

J.ガイルズ中期の傑作『ブラッドショット』は忘れ難い。
73年にリリースされた通算5枚めのアルバムで、ウルフ
=ジャストマンのソングライティング・コンビが大半の
曲を書き下ろしている。なかでもシンコペイトしまくる
「サウスサイド・シャッフル」は彼らの代表曲と言って
いいだろう。レゲエ調の「ギブ・イット・トゥ・ミー」
は新たな時代の到来を感じさせる。

お楽しみのカバーはショウ・ストッパーズが68年にヒッ
トさせた「ハウス・パーティ」と、ティッツ・ターナー
が57年に録音した「ホールド・ユア・ラヴィング」の2
曲で、こんな部分にも彼らのR&B愛が汲み取れるだろう。
なお本作のレコーディングはニューヨークのヒット・フ
ァクトリーで行われたが、スタジオを設立したジェリー
・ラガヴォイの名前をわざわざ記したことに彼らならで
はのこだわりが伺える。ご存知の方も多いだろうが、ラ
ガヴォイはR&B/ソウルに貢献したプロデューサーで、
ソングライターとしてもガーネット・シムズやハワード
・テイトに幾つかの曲を提供した。もっとも有名なのは
アーマ・フランクリンのために書いた「ピース・オブ・
マイ・ハート〜心のかけら」だろうか。これはジャニス
・ジョプリンの歌唱でさらに広まった。なおジャニスは
ラガヴォイ作の「愛は生きているうちに」を取り上げて
いる。ラガヴォイは他にバング・レーベルのバート・バ
ーンズ(ヴァン・モリソンをアメリカ・デビューさせた
のは彼)と連携したり、ボニー・レイットの『ストリー
ト・ライツ』をプロデュースした。

話がやや脱線してしまったが、そんなラガヴォイが無名
時代のビル・シムジクをエンジニアとしてヒット・ファ
クトリーに迎えたところにドラマの伏線がある。そう、
シムジクはやがて独立し、プロデューサーとしてJ.ガイ
ルズ・バンドに深く関わっていくのだった。本作『ブラ
ッドショット』も勿論シムジクの制作だ。きっとピータ
ー・ウルフはヒット・ファクトリーでの録音中に、何度
もジェリー・ラガヴォイのことを想ったに違いない。ア
ルバムを裏返してみよう。RECORDED & MIXED AT
JERRY LAGOVOY'S HIT FACTORY、NEW YORK、N.Y.
とクレジットされている。たった一行。でも僕はそこに
ピーター・ウルフの深い眼差しを感じずにはいられない。


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by obinborn | 2017-03-28 16:41 | rock'n roll | Comments(2)  

J.ガイルズ『モンキー・アイランド』

J.ガイルズ・バンドは77年作『モンキー・アイランド』でビル
・シムジクの庇護から離れ、初めてセルフ・プロデュースを試
みた。看板だったハード・ロッキンR&Bからより洗練されたア
プローチへ。そうしたシフトに70年代中盤の時代背景が見え隠
れする。ルーサー・ヴァンドロス、シシー・ヒューストン、マ
イケル・ブレッカーらゲストを適材適所に配し、東海岸の粋を
見事に伝えるニューヨークのレコード・プラント録音だ。


なお本作を最後に彼らは古巣アトランティックを離れ、EMIア
メリカと新たに契約し、遂に全米のトップ・バンドへと昇り詰
める。でもピーター・ウルフは髭を剃ってしまった。そんな意
味でも『モンキー〜』は分岐点の作品だったと思う。優れたア
ルバムと認める一方で僅かな痛みを覚えてしまうのは、彼らが
成功と引き換えに失ってしまったものを、今も思い出してしま
うからだろう。


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by obinborn | 2017-03-28 16:36 | rock'n roll | Comments(0)