2017年 05月 16日 ( 1 )

 

激しい憎悪、友情の喪失、裏切りと変容〜今後4年の日本を憂う

ぼくが新宿フォーク・ゲリラのような集団活動に馴染めなか
ったのは、みんなでシング・アロングしながら絆を深めよう
というあり方に偽善を感じたからだった。いくら為政者に異
を唱えるという共通分母があったとしても、実際には各自そ
れぞれ考え方の違いや煩悶があったはずだ。そんな疑問を感
じ始めた頃、これまでプロテストソングの旗手として持て囃
されていたボブ・ディランは転向し、個人的な愛や悩みを歌
う先駆となった。こうした方向性は以降シンガー・ソングラ
イターと呼ばれ、70年代前半に大きな潮流を生み出した。同
じアクースティック・ギターの弾き語りといっても、フォー
クとSSWとでは目線の宿し方が違っていて、ぼくは後者の表
現に惹かれていった。

さて時代が変わり、今同じようなフォーク運動が起きている。
ぼくがこのまえ制服向上委員会の歌に疑問を呈したのも、お
よそ以上の理由があるからだ。彼女たちは「戦争と平和」と
いう歌で反戦と反原発を一緒くたにし、他の歌では自民党や
安倍首相を批判していた。そうした反骨精神自体は歓迎すべ
きものなのかもしれないが、安っぽい言葉と貧しい音楽性は
少なくともぼくが考えるアート・フォームとはほど遠い。そ
れに若い女の子であれば、もっと個人的な歌を歌っていいと
思う人もいるのでは?

いくら集会でシング・アロングして”共感”し合ったとしても、
実際にはいろいろな考え方の人がいる。なかには会社でリス
トラを行う管理職の人もいるだろうし、リストラされたほう
の職員やアルバイトがいるかもしれない。はっきりいってイ
ヤな奴もイイ奴もいるのである。そんな現実を見ようとせず
に、いくら大勢で「アイ・シャル・ビー・リリースト」をシ
ング・ア・ロングしてもぼくには届かないのだった。少し前
に書いたけど、これからの4年は憲法を巡って今以上に国民
が分断されていくことだろう。そこに生まれる激しい憎悪、
友情の喪失、裏切りと変容を想像すると、胸が潰れそうにな
る。

e0199046_07221799.jpg

[PR]

by obinborn | 2017-05-16 07:24 | Comments(0)