カテゴリ:東京ローカル・ホンク( 68 )

 

7月4日のホンク

ロック・カルテットの極限のような起伏ある演奏が2時間半
たっぷり連なっていった。そんな東京ローカル・ホンクのワ
ンマン・ライブを4日は渋谷のB.Y.Gにて。「ヒコーキのう
た」から始まり「サンダル鳴らしの名人」に終わるまで、そ
の流れは歌の主人公と一日をともにしているような親しみの
感覚があり、普段着のままの言葉たちが豊かな音で彩られて
いく。はっぴいえんどから山の手文化の気取りをなくし、は
ちみつぱいやムーンライダーズほど鬱屈していないぜ、とい
ったホンクの音楽のあり様に今晩もまた胸が一杯になってし
まった。とくに序盤2曲め「ハイウェイ・ソング」の光沢あ
る音世界は一番良かった頃のグレイトフル・デッドを彷彿さ
せた。ホンクは過去の日本語ロックの歴史を背負っていると
同時に、自在闊達なギター・インプロの源泉をデッドに求め
たりもしてきたが、そんな洋邦楽を翻訳しながら自分たちな
らではの世界を築き上げた。そのことの価値を思わずにはい
られない。この夜会場にいた方々は本当に幸せだったと思う。

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by obinborn | 2015-07-04 23:32 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

13日のキックスとホンク

13日はザディコキックスと東京ローカル・ホンクのツーマン・
ライブを高円寺のJIROKICHIにて。この会場でもすっかりお馴
みになったホンクは、毎回彼らのお気に入りのバンドを招きな
がら楽しませてくれるが、今回は南ルイジアナ地方のクレオー
ル音楽に特化したキックスを迎えてのスペシャル・ナイトであ
り、満員のお客さんとともに約2時間半があっという間に過ぎ
ていった。まずはホンクが「サンダル鳴らしの名人」をアカペ
ラで披露してからキックスの面々を迎えるという演出が何とも
心憎い。

双方のバンドともずっと書きまくってきただけにそれぞれの美
点や音楽性については省略したいが、今回この夢のような組み
合わせが実現したことをまずは喜びたい! キックスはこの夜
BAD BAD WOMANでアコーディオンにエフェクターを施すなど
新生面が気持ち良く届く。バンドの要であろう中林由武による
まるでスティーヴ・ジョーダンばりのアプローチに度肝を抜か
れた。ホンクに関しては「拡声器」で繰り出していく井上文貴
の綺麗なトーンのスライド・ギターが息を呑むほど鮮烈だった。

両バンドともドラマーの力量が際立っている点も、ずっと飽き
ずに聞いていられる大きな要因であろう。キックスの諸星聖臣
といい、ホンクの田中クニオといい、けっして派手さはないも
のの、楽曲の中味を理解した強靭かつ柔らかいビートを叩き出
していく。その連続したグルーヴこそがまさに時間を忘れさせ
る妙薬なのだった。アンコール時での両者の共演はスタンダー
ド曲「テネシー・ワルツ」とホンクの持ち歌である「すんだこ
と」の2曲。それでも鳴り止まない歓声はやがて、ホンク永遠
のロード・ソング「車のうた」へと引き継がれていく。「ハイ
ウェイ・ソング」から始まったホンクのセットの起承転結とし
ても完璧なものだろう。

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by obinborn | 2015-06-14 01:15 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

5月10日の東京ローカル・ホンク

アカペラ・コーラスが冴え渡る「サンダル鳴らしの名人」
からツアーで全国各地を巡るロード・ソング「車のうた」
まで、10日は高円寺のJIROKICHIで東京ローカル・ホン
クのワンマン・ライブを心ゆくまで堪能した。戸越銀座
の商店街をスケッチした歌に始まり、バンドマン永遠の
ツアーを楽天的にロックした最終曲まで、その3時間近
くに及ぶ演奏に思いっきり気持を持っていかれていく。
普段着だけの言葉たちがよく弾むフォーピースのバンド
によって輝き始める。そんな時間がなだらかな丘陵のよ
うにどこまでも続いていった。何しろ初めてホンクに接
した友人(筋金入りの音響マン)が驚愕するほど特別な
夜だった。

洋楽のコピーから始まった日本のロック。その過程には
様々な悩みや葛藤があったと思う。ホンクのソングライ
ターである木下弦二の言葉はとても明晰だ。「スウィン
ギング・ロンドンとか言われてもぼくにはさっぱり解り
ません。ロンドンがスウィングしていたかどうかを実感
できない。そんな物真似をした人たちもいましたけど、
ぼくは何故自分の住んでいた(戸越銀座の)町の光景を
歌に出来ないのだろう? そんな悔しさをずっと抱えて
きました」ロンドンであれ、サンフランシスコであれ、
借りものの言葉と音楽はときに自身を傷付ける。

弦二のそんな歌詞ひとつひとつを、帰り道で反芻してい
る。終盤に歌われた「おいのりのうた」の コール&レス
ポンスの愛おしさ。「夏みかん」や「おいでおいで」か
ら聞こえてくる小さな生命の大きな鼓動。そうした気付
きのひとつひとつから、決してヒロイックではない隣人
たちの歌が、柔らかな輪郭とともにしっかりと聞こえて
きた。

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by obinborn | 2015-05-11 02:07 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

4月13日のホンク

ホンク3DAYSの最終日となる13日は、さとうさちこを迎えて
のツーマンだった。雨の月曜日ということもあって会場の横浜
サムズアップはやや空席もあったが、こんな日にふさわしいし
っとりした演奏が疲れた体にじわじわと染み渡った。

さとうさちこは何でもジョニ・ミッチェルに傾倒しているらし
く、オープニングにあの懐かしいBOTH SIDE NOWを選び、な
おオリジナル曲の狭間にちょっとした小品CARIFORNIAを混ぜ
るなど、ジョニ好きの筆者を大いに喜ばせた。また澄み渡った
歌声にしても技量をひけらかす部分がまったくなく、抑制され
た表現に(タイプは違うが)ホンクと共通する匂いを感じた。
途中からホンクのメンバーを交え、わずかに音数を増していく
構成も実に見事だ。地元で愛されている彼女らしく和気あいあ
いとした客席とのやり取りも悪くない。5月にはジョニの曲だ
けを歌うライブもあるとか。もし都合が付けば駆け付けたいと
ころだ。

昨夜に続けて聞いた東京ローカル・ホンクは、また演奏の細部
のニュアンスが異なり、その変幻自在なステージに圧倒された。
ベースとドラムスのシンクロ感がメンフィス・ソウル、それも
ウィリー・ミッチェルのハイ・サウンドを彷彿させる「はじま
りのうた」から新たな名曲となった「身も蓋もない」まで、ケ
レン味のないその音楽は聞き手を飽きさせることがない。客席
にシッティングしてノンマイクで歌われた「夜明けまえ」のコ
ーラスの見事さはどうだろう。毎度お馴染みの光景ではあるが、
いつも囲むテーブルに温かいスープが差し出されるのと同じよ
うに、失いたくないものがそこにあった。

さとうとホンクは昔からの音楽仲間らしく、両者がジョイント
した終盤はさながらジョニ・ミッチェルとザ・バンドとの出会
いのよう。また最後にはさとうに花を持たせ、再び彼女のソロ
でアイルランドの伝承曲THE WATER IS WIDEが歌われるなど、
さとうに対するホンクのささやかなエールが嬉しい。さっき家
に帰ってきた私は、今ジョニの若き日のきらめきに満ちた『B
LUE』を聞きながらこれを書いている。LP盤は二度目のAサイ
ドになり、ちょうど4曲めのCAREYに差し掛かったところだ。

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by obinborn | 2015-04-14 02:01 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

4月12日のホンク

2日は赤い夕陽と東京ローカル・ホンクのツーマン・ライブ
を高円寺のJIROKICHIにて。赤い夕陽は初めて接するバンド
だったが、まるで三波春夫の演歌をオケではなく、あくまで
ロック・カルテット編成で解釈したような大胆さに度肝を抜
かれた。演奏面での要となるテリー島村のギターも縦横無尽
に駆け巡り、果てはクィーンの「ボヘミアン・ラプソディ」
やザ・フーの「無法の世界」と「ババオ・ライリィ」のフレ
ーズまで飛び出すなど、ミクスチュア・ロックの際たる姿を
示した。現在のスタイルに至るまでには多分様々な屈折があ
ったのだろうな、と伺わせる四人の底力を感じた。

対する東京ローカル・ホンクは普段通り、安定した懐の深い
演奏を展開。盆踊りとリトル・フィートを合体させたような
「お手手つないで」をオープニングに用意するなど、赤い夕
陽の音楽から自然に連なるような心憎い滑り出しを見せた。
そこから「お手紙」や「拡声器」といったお馴染みのナンバ
ーを次々と畳み掛けていく。彼らが育った品川〜大田区辺り
の工場街を遠近法でスケッチした「昼休み」の詩情はとくに
秀逸だった。また最近のホンクに欠かせない「身も蓋もない」
のメッセージ(神の不在に気が付くことなど)も心に届いた。
作者の木下弦二曰く「自分の身を切るような歌だから、ある
意味怖いです。でも歌わなくてはいけないと思いました」ま
るでジョン・レノンのGODと対になるような真摯さが溢れる
この曲のスタジオ・レコーディングが待ち遠しい。

アンコールでは赤い夕陽とホンクが合体してWHEN I WAS A
COWBOYを演奏するなど、ルーツ色もたっぷり。また最後の
ホンク曲「サンダル鳴らしの名人」では総勢8人によるアカペ
ラ・コーラスの広がりが素晴しく、この夜を忘れ難いものにし
た。各楽器の音ひとつひとつが明瞭に聞こえ、かつ程よいバラ
ンスで混ざり溶け合っていく。そんな音響面を支えたエンジニ
アのHALKにも感謝せずにはいられなかった。

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by obinborn | 2015-04-13 11:13 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

3月1日の東京ローカル・ホンク

1日は東京ローカル・ホンクのライブを自由が丘のマルディ
グラにて。西日本を回った今回のツアー・ファイナルとなっ
たこの夜も、彼らは疲れを見せることなく弾力のある温かい
演奏を繰り広げてくれた。挨拶代わりに始まった「サンダル
鳴らしの名人」のアカペラからラテン・ビートに彩られた「
引っ越し娘」へと連なる序盤の流れも鮮やかであり、毎日の
牛乳やパンのように親しんでいるにもかかわらず、その演奏
はそれらを欠かさないことで価値を増していくような、大事
な何かをそっと運び込んでくるような、そんな響きがあった。
メンフィス・ソウルそれもウィリー・ミッチェルのハイ・サ
ウンドに返礼するような「はじまりのうた」では、ベースと
ドラムスとが絶妙にシンクロし合いながら膨らみを増してい
くグルーヴが圧巻であったし、彼らのステージには欠かせな
い「お手紙」や「虫電車」が淡いタッチで描き出す人々の暮
らしぶりは、少なくとも筆者にそれが失われた時のことを考
えさせるものだった。

ホンクのソングライターである木下弦二の魅力を追い掛けて
いくと、それは普通の言葉に対して彼がいかに多くの含蓄を
込めているかの一言に尽きる。無駄な修辞を省く。作品のな
かで言い訳をしない。結果として歌われた歌詞なり奏でられ
たサウンドスケープなりに立ち現れるのは作者の素直な心映
えだ。そんなことを感じながら、後半畳み掛けるようにプレ
イされていった「社会のワレメちゃん」や「おいでおいで」
に接していくと本当に大事なものが見えてくる。まして新曲
の(今後重要になっていくと思われる)「身も蓋もない」は、
ジョン・レノンのGODに匹敵するような真摯さだ。そんなひ
とつひとつが胸を焦がしていく一夜だった。

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by obinborn | 2015-03-02 08:38 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

1月10日のカヌーとホンク

半年ぶりのパイレーツ・カヌーと一ヶ月ぶりの東京ローカル・ホ
ンクのジョイント・ライブを10日は横浜のサムズアップにて。二
組とも活動エリアは京都に東京と異なるものの、昔から仲が良い
バンド同士だけに3時間たっぷり気持ちいい音の渦に包まれた。
アリソン・クラウス以降活況を示す昨今のブルーグラス〜カント
リー・シーンをがっつりと受け止めたようなカヌーには音楽する
心映えのようなものがしっかり感じられたし、ホンクに関しては
たったフォー・ピース編成のバンドがこれほど湧き出る泉のよう
な音の絵を描き出せることに改めて驚愕せずにはいられなかった。

どちらもけっして新しい音楽をやっているわけではない。最新の
外部アレンジャーに自分たちを売り渡しているわけでもない。慌
ただしい毎日のなかではつい見過ごしてしまうような音楽だ。し
かしながらカヌーもホンクもそんな日常を心から慈しんでいるよ
うな言葉と音を奏でていく。何もなかった日にはとくに何も語ら
なくていい。その代り何か心臓をバクバクさせることがあったら
そのままスケッチしてみよう。音によるそんな絵画がこの夜には
満ち溢れていた。

そしてホンクの木下弦二は震災以降、ますます真摯なソングライ
ターになりつつある。彼の最新曲である「身も蓋もない」は本人
によれば「ジョン・レノンのGODへのアンサーです」とのこと。
その歌詞はぼくたちを射る。ぼくたちがごまかしてもいいと思っ
ていることに否応なく飛び込んでくる。「ブルーズなんて借り物
さ。ロックンロールなんて習いごとさ」本編の最後に歌われたこ
の「身も蓋もない」がこうして突き刺さってくる。

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by obinborn | 2015-01-11 02:50 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

12月13日のホンク

13日は東京ローカル・ホンクを高円寺のJIROKICHIにて。東京で
のワンマンとしては本日が今年のファイナルとなったが、「引っ
越し娘」から始まり本編の最後「おいでおいで」まで、どこまで
も自然なバンド・サウンドに今夜も酔うことが出来た。四人それ
ぞれの楽器がしっかりと表情豊かに聴こえてきて、かつハーモニ
ーも完璧。もう100回近く観ているバンドだけに詳細は省くけれ
ど、「昼休み」と「身も蓋もない」を前半と後半それぞれの頂点
に持ってくる構成が鮮やかだった。アンコールでは珍しく井上文
貴が歌うニック・ロウのONE TOO MANYまで飛び出すというレ
アなシーンも。どこまでも日本語の響きを大切にしながらヒロイ
ックにならない歌の主人公たちに親近感が溢れ出す。ノンマイク
のアカペラによる「夏みかん」や「サンダル鳴らしの名人」での
詩情、彼らのテーマである商店街を活写した「拡声器」に込めら
れた群像劇など、暮らしのなかから語りかけてくる音楽がそこに
あった。

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by obinborn | 2014-12-14 01:17 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

双六亭とホンク

8日は高円寺のJIROKICHIでホンクと双六亭のツーマン・ライブを。
二組ともキャリアを重ねた4人編成のバンドならではの柔らかいグ
ルーヴが心底気持ち良く、ビールを4杯もおかわりしてしまった。
日本語で歌われる歌詞にしてもぼくが普段触れ合っている世界と何
ら変わりない。そこにヒロイックな主人公がいるわけでも、オレの
ことを解ってくれよ!と青筋を立てながら絶叫するわけでもないが、
それに代わる愛おしさが少しずつ込み上げてくる。時間の経過とと
もに次第に温かくなっていく身体を感じ取ることが出来る。

優れたベーシストがソロ活動に専念するために脱退するというあ
まりに衝撃的な出来事を経たばかりの双六亭は、それでもサポート
・メンバーとともに以前と遜色ないステージを繰り広げたし、ホン
クに関してもそこに彼らがいるだけで委ねられる大きさのようなも
のを音の彼方から感じることが出来た。何でも両バンドは昔からの
古い付き合いだったとか。そんな2組が何とか歳月をやり過ごし、
少しずつ大人になり、互いに楽器を手に携えながら久し振りの再会
を果たす。誰にもすぐ出来そうだが、現実にはなかなか難しいこと
だ。しかし彼らはそれを今晩溢れ出す音と飾らない言葉で鮮やかに
結晶させた。そのことの価値を思わずにいられない夜だった。

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by obinborn | 2014-11-09 00:32 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

10月22日の木下弦二

22日は下北沢のleteにて木下弦二のソロ・ライブを。東京ローカル
・ホンクが繰り出す曲のラフ・スケッチが聞けるばかりか、ソロで
あるが故に歌の輪郭が浮かび上がってくる瞬間もあって、約2時間
半たっぷり弦二のソングライティングの妙に触れることが出来た。
またソロならではの楽しみであるカバー曲も、忌野清志郎の「よそ
者」と「わざとFeel So Bad」ポリスの「メッセージ・イン・ザ・
ボトル」スティーヴィー・ワンダーの「サンシャイン・オブ・マイ
・ライフ」J.ガイルズ・バンドの「アイム・フォーリン」などなど
が飛び出し、会場はしばしリヴィングルームのような親しみの感情
に満たされた。

何も今夜初めて弦二のソロに接したわけではないのに、彼のライブ
の帰り道はいつも幸せに包まれる。それはきっと彼が自分の普段
の暮らしから寸分違わない場所で歌詞を思い浮かべ曲を書き留めて
いるからだと思う。等身大と言ってしまえばあまりに手垢に塗れた
形容かもしれないが、この人の書く歌詞に嘘はないと信じられる、
何ともぶきっちょな息遣いが伝わってくる。福岡での彼の生活から
一コマを切り取ったような「夏みかん」や「遅刻します」がそうだ
し、ジョン・レノンの「ゴッド」に匹敵する真摯な「身も蓋もない」
では、こんなシリアスなフレーズも飛び込んでくる”ブルーズなんて
真似事さ、ロックンロールなんて習い事さ”

とても不思議なことだが、木下弦二という男に他の職業を思い浮か
べることがぼくはまったく出来ない。教師をしながら歌う人とか、
弁護士を務めながらギターを奏でる人とか、あるいは漁師が久し振
りに陸に戻ってきて歌い始める(それはそれで素敵だね!)といっ
たイメージが、弦二に限っては本当に不釣り合いなのである。

神様から授けられたであろう才能を、この人は脇道に逸らすことな
く幾多の努力とともに磨き上げてきた。いや、”もうだめだ”と思
った苦難の時期があったのかもしれないが、木下弦二という人はけ
っして毎日昇る空や雲を見上げることを怠ったりはしなかった。彼
の目が追う先々に人々の確かな営みがあり、そっと差し伸ばされた
手の彼方には、思わず愛おしくなるような町並みが連なっていった。
それらがいつしか弦二ならではのソングライティングとして、鮮や
かに結晶していった。

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by obinborn | 2014-10-23 02:04 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)