カテゴリ:rock'n roll( 377 )

 

1975年のイーグルス

たまには原点に戻ってイーグルスを。昨年『文藝別冊』の
イーグルス特集に寄稿させて頂いたことはすごく嬉しかっ
たです。あれは確か75年の夏だったと思います。同じ高校
の友人と所沢から西武新宿線に乗り、新宿に出来たばかり
のブールヴァード通りを確かめに出掛けたのです。まだ『
スター・ウォーズ』や『未知との遭遇』が公開される遥か
以前のことです。それから馴れていない喫茶店でコーヒー
を飲み、今ではもう内容を忘れてしまった会話をしました。
何しろ鉛筆一本転がるだけで楽しかった頃でした。その帰
り道に偶然、イーグルスのTAKE IT TO THE LIMITが街角か
ら流れてきたのです。その歌はランディ・マイズナーによっ
てこう歌われていきます「もし明日すべてのパーツが粉々
に砕けてしまっても、きみはまだぼくの側にいてくれるか
い?ぼくをハイウェイの彼方に連れていって。何かの標識
が見えたらいいな」と。

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by obinborn | 2017-06-18 17:58 | rock'n roll | Comments(0)  

ブリンズリー・シュウォーツ、幻のラスト・アルバムが発売された!

やっと届きました〜!ブリンズリーズ幻のラスト・アルバム!
簡単に曲をメモしておきましょう。WE CAN MESS AROUND
は作者ニック・ロウのヴァージョンが『ショウマンの悲劇』
で聞ける他、ザ・ルーモアがファーストで取り上げています。
ロウ=イアン・ゴムの名曲CRUEL TO BE KINDは初期の貴重
なもの。AS LOVERS DOはデイヴ・エドモンズがシングルの
B面に採用したロウ=エドモンズ曲。EVERYBODYはトミー・
ロウの歌でおなじみのオールディーズです。R&Bの曲として
はヴァレンチノズのチェス吹き込みIT'S ALL OVER NOW、
ウィリアム・ベル&ジュディ・クレイのスタックス録音PRI
VATE NUMBERがとくに光っています。またガーネット・シ
ムズの持ち歌として知られるI'LL TAKE A GOOD CARE OF
YOUも良いですね。これは近年のゴムがジェブ・ロイ・ニコ
ルズとの共演盤で歌っていました。

ロウ=ゴムの隠れた名曲GOD BLESS (WHOEVER MADE YO
U)などを聞いていると、長年に亘ってイアン・ゴムが本作の
アルバム化にこだわってきた理由が解るような気がします。
これは推測に過ぎませんが、CRUEL〜(恋する二人)が共作
にもかかわらず、ロウが先にソロ・アルバムで発表してし
まった悔しさもあったのではないでしょうか。ソングライタ
ーとしてゴムはロウ同様にブリンズリーズの音楽へと貢献し
てきました。そんな思いを汲み取りたいものです。

ブリンズリー・シュウォーツは『すべては終わった』を未発
表のまま、75年3月ロンドンのマーキー・クラブでのギグを
最後に解散しました。ニックはこう回想しています「もう
長髪のヒッピー・ロックの時代は終わりつつあったんだ。ぼ
くたちのバンドにしても、子供が生まれてツアーに出るのを
嫌がるメンバーも出てきた。あれが潮時だったのさ。ぼくは
まるで一人ぽっちで大地に立っている老人のような気持だっ
たんだよ」


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by obinborn | 2017-06-18 13:31 | rock'n roll | Comments(0)  

英国流ミクスチャー・ロックの雄、ファミリーの自由な世界

梅雨期にもかかわらず今日は夏みたいな陽気ですね。こういう
時は初期のビーチ・ボーイズでも聞けば快活な気持になるので
しょうが、いかんせん私はネクラ/ジメジメ/ナーバス三連発の
性格なので、そうは問屋が卸しません(笑)というわけで連日
英国変態ロックの雄ファミリーの音楽にハマっています。ファ
ースト『MUSIC IN A DOLL'S HOUSE』(68年)に続く彼らの
セカンドが『FAMILY ENTERTAINMENT』(69年)です。メン
バーはファースト同様、チャップマン=ウィトニーのソングラ
イティング・コンビを中心に、リック・グレッジb、ロブ・タ
ウンゼントds、ジム・キングkbd saxといった5人で、その後
のメンバー交代の兆候はまだ感じられませんが、グレッチはや
がてブラインド・フェイスに誘われ、また渡米してグラム・パ
ーソンズ『G.P』のプロデュースをグラムと共同で手掛けてい
くので、初期ファミリーの姿を捉えたという意味では厳密には
最後の作品になるかもしれません。前作を手掛けたデイヴ・メ
イソンとジミー・ミラー(ストーンズ、トラフィック)に代り、
ここではグリン・ジョンズ(ストーンズ、ザ・フー、スティー
ヴ・ミラー・バンドなど)がプロデュースを担当しています。

とにかくこれほどの変態ロックも珍しいでしょう。普通のスト
レートアヘッドなロックはせいぜいSECOND GENERATION
WOMANくらいで、あとはチャップマンのアクの強い声にメロ
トロンがドラマティックに被さったり、シタールが怪しく舞い
上がったりしながら、独自の演劇的なサウンドを盛り上げてい
きます。かと思えば以降の歩みを物語る米スワンプの温もりが
アクースティック・ギターやハーモニカ、バンジョーの響きの
なかに感じ取れます。またスティール・パンを使用した曲も
あるのですが、即陽気なカリプソになるはずもなく、大英博物
館の迷宮に誘うような摩訶不思議で重厚長大なミクスチャー・
ロックがこれでもかというくらい過剰に展開されていきます。
SUMMER '67という曲ではアラブ〜中近東の音階をオーケス
トレーションによって補強し、まるでレッド・ツェッペリンの
名曲「カシミール」を予見するかのようです。また中世趣味
という点ではクィーンの先駆かもしれませんね。

ときどき「チャップマンよ、きみは一体何をやりたいのかね?」
とツッコミを入れたくなる場面がなきにしもあらずですが、
彼に「これが俺たちのロックだ!」と言い返されたら頷くしか
ありません。思えばロックとは本来こういう自由な音楽であり、
黒人音楽からクラシックまで様々なエレメントの折衷に真価が
問われたものでした。またそんな創造力をレコード・カンパニ
ーが許容する風通しのいい時代でもありました。陰々滅滅とし
た暗〜いロックですが、聞いているとあら不思議、何だか勇気
が湧いてきました。そう、ロックは何をやってもいい音楽であ
り、アーティストは日々真っ白なキャンバスに向かって絵を描
いていけばそれでいいのです。マーケッティングに浸食されな
い領域。その”自由”を精一杯受け止めたい。そんな風にオビン
は思いましたとさ。

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by obinborn | 2017-06-16 17:31 | rock'n roll | Comments(0)  

共謀罪に関するメモ

何か重要な事件や政局の動きがあった時、私は見解の違う新聞
を読み比べるようにしています。まあ今どき紙媒体としての新
聞にどれだけ影響力があるかは疑問ですが、それでも読まない
よりはマシでしょう。解りやすく言えば朝日・毎日VS読売・サ
ンケイといった具合にリベラルと保守の両論を知ることで自分
の意見を深めていくことが肝要かと思っています。

ところが、これを出来ない人達が案外多いようですね。ネット
を見ても、自分の気持を代弁してくれるテキストのみを紹介し、
違う見解には耳を傾けないのです。これは感心しません。まし
て「いいね!」してくれる同調者のみに優しくし、異なる立場
の人との付き合いを敬遠したり排除したりする態度では見聞を
広めることは恐らく難しいでしょう。

共謀罪法案に関して一言だけ言っておくと「ラインをするだけ
で捕まるよ」「戦前の治安維持法が復活だ」というプラカード
を見かけましたが、ちょっと針小棒大な気がしました。今回の
法案の骨子はいわば刑法の転換であり、国家を転覆するような
テロ等の案件について、今までは事件が実行されてから初めて
罰せられたものを準備段階で摘発するという大転換です。これ
をどう評価するか(しないか)を、識者の方々にはもう少し解
りやすく丁寧に説明して欲しかったです。逆に言えば旧態依然
とした感情論がとても多かった。

明日から暗黒時代がやって来るなんていう脅しに屈せず、昨日
までそうしてきたように私は”語って”いきます。ところで今度
の都議選が都民の一人として気になります。例えば小池さんが
共謀罪に関して明確にスタンスを打ち出せば、自民・公明との
対立軸がもっと鮮明になるのでは?とふと思うのでした。

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by obinborn | 2017-06-16 06:17 | rock'n roll | Comments(0)  

百田尚樹氏の講演中止に思うこと

百田尚樹氏の講演が中止になりました。普通こういう場合
「良かったね〜、あの差別主義者の講演がなくなって」と
言うのが一般的に受け入れられると思います。あるいはス
ルーするのが一番賢いのかもしれません。でもぼくはたと
え極右主義者による極端な見解であっても、発言する機会
を抹殺してしまったことそれ自体は良くないと思いますよ。
まして百田氏は今回「マスコミのあり方」をテーマにした
講演をする予定だったと伝え聞いています。別に彼が学生
を煽動しようと企てたわけではありません。念のため言っ
ておきますが、ぼくは百田なんか大嫌いで軽蔑しています。          でも個人の好き嫌いや主義主張の違いから彼の発言の機会           を奪うのは違うと思います。ある思想家の言葉を思い起こ           さずにはいられません「私はきみの意見には到底同意出来
ない/きっとこれからもずっとそうだ/でも、きみがそれを
言う機会は死ぬ気になって守るだろう」


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by obinborn | 2017-06-11 08:06 | rock'n roll | Comments(0)  

カープの世界

6月に入ってからのビール・発泡酒の値上げは痛いです。
ぼくの近所にはスーパーが三店ほどあるのですが、軒並み
10円くらい上がってしまいました。これらが音楽バーや飲
み屋さんまで影響を及ぼしていくと思うと…。そんなイヤ
な気持を吹き飛ばすべく、絶好調の広島カープを祝うべく?
アメリカ南部のイモ・バンド、カープを聞き始めました。
オクラホマ州立大学に通う学生4人によって1966年に結成
されたカープが、晴れて大手レーベルのエピックと契約し、
ダニエル・ムーア(ジョー・コッカーのマッド・ドッグス
&イングリッシュメン、abcからソロ作あり)のプロデュー
スによるアルバムを発表したのは72年のことでした。

カープの音楽は埃っぽく無骨なロックで、女性にモテそう
な洒落た要素は皆無(オイラと同じじゃん、エ〜ン泣)で
す。でもこのスルメ味が繰り返し聞いているうちにジワジ
ワと染み込んでくるのです。とてもミシュランで推薦され
るレストランにはなれそうもないけど、下町で愛される食
堂みたいな。その食堂には今日もいろいろな人たちが訪れ
ます。風采の上がらない大学教授、地元の商店街のおじさ
んたちから、午後の授業を終えた食欲旺盛な高校生たちま
で様々です。「御飯のお代りは自由です!」なんていう貼
り紙があったりしてね。

何回か聞き直してみると、ハーモニー・ヴォーカルに気を
遣っている様子や、ゲストに招かれたペダル・スティール
・ギターの名手スニーキー・ピート・クレイナウ(フライ
ング・ブリトー・ブラザーズ)の隠し味などが、じわりと
染み込んできます。目に浮かぶのはやはりアメリカ中西部
の風景でしょうか。ぼくは単なるアホなので、彼ら唯一の
このアルバムを3枚持っています(←いい加減にせい!)
それはともかく、ザ・バンドやエッグス・オーバー・イー
ジーの気楽な後継者といった感じのカープが愛おしくてな
りません。とりあえず缶ビーとハイボールで彼ら唯一のア
ルバムに乾杯!のオビンなのでした。


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by obinborn | 2017-06-08 17:28 | rock'n roll | Comments(0)  

喜びと悲しみ〜Sさんとフェイシズのこと

旧知のSさんからメッセンジャーで連絡を受けた時はとても
嬉しかった。彼は以前池袋の音楽バーのコック係を担当され
ていて、その美味しい料理と陽気な性格がぼくは大好きだっ
た。そんな彼と音信が途絶えてから久しかっただけに、ぼく
を覚えていてくださったことに、心温まる思いがした。

人間、毎日生きていればいい時も悪い時もある。楽しいこと
も辛いこともある。今朝だってぼくはバイト先で内装業者さ
んと居住者さんとの狭間に立たされたばかりだ(結果丸く収
めました)そんな時は誰もがささくれだってしまう。でも互
いに少しの知恵を出してみようよ、というのがぼくの考え方
だ。

記憶って素敵だな。誰かが自分を覚えていてくれる。彼や彼
女らが、たとえぼくみたいな”つまらない男”であったとして
も、覚えていてくれる。声を掛けてくれる。ときに「ねえ、
今度久し振りに飲もうよ!」とラインをくれる。ぼくはその
心の動きのひとつひとつを大事にしたい。ぼくが父親の葬儀
の際、喪主として述べたのはおよそ次のようなことだった「
父は亡くなりました。それでも皆さんそれぞれの記憶のなか
で、きっと生き続けることでしょう。時々父のことを思い出
して頂ければと願っています」と。

Sさんの陽気のなかに秘められた悲しみが見える。フェイセ
ズの馬鹿騒ぎ的なロックンロールとイカしたR&Bの彼方に
メンバーそれぞれの悩みや葛藤がやがて見えてくる。もし誰
かに声を掛けられたなら、せめて笑顔で返す気持を持ちたい
ね。Cheers!My Old Pal !


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by obinborn | 2017-06-06 12:54 | rock'n roll | Comments(0)  

クレイジー・ホースとハル宮沢のことを考えてみた

今一番欲しいアナログ盤はクレイジー・ホースのセカンド
『LOOSE』なんだけど、4月27日に石塚浩子さんの個展に
行く際に立ち寄ったお店では6800円もしたので仕方なく諦
めた。未開封のシールド付きだったからなおさら高かった
のだろうけど、昔は投げ売り同然だったし、今も探せば500
円で購入出来ると思う。値段的な口上はともかく、ワーナー
の名盤探検隊でCD化された際に初めて聞いて”震えた”。勿論
前身バンドのロケッツや彼らのファーストは大好きだったけ
ど、本作は70年代に何故かタイミングを逃し聞かないままだ
った。きっとダニー・ウィットンが亡くなったクレイジー・
ホースなんて...という先入観に囚われていただけなのだろう。
私はそんな自分の浅はかさを呪った。ダニーに代わる新しい
ギタリストのグレッグ・リロイとジョージ・ウィッセルの二
人がかなり貢献しているし、多くの曲でソングライティング
を手掛けているのも頼もしい。むろんタルボット=モリーナ
の馬力あるリズム隊は、まるでB級食堂のA定食のように力強
く優しく、身体ごと安心して委ねられる感じかな。

この人達はきっとロック音楽の未来を透視するなんていう視点
とは無縁に、自分たちの音楽を楽しみ慈しんでいるだけなんだ
と思う。その心意気が頼もしい。アルバム表題の如くルーズで
タフな演奏の味わいといったら!まるで一番いい時のハル宮沢
のコスモポリタン・カウボーイズのようだ。荒ぶる心も穏やか
なカントリーもそのまま出しちゃう不器用な部分は両者に共通
するものだろう。この時期のクレイジー・ホースのライヴはき
っと無敵だったに違いない。細かいことは気にしない。その代
り俺たちはラウドで行くぜ!そんなことを無言のうちに言い含
めた姿がもう圧倒的に美しい。

余談だが、ハル宮沢は日本のロックの埋もれがちな才能の一人。
この人はこんなことまで考えていたのかと思わせるナイーブが
激しいノイズの彼方から見えてくる。あるいはハンク・ウィリ
アムズの曲に託した喜怒哀楽が聴こえてくる。彼と出会った時
は、まるでたまたまクラスが違って話す機会に恵まれなかった
ハイスクール時代の友だちだと直感した。そしてクレイジー・
ホースとハル宮沢は、これからもきっと怒りや喜びや悲しみ...
それらすべてを音楽に託していくことだろう。


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by obinborn | 2017-06-03 17:09 | rock'n roll | Comments(0)  

ローリング・ストーンズの75年作『ブラック&ブルー』に寄せて

オイラが『ブラック&ブルー』(76年)を最初に買ったのは
77年の3月。自分が地元の県立高校を卒業する間際のことだっ
た。何でそんなに正確に覚えているかと言えば、絶対合格す
ると確信していた明治学院大学の英文学科に落ちてしまった
ことを掲示板で知り、その帰り道に池袋の西武百貨店系列の
ディスクポート(WAVEの前身)で購入したからだ。そのワ
ーナー盤は無著名の短い、明らかに手抜きと解るライナーが
添えられており、音楽内容の素晴しさとは反比例して落胆さ
せられた。オイラは当時から音楽について書かれる文章を読
むのが大好きだったから余計にそれを感じたのかもしれない。

今から振り返ると過渡期のストーンズを象徴するアルバムだ
ったと思う。ブロンズ髪と長身の若きギタリストは「もうツ
アーは沢山だ。ぼくはやはりブルーズを追求したい」と言い
残してバンドを脱退。その代りの"ギタリスト探し"をしなが
ら西ドイツはミュンヘンにあるロッカダム・スタジオを拠点
としながらレコーディングは進められた。本作には重量級の
ファンクHOT STUFFとHEY NEGURITTAがそれぞれAB面の
冒頭曲となり、ニューソウルの時代に対応した。何でも当時
の彼らはニューオーリンズ公演時、オープニング・アクトに
ミーターズを起用するほど、ブラック・ミュージックの新し
い動きに極めて敏感だった。エリック・ドナルドソンのレゲ
エ曲CHERRY ON BABYをいち早くカバーしたのもその現れ
だろう。そしてストーンズならではの”横揺れ”ロックンロー
ルの醍醐味はHAND OF FATEとCRAZY MAMAでたっぷり味
わうことが出来る。

でもそれ以上にオイラの心を揺さぶったのはMEMORY MOT
ELにFOOL TO CRYという二つのバラードだった。前者は伝
説のグルーピー、ハンナ・ハニーの回想録だった。もうひと
つは妻子ある男が不倫に陥り、それを察した娘に「パパはお
馬鹿さんね、でももう泣かないで」と諭される物語歌だった。
不思議なことだが、オイラが自分なりの人生経験を増すたび
にこれらの曲が、より深い部分で突き刺さってくるのだった。

思えば75年当時のミックやキースはちょうど30歳を少し超え
たばかりだった。好きなだけ女たちと寝た。シャンペンに塗
れた風呂にも浸かった。俺たちを知らない者はいない。そん
な彼らではあったけれども、MEMORY MOTELとFOOL TO
CRYでの二人は、青年期を終えようとする自画像を正直に告
白する。その痛みはどれほどのものだったろう。『ブラック
&ブルー』がストーンズの最高傑作であるかどうかの論議は
ともかくとして、このアルバムは今もオイラの心を捉え、ま
るで静かな波が岸辺に押し寄せるように、自分を揺さぶり続
けている。


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by obinborn | 2017-05-22 19:08 | rock'n roll | Comments(0)  

池袋は日本のニュージャージーだった?

学生時代は所沢、社会人になってからはずっと江古田に住んで
いるので西武池袋線とはもう長い付き合いだ。人身事故以外は
開線以来一度も大きなトラブル(転落や衝突)を起こしていな
いのも強みだろう。そんな環境に育った私にとってはまず池袋
に出ることが都会への第一歩だった。ここら辺の感覚はたぶん
最初に出る山の手線圏内が渋谷や目黒や五反田である人たちと
は違うと思う。それはニューヨークに対するニュージャージー
位の違いであり、私はずっとコンプレックスを抱えてきたので
ある。なにせ池袋ですぜ。こう言ってはナンだがとても垢抜け
た都会とは言えまい。それでも腐れ縁とはよく言ったもので、
横浜や中央林間へと遠出した帰りに、池袋へ降り立つ時の安堵
する気持は、似た環境の方なら解って頂けるだろう。またかつ
て「渋谷系」ともて囃されたジャンルもお洒落なイメージ作り
のためのマーケッティングに過ぎなく、そう括られた音楽家の
本人達が一番迷惑していたという話はよく聞かされた。やはり
自分が暮らす町が一番なのであ〜る。というわけで無性にサウ
スサイド・ジョニーのローカルなR&Bが聞きたくなってきた。

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by obinborn | 2017-05-18 07:14 | rock'n roll | Comments(2)