カテゴリ:rock'n roll( 359 )

 

誰もが満たされない心を持っている〜ブルース・スプリングスティーン

今日(12日)は7月以来久し振りに自由が丘のバードソング・
カフェに行きました。この店のオーナーは旧友の梅澤くん。
店を開ける前に、彼と近くの居酒屋で互いの近況報告やこの
夏の参議院〜都知事選、あるいは自分たちの政治的な態度(
距離感)を徹底的に話し合いました。むろん梅澤くんとぼく
とでは日米安保や自衛隊に関する見解は微妙に違うのですが、
それでも彼と本音で話せて良かった。以降は彼の店に行き、
たっぷり音楽三昧。プチDJもやらせて頂いて、感じのいいお
客さまたちとも打ち解けることが出来ました。こういう時間
〜人と人との直な関係を築けるから、ぼくは音楽バー通いを
止められないのかもしれません。音楽にデータや情報ばかり
を求める聞き手の「心の貧しさ」に関しても大いに語り合い
ました。そもそも何故ぼくたちはロック音楽を好きになった
のだろうか? その答えはまさに砂を噛むように切なかった
り、自分の手元から崩れ去ったりするものなのかも知れませ
ん。それでもブルース・スプリングスティーンの「ハングリ
ー・ハート」を聴く時、ぼくは自分でもいつの間にか忘れて
いたり、ないがしろにしたり、粗末なまでに部屋の片隅に追
いやってしまった感情のことを、すぐに思い起こします。


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by obinborn | 2016-09-13 01:45 | rock'n roll | Comments(0)  

パブロック・ナイト、大盛況のうち終了しました! 

10日は渋谷のTANGLEにてパブロック・ナイトが開催されま
した。何と40名越えの大盛況!いや〜楽しかったです!コー
ディネイトしてくださったHさん、DJ諸氏、TANGLEのマイ
ケルさんとみおさん、そして何よりも来て頂いたお客さま、
本当にありがとうございました!お陰様で私は◎歳最後の夏
をしっかり締めくくることが出来ました。またお会いしましょ
う!以下私のプレイリストです。

*    *    *

SKEETER DAVIS&NRBQ/いつか王子様が
NRBQ/RIDIN' IN MY CAR
ELVIS COSTELLO/THE OTHER SIDE OF SUMMER
NRBQ/IF I DON'T HAVE YOU
JOE TEX/IF SUGAR WAS AS SWEET AS YOU
FABULOUS THUNDERBIRDS/(YOU AIN'T NOTHIN' BUT) FINE
FLAMIN' GROOVIES/MISERY
ELVIS COSTELLO/GETTING MIGHTY CROWDED
KOKOMO/FOREVER
ROCKPILE/NOW AND ALWAYS
NICK LOWE/I LOVE THE SOUND OF BREAKING GLASS
NICK LOWE/I KNEW THE BRIDE(WHEN SHE USED TO R&R)
NICK LOWE/CRUEL TO BE KIND

〜ONE MORE MILE TO GO〜

GRAHAM PARKER& THE RUMOUR/KANSAS CITY
EDDIE& THE HOT RODS/GLORIA〜SATISFACTION

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by obinborn | 2016-09-11 01:39 | rock'n roll | Comments(0)  

ウィルコ・ジョンソンは帰っていく故郷のことを考えさせる

ウィルコとロジャーの『GOING BACK HOME』(2014年)を
LP盤で入手!リー・ブリローと喧嘩別れした後はずっと自ら歌
ってきたウィルコが、やっと本格的なヴォーカリストと出会え
たという意味で、本作はエポックだった。まるで溶接工のよう
にタフなロジャーの歌を得て、ウィルコのマシンガン・ギター
も水を得た魚のよう。二人の出会いは英MOJO誌の授賞式での
こと。むろんそれまでも互いを認識していただろうが、二人は
「お前もR&Bが好きなだけやん!」とすぐさま意気投合したら
しい。アルバムの主旨はウィルコのこれまでのキャリアを振り
返るもので、フィールグッド時代からソロまでの代表曲がリメ
イクされ、そこにウィルコ永遠のアイドルであるボブ・ディラ
ンの「窓から這い出せ」が加わる。また本作での演奏は盟友ノ
ーマン・ワット・ロイbにディラン・ハウdsと、あくまでウィ
ルコ・ジョンソン・バンド主導で録音されている。当時末期の
癌と宣告された(のちに誤診と判明)ウィルコの気持を汲めば、
まるで自分の家族のように、長年苦楽を共にした仲間と最後に
なるかもしれないレコーディングに臨んだのは当然の選択だっ
たろう。わずか2年前のこととはいえ、そんなことひとつひと
つを思い出しているうちに胸が一杯になってくる。アルバムが
Going Back Homeに始まり、All Through The Cityで終わると
いう構成が実に泣かせる。つまりドクター・フィールグッド最
初期のナンバー2曲を最初と最後に据えることで、ウィルコが
青年期を駆け抜けたフィールグッズへのオマージュになってい
るのだ。その想いが聴こえる人にはちゃんと届くことだろう。
付属されたブックレットにはウィルコとロジャーそれぞれの若
き時代の写真が添えられている。私がザ・フーの『ライヴ・ア
ット・リーズ』に夢中だった頃、あるいはフィールグッズの登
場に衝撃を受けた頃、まさか二人が21世紀になってから心を通
わせ、新たな名盤を産み落とすとは想像も出来なかった(長生
きはするものだ)片やスタジアム・ロッカー片やパブ・エリア
と、ロジャーとウィルコでは置かれた環境こそ異なるものの、
費やされた長い歳月の間にもたらされた寛容な心が、この二人
をしっかり結び付けた。まるでブリティッシュ・ロック50年の
歩みを凝縮するかような『GOING BACK HOME』は、私に帰っ
ていく場所や故郷のことを思い起こさせる。

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by obinborn | 2016-08-12 17:55 | rock'n roll | Comments(0)  

8月7日はパブロック・ナイトのリハでした!

7日は渋谷のバーTANGLEにてパブロック・ナイトの公開リハー
サルでした! TANGLEさんは今日初めてお伺いしたのですが、気
さくなみおさんとマイケルさんのお陰ですっかり打ち解け、ぼく
はビールを6杯も飲むほどでした。リハとは言えDJ諸氏は皆気合
い入りまくり!負けていられないなあ〜(笑)以下ぼくのプレイ
リストです。写真はみおさんと。

DAVE EDMUNDS/CRAWRING FROM THE WRECKAGE
DUCKS DELUXE/LOVE'S MELODY
FLAMIN' GROOVIES/BLUE TURNS TO GREY
EDDIE& THE HOTRODS/THE KIDS ARE ALRIGHT
DR.FEELGOOD/WATCH YOUR STEP
NICK LOWE&LOS STRAIGHTJACKETS/HALF A BOY& ...
GERAINT WATKINS/MOUSTIQUE
(B TO B)
DAVE EDMUNDS/SHOT OF R&B
NICK LOWE&LOS STRAIGHT JACKETS/RAGING EYES

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by obinborn | 2016-08-08 01:11 | rock'n roll | Comments(0)  

7月30日のアレックス・チルトン〜パワーポップ・ナイト


今日(30日)は渋谷の喫茶スマイルにてアレックス・チルトン
〜パワーポップのDJナイトでした。会場は立ち見でぎゅうぎゅ
うなほどの大入り!今は亡きアレックスの音楽を愛する人々が
こんなにもいることに筆者は思わず胸が一杯になってしまった。
それもこれも若い世代の人たちが流行に左右されず、REM以降
のカレッジ〜オルタナ・シーンにしっかり耳を澄ませながら、
ビッグ・スターやアレックスを辿っていった証左であろう。時
代の脚光を浴びなかった故に、アレックスはいつしかメンフィ
スのアンサング・ヒーローとなり、その音楽は若い連中へと確
実に受け継がれていったのだ。気取らない態度といい、どこか
ぶっきらぼうな佇まいといい、アレックスの音楽に常に流れて
いたのは、ごくナチュラルに自分と向き合い、他人の曲も自分
の歌と変わらずに愛でる心だったと思う。DJの皆さん、アレッ
クス愛に貫かれた素晴しいライブを繰り広げたビート・キャラ
ヴァンの四人、わざわざ集まってくださったお客様、スマイル
店主の北山さんetc…ほんま楽しかったです!帰りの電車のなか
筆者は思わず感動の涙がこぼれてきてしまいました。皆また会
おうぜ!That's Nice ! 以下私のプレイリストです。
*   *   *
ALEX CHILTON/THE OOGUM BOOGM SONG
ALEX CHILTON/LITTLE GTO
ALEX CHILTON/GUANTANAMERICA
BOXTOPS/SOUL DEEP
ALEX CHILTON/PARADISE
ALEX CHILTON/SUMMERTIME BLUES
ALEX CHILTON/LET ME GET CLOSE TO YOU
ALEX CHILTON/HOOK ME UP
ALEX CHILTON/TRAMP
ALEX CHILTON/COME BY HERE
(one more mile to go)
ALEX CHILTON/SEPTEMBER GURLS

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by obinborn | 2016-07-31 01:44 | rock'n roll | Comments(0)  

髭スワンプのボビー・ランスさん

ボビー・ランスは71年の『ファースト・ピース』は持っていま
したが、72年のセカンド『ローリン・マン』は先日大阪出張の
際やっと入手することが出来ました。前作はマスル・ショール
ズでの録音で、バリー・バケットやフッド=ホウキンズなどい
わゆるスワンパーズと合流して作られたもの(デュエイン・オ
ールマン参加説あり)でしたが、『ローリン・マン』では一転
してニューヨークのアトランティック・スタジオでのロケーシ
ョンが組まれました。前作のようにスタジオメンの力を借りる
のではなく、無名ながらも自分の仲間たちとともに録音した点
に好感が持てます。ヴァン・モリソンでいえば、彼が自分のバ
ンドで臨んだ『ヒズ・ストリート・クワイア』にも通じる”親和
力”がポイントですね。

所属レーベルもコテリオンから親会社のアトランティックへと
移籍(昇格?)し、レコード会社から期待を寄せられていた当
時の様子が伺えます。自らギターやピアノを弾くランスですが、
やはりその強烈に泥臭いヴォーカルが最大の魅力でしょう。70
年代前半は彼のようなダミ声の持ち主が、ロック・シーン全体
のダウン・トゥ・アース志向と相俟って脚光を浴びましたが、
ランスもまたそんな一人でした。前作でのこなれた名人芸と違
い、より求心力を増した歌が全編にビシバシと漲っています。
ちょっとメロウなコード感のあるLAST STOP CHANGE HAND
Sではイントロのギター・ハーモニクスから思い切り気持を持っ
ていかれますし、ゴスペル・ライクなHE PLAYED THE REALS
での希求するかのような感情表現も見事。そしてスライド・ギ
ターが炸裂するブギウギ・ロックンロールのYOU GOT TO RO
CK YOUR OWNの骨太な味わいはまさにランスの真骨頂であり、
レコーディング・スタジオの熱気が伝わってくるようです。

残念ながらランス本人の詳しい経歴は不明ですが、契約レーベ
ルから想像するに、かのジェリー・ウェクスラーに見出された
たのかもしれませんし、彼の出資協力を得てキャプリコーン・
レーベルを設立したばかりのフィル・ウォルデンの審美眼に
叶ったという可能性もあります。いずれにしても、今ではもう
滅多に出てこない”真性スワンプ”の記録がここにはあります。
マスル録音の『ファースト・ピース』のほうが人気は高いよう
ですが、そうした話題抜きに自分のバンドで勝負に出たこの
『ローリン・マン』に、ランスの男気を感じずにはいられませ
ん。個人的にはボビー・ウィットロックの『ロウ・ヴェルヴェ
ット』(これも自分のバンドでの録音)と並ぶ愛聴盤になりそ
うです。ローウェル・ジョージを彷彿させるランスの髭面も最
高!きっとこれからも髭スワンプの知られざる名盤として語り
継がれていくことでしょう。

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by obinborn | 2016-07-16 16:11 | rock'n roll | Comments(0)  

7月14日のツル&ザ・シスター・レイ/サーディン・ヘッド

14日は元住吉のPOWERS2にてツル&ザ・シスター・レイと
サーディン・ヘッドのツーマン・ライブを。まずはシスター
・レイのノイジーでパンキッシュな演奏にヤラれた!バンド
名から容易に想像出来るように、彼らはヴェルベッツやルー
・リードに倣った大音量ロックを炸裂させた!しかし単なる
轟音には終わらず、ツルのギター・パートひとつ取っても考
え抜かれた経験値を感じさせる。とくにヴェルベッツWhat's
Goes Onの痙攣するようなビートは、60年代のN.Yファクト
リーにあった鋭さを運んでくるかのようだった。

対するサーディン・ヘッドは、筆者が現在最も注目している
ジャム・バンドだ。二本のギターの駆け引きと多彩なビート
を繰り出していくリズム・セクションは、ときに激しくぶつ
かり合いながら、ときに息を呑むようなメロディックな輪郭
を共有しながら、スリリングな音模様をどこまでも自由に描
き出す。最も叙情的な曲Blow Rippleでコーラスが加わる以外
はすべてインストゥルメンタルなのだが、デッドのDARK S
TARやクリムゾンの『太陽と戦慄』に幻惑されたかつての音
楽少年は、サーディンが放出し続ける雄大かつ繊細な音の塊
に今日も心震わせたのだった。彼らは一体どんな音楽を聞い
て育ち、どんな演奏にインスパイアされてきたのだろう? 
いつかそんなことを四人と語り合ってみたい。

アンコールでは先に演奏したシスター・レイのツルをステー
ジへと呼び戻したサーディンが、ツルとともにデヴィッド・
ボウイのHang on YourselfとHeroesの2曲を演奏。とくに
テンポを落としながら迫る後者では、三人のギター奏者が
ソロ・パートを分け合うなど、この夜ならではの感動的な
場面が繰り広げられていった。

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by obinborn | 2016-07-15 06:12 | rock'n roll | Comments(0)  

追悼:スコティ・ムーア

スコティ・ムーアが亡くなったことをRollingstoneのTWで
知った。84歳だった。言うまでもなく50年代のエルヴィス
をビル・ブラック(b)、D.J.フォンタナ(ds)とともに支え
たギタリストであり、ロカビリー〜ロックンロールに与え
た影響力は計りしれない。例えばジョン・フォガティやデ
イヴ・エドモンズのギター奏法ひとつ取っても、ムーアや
マール・トラヴィスやチェット・アトキンスなしには成り
立たないほどのものだった。

以前ムーアに電話インタビューしたことがある。確か90年
代に彼を囲むトリビュート・ライブがリリースされた時だ
ったと記憶する。その時「64年に出たあなたのソロ・アル
バムを持っています」と伝えたら、ムーアが「きみは熱心
なコレクターだね!アメリカ人にとってもこのレコードは
レアなんだよ」なんてお世辞を言ってくれたっけ。

ナッシュヴィル・カントリーの名プロデューサー、ビリー
・シェリル(コステロ『ALMOST BLUEも!)を迎えたそ
の『THE GUITAR THAT CHANGED THE WORLD!』は、
「ハウンド・ドッグ」や「冷たくしないで」といったエル
ヴィス縁のヒット曲をインストに翻訳したもので、まさに
ムーアが奏でるギターの色艶を堪能出来る聖典だ。

そのアルバムの裏面にはこんな記述がある「彼らは旅に出
たけどいつも傷心だった。ツアーで稼いだお金はガソリン
代に消えた。そう、エルヴィスたちはスコティのおんぼろ
車で旅をしたのさ。彼らの稼ぎは一晩65ドル。そのうち12
ドルをエルヴィスが受け取った。スコティとビルは6ドルず
つだった。やがてスコティの車が壊れると、エルヴィスが
やっと中古のリンカーンを買えたんだよ…」

そんな50年代のメンフィスの日々に思いを馳せると、どう
しようもなく感慨が押し寄せてくる。誰も歩かなかった道
を彼らは歩き、その轍には後進たちが続いていった。偉大
なるシンガーの隣では、いつも名脇役がしっかりギターを
弾いていた。その人の名はスコティ・ムーア。私はこれか
らも彼のことをけっして忘れないでしょう。今まで本当に
ありがとうございました。

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by obinborn | 2016-06-29 18:00 | rock'n roll | Comments(0)  

ディノ・ダネリのこと


「ディノ・ダネリのドラムスにはスタジオ・ミュージシャン
にはけっして出せない奔放さがある」武蔵小山のレコード店
ペットサウンズの森勉さんが、そうお書きになられていたの
を読んだ時、ああ、この人は本当にラスカルズを愛されてい
るんだな、と心底嬉しく思ったことがある。

1960年代にはザ・バーズの「ミスター・タンブリンマン」の
ように、メンバーのマイケル・クラークではなく、スタジオ
集団レッキング・クルーのハル・ブレインが”虎”となってド
ラムスを叩いているようなケースが少なくなかった。まだ音
楽ビジネスが未熟であり、ミュージシャン自身が主導権を握
るような状況はなかった。

そんな時代のなか、66年にデビューしたヤング・ラスカルズ
は健闘した。アトランティックという自覚的なレコード会社
と、トム・ダウドやアリフ・マーディンといった優秀なスタッ
フに彼らは恵まれた。でもそれだけのことではない。自分たち
の歌を自分たちの演奏で届けたい。そんな想いはニューヨーク
周辺のクラブ・サーキットでトップ40を演奏しながら修行を
積んだメンバーたちのプライドでもあっただろう。しかも彼ら
の場合、フェリックスがハモンド・オルガンのフット・ペダル
で低音部を支えていたから、専任のベース・プレイヤーはいな
かった。ベース奏者が示す明確なラインなしで、ドラムスに向
かっていったディノ・ダネリは一体どんな心持ちだったのだろ
う。

アルバム『COLLECTIONS』は「ダンス天国」でB面の最後を
閉じる。その演奏のなか、ヴォーカルのエディ・ガバルッティ
がメンバーを紹介していく。そう、「オン・ドラムス、ディノ
!」「オン・オルガン、フェリックス!」といった具合に。
それはとても誇らしい光景だった。ぼくがかつてリンゴ・スタ
ーやチャーリー・ワッツのドラムスに心揺さぶられたのと同じ
ように、ディノは情熱とともにしっかりバスを踏み、スネアを
刻み、ここぞという展開でトップ・シンバルの音を高らかに鳴
らしている。

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by obinborn | 2016-06-06 00:45 | rock'n roll | Comments(0)  

ヤング・ラスカルズと私

昨日はダスティ以外にも3枚ほど買ったんだけど、とくに
嬉しかったのは、ヤング・ラスカルズの『COLLECTION』
だった。1966年にシングルGood Lovin'でデビューした彼
らは、全米一位に輝いたその曲を収めたアルバムをリリー
スした後、あまり間髪を置かずにセカンド作『COLLECTI
ON』のレコーディングに取り組む。前作同様まだまだカバ
ー曲が多く、ここでもクリス・ケナーの「ダンス天国」や
マーヴェレッツの「海のなかには魚がいっぱい」あるいは
バディ・ジョンソンのSince I Feel For Youといった演目に
頼っている。そのクラブ・バンド然とした匂いはパブ・ロ
ックを愛する者の一人としてむろん大歓迎!それでもこの
アルバムの価値は優れたオリジナル・ナンバーにあると思
う。メンバーのフェリックス・キャヴァリエとエディ・ブ
ルガッティが共作したWhat Is The ReasonやLonely Too
Long、そしてLove Is A Beautiful Thingは、以後も長らく
ラスカルズのステージを支え続ける名曲となった。

イタリア系のアメリカ人としてニューヨークに育ったラス
カルズのメンバーは、人種差別に対してもヴェトナム・ウ
ォーに関しても敏感に反応していった。やがて生まれた
「希望の光〜A Ray Of Hope」は、混迷する時代に投げか
けられた架け橋となる。チャック・ベリーやレイ・チャー
ルズの自伝映画でも描かれていたように、60年代に於いて
はライブ・コンサートに入場出来ないアフロ=アメリカン
たちが多くいた。シスター・ロゼッタは乗るバスのシート
に差別があることに抗議した。ガーランド・ジェフリーズ
は自分を乗せようとしないタクシーが、次の角で白人を招
く場面を目撃している。その傷付いた心はどれほどのもの
だっただろうか。

「ぼくたちラスカルズは黒人を規制する会場では、もう二
度と演奏しない」フェリックスはそう発言し、その結果と
して彼らは活動を制限され、袋小路へ追い込まれ、いつし
か解散してしまった。ブラック・ミュージックから恩恵を
授かり音楽の道を志したイノセントな若者たちが、やがて
暗い時代へと吞み込まれていく。音楽を聞いていてダンス
するハピネスと同じくらい、悔しさや罪悪感を噛み締める
のはいつもそんな時だ。

まだ20代半ばだったフェリックスはWhat Is The Reason
でこう歌っている「恋に落ちるのに理由なんてないよね!」
と。そのごくシンプルな歌詞が、聞き手たちの経験を伴い
ながら、もう少しだけ重層的な表情を帯びていく。ヤング
・ラスカルズはぼくに、自分が何故ロック音楽を好きにな
ったかを、今も鮮やかなまでに思い起こさせてくれる。

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by obinborn | 2016-06-05 14:33 | rock'n roll | Comments(0)