カテゴリ:rock'n roll( 396 )

 

選択し続けること

「シーンから無視されても腐らずに曲を作ること ぼくも自分で書いた曲が
あるからギターを弾き続けられた それと若い世代の商業ベースではない
音楽を聞きたい 80年代に商業音楽のプロデュースをしたんだけど 正直
後悔している 自分の信じている音をプレイして欲しい」

鈴木茂(「ローリングストーン日本版」2010年10月号から引用)

東京ローカル・ホンクの田中クニオと鈴木茂
今秋の京浜ロックフェスでの共演前に
田中の右腕に巻かれたサポーターがドラマーの苦労を忍ばせている

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「新しく契約したレコード会社はMTVの制作と当時FM局で主流になっていた
ハードエッジなサウンドを求めてきた ぼくたちオーリアンズはその誘惑に負け
てしまったんだ 流行のフォーマットなんて聞き手に届く頃には変わってしまう
のにフォーマットに合わせて音楽を作るなんてアーティストとしてまったく正し
くなかった もしあの時ローウェル ジョージの”自分の信念は曲げない”という
言葉を思い出していたなら どんなに良かったことだろう」

ジョン・ホール( 99年春:筆者の取材に応えて)


「メインストリーム(主流)の音楽に興味なんかないけれど ぼくがデビューした
1980年にもそれはあったし あれから30年経った今でもあるんですね
不思議なことなんですが ぼくはそれらに対して挑むような気持ちでいる
それはずっと変わりません」

佐野元春(今秋のツアー初日終演後に)
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by obinborn | 2010-11-23 09:02 | rock'n roll | Comments(0)  

Late Great Sir.Doug〜ダグ・サーム11回忌

今日はマイ マン、ダグ サームの命日です
早いものです もうあれから11年の歳月が流れていったのです
いつも隣でへらへらと笑っているような人の急逝は
その不在があとになってから染みてきます
私にとってダグがそんな人でした

とにかく体じゅうが音楽だらけ
学習とか理屈で音楽する人はゴマンといますし そういうアプローチ
もいいと思います
でもダグの場合は もう天然というかナチュラル ボーン ジーニアス
なんですね  
借り物ではない強さが彼の音楽には脈打っています
音楽に一切の嘘がない そんな人でした

Late Great Sir.Doug!
Catch The Man On The Rise!

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「Just A Moment」など50〜60年代のハーレム録音をコンパイルした
シングル集(80年リリース) 若き日のダグは早くも才能の片鱗を伺わせ
ている

ここのページをご覧になられているような方は
ダグのレコードを必死で探して来たような人も多いと思います
今日は奇しくもヴォジョレ ヌーボの日なので
みなさんダグに乾杯しましょう!
Keep Your Soul !

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オーギー マイヤーズ(kbd)らとクィンテットを組んでからの4作目は
69年12月発売  サンフランシスコのロードハウスで圧倒的な実力
を見せていた頃の名作は「Nuevo Laredo」で幕を開ける



この投稿者は65年録音のAB面両方を聞かせたがっているようだ
B面のオリジナルはむろんガレージの帝王、アンドレ ウィリアムズ
ジェシ エド ディヴィスのカヴァーも有名である 


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by obinborn | 2010-11-18 17:30 | rock'n roll | Comments(2)  

ゼム〜ベルファストからロンドンR&Bの渦中へ

今日は夕方になってからやっと雨が止みましたので それから
ウォーキングをしました 今日の成果は10,286歩
目標の体重まであと1,5kgです がんばれオビン(笑)

またもやエル・テッチさんに刺激されて今日はゼムのCDを引っ張り出して
きました 究極のアンソロジーとして97年にポリドールにて編纂された2枚組
『The Story Of Them Featuring Van Morrison』がそれです

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65〜67年少しとわずか2年足らずの活動期間でしたが スペンサーディヴィス
グループ、アニマルズ、ジョニー キッド&ザ パイレーツ、ダウンライナーズセクト
プリティ シングスらと並んでゼムは まさに英ビート バンドの粋を伝えたのです 
そしてヴァン モリソンのグルーミーなヴォーカルの味!

彼らの所属したデッカ レーベルといえばすぐさまストーンズにスモール フェイシズ
が浮かんできますが そんなレーベルメイトとしてゼムを捉えてみるのが案外一番
自然な姿なのかもしれません

カヴァー曲もビッグ ジョー ウィリアムズ「Baby Please Don't Go」からディラン「
It's All Over Now Baby Blue」まで様々ですが 全体的にもボビー ブランド、
クリスケナー、レイチャールズ、ファッツドミノ、Tボーンなどブラックミュージック
のアラカルト  個人的にはジョンリーフッカーの「Don't Look Back」やジミー
リードの「Bright Lights,Big City」と「Baby What You Want Me To Do」が白眉
かな むろんビート古典の「Gloria」やバート バーンズ作の「Here Comes The
Night」も収録 またトーキング ブルーズ調の7分長尺曲「The Story Of Them
Vol.1&2」での荒々しいヴァンのヴォーカルは覇気に溢れていて最高の出来映え
を示します

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97年には恩師であるジョンリーフッカーとともに「Gloria」を再録音したヴァンですが
それまでには30年以上の歳月が流れていたのでした
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by obinborn | 2010-11-17 19:27 | rock'n roll | Comments(5)  

ドラマーがいない3人がバンドを目指す

今日は天気予報で夕方から雨が降ると言っていましたので
午前中にウォーキングを済ませました 本日は天気が悪くて残念でしたが
15,191歩とまずまずの成果を上げました

さて 巷で話題の『Band On The Run』拡大&リマスター盤ですが
そんな状況もあって私は久しぶりに自分のLPを聞き直しています
私の興味は以下の2点に絞られるといっていいでしょう

1 ナイジェリアのラゴス(レゴス)でベーシック トラックを録音した
2 バンドという体を成さない当時の状況にもかかわらずバンドサウンドを指向した
以上です

1に関してはポールの思いつきと一般的には言われていますが
好奇心旺盛な彼のこと アフリカ音楽に興味があったことは間違いないで
しょう フェラ・クティに「俺らの音楽を盗むんじゃない!」と抗議されたせい
もあって 楽器の選択も含めてアフリカ的な意匠はとくにあるわけではない
のですが 「ピカソの遺言」や「マムーニャ」での打楽器はそれっぽい雰囲気
を醸し出していますし 何より全体のレイドバックした空気感にこのロケー
ションの成果を感じます(実際には強盗に遭ったり 雨期ということでスタジ
オに込もっていたそうですが)

2に関してはやはり専任ドラマーの不在は大きいです そうした耳でドラムス
にフォーカスして収録曲を聞き直すと 代表的なロック曲「ジェット」なども
ドラムスは弱いのです ただビートルズ時代にポールが叩いた「バック イン
ザ USSR」や「ジョンとヨーコのバラード」でのヘタウマの妙味を解る方なら
ば アマチュア ドラマー=ポールのそれを味わえるという意味でも価値ある
アルバムではないでしょうか?

2の問題をもう少し続けましょう

ドラムスのこととも関係しますが  パーカッションが効果的な「ブルーバード」
や「マムーニャ」などはドラマーがいないというハンデを逆手に取ったような
逸品ですし 本来ならもっとダイナミックな仕上がりになったであろう「ジェット」
や「バンド オン ザ ラン」の手探りっぽいノリこそは ポールが求めたものでは
なかったと想像してみるのです

少なくともここでの演奏はドラムズが支配的〜威圧的に響くことはありません
今年始めに行われたシェリル クロウのライヴ評で「バスドラがキツ過ぎる」と
いった意見を幾つか耳にしましたが 私が言いたいのもそこら辺に関係する
思いなのかもしれません

もともとポールは『ラム』でも明らかなように アマチュアっぽい質感を大事にす
る音楽家です 演奏家としてはシロウト同然だったリンダをウィングスのメンバー
にしたことも当時は酷評されたものですが この問題はロック音楽を考えるうえ
でとても大きなテーマだと私は思っています(ウィルバート ハリソンのsue録音
『Let's Work Together』がロウ=ファイの聞き手たちによって再評価された
という事実とも繋がっていきます)

トータルな構成〜展開があっぱれ! なことからウィングス版『アビーロード』と
も評価されるこの『バンド オン ザ ラン』(73年)ですが どこか当時流行して
いたスワンプ ロックの鷹揚さとも響き合っていたりして、、、
くどいようですが この作品はドラムス専任奏者がいないバンドがロックし
たお手本でもあるのです そのぶんベースがグイグイ引っ張るニュアンスもた
っぷり味わえるのでした

というわけで中毒性のあるリフが素晴らしい「レット ミー ロール イット」の彼方
にラゴスの大地が見えてくるようです

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by obinborn | 2010-11-15 21:14 | rock'n roll | Comments(0)  

時代はきしむ 言葉はその羽根を伸ばしてゆく

ジャーナリストたちに背を向ける音楽家もいる

でもどうだろう?
そこに対話(ダイアローグ)という余地は残されていないだろうか
会話という行為から何かを実らせていくことは出来ないだろうか

佐野元春の場合を振り返ってみる
彼は辛抱強く ジャーナリストたちと言葉を交わしてきた
取材に関する積極的な態度は
別にプロモーションのためだけではない
佐野はむしろ切迫した気持ちで
自分の音楽を解って欲しかったんだな と思う

ずっと初期から彼は自分のLPレコードに音楽評論を書かせてきた
どうか思い起こして欲しい
ザ・ハートランドとの頂点を克明に記録したライヴ盤に寄せられていた
ライナーノーツのことを
あるいは『The Circle』や『Sweet 16』の解説のことを

言葉を扱う表現者が 人の言葉に耳を傾ける
素敵じゃないか?
結果 佐野は日本のロック ジャーナリズムを一歩一歩押し上げていく
それは”俺様”的な地平からは見えて来ない柔らかな水平線だ

自分自身のことを振り返ってみても
同じ母国語を使う音楽家とのやりとりは気安い反面 キツいとも感じる
ぼくらは素晴らしいとか感動したということを
別の表現で伝えなければいけないから

音楽評論は体裁のいいレコメンド シートではない
フリーペーパーに書かれた浮つきでもない
『This』などで試みられてきた佐野の言葉への関心やメディアへの模索は
言うまでもないだろう

だから ぼくも言葉を積み重ねていく

乖離や誤認を恐れずに
言葉の強さに怯えながら 言葉の弱さに躓きながら


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「ぼくのフィロソフィーは もしそこにいい音楽があるのなら いい紹介者もいなくて
は というものです 音楽家が堕落したら批評家やDJも堕落する 批評家やDJが
堕落したら 音楽家も堕落するでしょう ぼくはそんな風に思っています」

(佐野元春:拙者による取材時に)
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by obinborn | 2010-11-08 00:13 | rock'n roll | Comments(0)  

ざっくりとした実感 溢れ出すロック

6日はコーガンズを渋谷Lushにて

サードアルバム『Golden Soul』を携えてのツアーだけに
その集中力は凄まじいほど
新作を録り終えた高揚感 そんなヴァイヴが自然に会場を満たしていく

ジンロウの不器用な歌がまっすぐに届いた
山田のギターがそれにきちんと応えた
リズム セクションの二人がどんどんビートを押し上げていった

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8からの16へのアプローチにしても  彼らのそれは切なく ぎこちない
それでも伝わってくるものの大きさは
まさにロック バンドならではの ひりひりとするようなそれ

考えてみてほしい
スタジオで16に染まっているひとたちが8に戻るのとは真逆のアプローチ
その匂いのようなものがぼくを激しく惹き付けていく

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そんな信頼感はラモーンズの一節を挟んだ瞬間にあった
そんな親しみはジンロウがブルーズハープを混ぜて足元を確かめた時にあった
大切なユーモアの感覚もあった

これは単に個人的な音楽体験に過ぎないが
ぼくはかつてこう書いたことがある
「ラモーンズが出て来て ぼくは再びロックが好きになった」

やんちゃでワイルドな心 幾つかの迷走と逡巡
この時代ではロック バンドであり続けること自体が とても難しい
それでもコーガンズは それを成し遂げていく

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死体たちの山を超えて
墓地の沈黙から抜け出して
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by obinborn | 2010-11-07 06:11 | rock'n roll | Comments(0)  

11月3日〜狭山ロックンロール・コンベンション

今夜は突如”狭山ロックンロール・コンベンション"が行われました
またの名は”山本智志と水木まりを囲む懇親会”

ご存知の方もいらっしゃると思いますが 山本さんと水木さんは
70年代のロック黎明期に『ニューミュージック・マガジン』編集部に在籍され
その後フリーの編集者と翻訳家にそれぞれなられました

このオビンも一読者として『マガジン』に親しんできましたから
まさに憧れの先輩方です
その後長い歳月を経てオビンも山本さんから原稿の依頼を受けるなど
およそ10年くらいお付き合いをさせていただいてきたのです

そんなお二人のまわりには自然と狭山のロック愛好家たちが集まってきました

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前列右端がオビン 隣にいらっしゃるのが山本さん 水木さんです

約3時間 ロック談義は尽きません(笑)

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何を話しているのかな? ^0^
話題はJ.ガイルズ バンドからヘンリー・ミラーまでと知性が迸ります(笑)
何でも水木さんはアメリカでアルバート キングのツアーバスに乗ったとか
(アルバート『Love Joy』のジャケットに映っているあのバスです)

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狭山のロック バー”ふぃがろ”のマスターも話を楽しんでいます

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マスターとササモトさん
お二人は中学時代からのロック友だちだとか
今なお そんな関係が続いているなんて素晴らしいことだと思います

狭山のハイドパーク ミュージック フェスで山本さんが尽力したことは一部で
有名ですが そのときのスタッフたちも集まってきました

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僭越ながらワタクシ小尾が締めの挨拶をさせて頂きました
その内容はおよそこういうものでした

「山本さんのことでぼくが一番印象に残っているのは ”ロック音楽は聞くのも楽しい
けれど それと同じくらいぼくはロックについて書かれた文章を読むのも好きなん
です”という言葉でした それはとどのつまり音楽を演奏する側の思いがあるならば 
ぼくら聞き手たちもそれと拮抗するようなイマジネイションを広げることが出来るん
じゃないか、そんなことだとぼくは理解しています 今までありがとうございました
編集者の山本智志さん、翻訳家の水木まりさんのお二人に感謝します 少なくとも
彼らはまだ未開の土地だった日本のロック・ジャーナリズムの礎となってきたのです」

というわけで狭山の夜は更けていきました

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男はずっと旅をしていた 

道を極めようとしていた

オレンジ色の服を着ていた

片手に知識を抱えていた

女は大地に立っていた

ひとりぽっちで暮らしていた

美しいベールを身に纏い

いつも星の動きを知っていた

佐野元春  「二人の理由」より
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by obinborn | 2010-11-04 00:39 | rock'n roll | Comments(4)  

聞き手のなかで育つもの

日本に欧米のような優れた音楽ジャーナリズムがあるかどうかは
論議が分かれるところだが 全体の趨勢としてはカタログ志向や
データの充実が進んだ一方で 聞き手がその音楽から受けた感動
を伝えるような文章は以前より少なくなってしまったように思う

いつも言っていることだが 音楽は演奏する側と聞き手とが交信して
こそ初めて成り立つ そのような関係性に思いを馳せれば 聞き手が
イマジネイションを膨らませていくような文章がもっとあっていい
最近はもう書かれていないようだが 鈴木博文さんはそうした意味でも
音楽家としてだけでなく文章家としても優れていた

だいたいあれほど言葉が重要なディランでさえ それを語る自称評論家
連中の文章ときたら 歌詞に触れるどころか知識自慢や公演日データの
羅列ばかりだ そこには少なくとも音楽を聞いて自分をそこに投影させよう
という心の動きは見受けられない そんな意味では初めてディランを聞く
高校生のほうがよほど素直にディランを受け止めているのではないだろうか?

少し話は異なるかもしれないが 北中正和さんが書かれた『ロックが聴こえる
本105ー小説に登場するロック』(シンコーミュージック 1991年)は 本のなか
で挿入される音楽について書き留めた画期的な本だった そこに流れているのは
ロックの英雄伝説に加担するのではなく 普段の生活のなかでロックがどう聞こえ
どう受け止められているか そうした埋もれがちなことに耳を傾けようとする柔らか
な河のようなものだ

この時点でティム オブライエンの『本当の戦争の話をしよう』を取り上げている
目利きもさすがだが やはりそれ以上に伝わってくるのは音楽も映画も小説も
表現という同じ地平に立っているという当たり前だが忘れられがちな認識である
そして感情を抑えた北中さんらしい文体が かえって読者の想像力を育んでいく
こともありがたい

これがかつて東京新聞に連載されていたという事実にも感銘を受けたりして

マニアの視点はやせ細っていく
しかし音楽の流れそのものに耳を傾ける者は
やがて大河へと辿り着いていくだろう
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by obinborn | 2010-10-28 17:45 | rock'n roll | Comments(0)  

フリーフロウランチ 10周年おめでとうございます!

昨日は佐野元春の帰りに池袋のフリーフロウランチへ行ってきました
お店は10周年記念のプライスダウンウィーク最終日ということもあって
超満員 こういう雰囲気のときは一人でいると結構辛いものがありますが
幸いザディコキックスのお二方、ヨシタケさんと西田さんがいらっしゃった
ので思わず三人でテーブルを囲み 音楽談義に花を咲かせたのでした

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ヨシタケさんと西田さん 
「オビさんの周りにはきれいな(心の)人が集まっていますね」と評価して
いただきました いえいえそんなそんな^0^

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店主の深田さんとオビン
10周年おめでとうございます! 以前から「せめて10年はやらなきゃ!」
とおっしゃっていたのが印象に残っています

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音楽バーというとどうしてもマニアの巣窟のようになりがちですが
フリーフロウは 明るい雰囲気と接客業の原点である作法そして料理の美味しさ
で定評を得てきました  来月にはこの店ゆかりのバンドを束ねたアニヴァーサリー
ライヴが江古田のBuddyで行われます こちらも楽しみですね
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by obinborn | 2010-10-27 14:55 | rock'n roll | Comments(0)  

若いバンド クラブ・サーキット 生まれてくる新しい気持ち

26日は佐野元春&コヨーテ バンドをさいたま市のHeaven's Rockで
見た デビューして30年 今なお全国をくまなく回り国際フォーラムを
満員にしてしまうほどの佐野が あえてチャレンジングしている今回の
クラブサーキット その意味を噛み締めたツアーの2日めだった

音楽的才能や鍛錬と会場の規模は何ら関係ないものだが それでも
佐野を小さい会場で体験出来る喜びは格別であり 足を踏み入れた
聴衆たちの表情からはその箱の狭さに対する驚きとともにそのスペシャル
な一夜へのときめきが汲み取れる BGMにはアル グリーンらのハイ サウン
ドが流されていていいアクセントを醸し出していた

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初日にはいくつかの課題が残った演奏/音響面もこの日はぐっと改善され
高揚感が会場を包み込んでいく ツアーが始まったばかりなので初日のルポ同様
に選曲に関しては控えたいが まだ手触りもなまなましいアルバム『コヨーテ』の
楽曲で前半をがっちりと足固めしつつ エヴァーグリーンな名曲群を後半に散りばめ
ていくといった流れを想像してみて欲しい しかもそこに久しく演奏されることのなか
ったレアな曲も幾つか挿入していくという贅沢さ

円熟を良しとしない粗めのギターサウンドでザクザクと切り込んでいくその流れは
『コヨーテ』の録音に(今回とほぼ同じメンバーである)若い演奏家を引き連れて
臨んだときと同じような佐野の心情を物語る

「ありきたりな言い方になってしまいますが 初心に戻る 音楽を始めた頃の無邪気さ
を取り戻したいということです」 

『コヨーテ』発売時のとき彼は筆者の取材に応えてこう話してくれたが その気持ちを
伴ったライヴでの実践が今回の全国21カ所のサーキットである

「近年は土日が中心のツアーになりがちでしたが 東京から始まって日程をあまり
空けずに挟み込んでいくという旅は ほんとうに久しぶりなんじゃないかな ジムに
通って体は鍛えています」

自意識の迷宮に陥ることなく  絶えずぼくときみの関係性を築こうというその
歌世界の求心力は ここ数年でも最もいいと思われる喉の調子とともに鮮明に伝わっ
てきたし お馴染みの楽曲もコーラスに工夫をしたり キーボードの渡辺シュンスケ
が裏メロを際立たせるようなフレーズをまぶしていったりと実にフレッシュな肯定感
がある 

音楽は生きものだ そんな感想が爽やかなほどに駆け抜けていった一夜だった
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by obinborn | 2010-10-27 12:33 | rock'n roll | Comments(0)