カテゴリ:rock'n roll( 383 )

 

デヴィッド・ボウイ『ピンナップス』を時代順に組み直す(監修:Mr.Morrie)

ザ・バンド『マチネー』を時代順に組み替えたテキストはお陰
様で好評を頂きました。ありがとうございます。今回は同じ73
年にリリースされたデヴィッド・ボウイのカバー集『ピンナッ
プス』に焦点を当ててみました。といっても英国モノに疎い私
ではまるで歯が立たないので、今回はクラブDJ・英国音楽研究
家のMorrieさんに全面監修をお願いしました。氏に感謝します。

こうして見渡してみると、64年から67年までの比較的短い期間
に英国シーンを席巻した英バンドの選曲に特化した様子が伺え
ます(豪州のイージー・ビーツも渡英後の代表曲)いわばボウ
イによるブリティッシュ・ビートへのオマージュ。最後にピン
ク・フロイドの「エミリーはプレイガール」が入ってくる辺り
も、サイケデリック・イヤーの到来を告げるようで興味深いで
すね。なおチャート・リアクションはすべて英国でのものです。

☆     ☆     ☆

SIDE A

1 Everything's Alright ( The Mojos)64年3月9位
2 I Wish You Would ( The Yardbirds)64年5月ランクインせず
3 Rosalyn ( The Pretty Things)64年5月41位
4 Don't Bring Me Down ( The Pretty Things)64年10月10位
5 I Can't Explain(The Who)65年1月8位
6 Here Comes The Night (Them) 65年3月2位

SIDE B

1 Anyway,Anyhow,Anywhere (The Who) 65年5月10位
2 Where Have All The Good Times Gone(The Kinks)65年11月8位
3 Shapes Of Things(The Yardbirds) 66年2月3位
4 Sorrow(The Merseys) 66年4月4位
5 Friday On My Mind (The Easybeats) 66年10月6位
6 She Emily Play (The Pink Floyd) 67年6月6位

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by obinborn | 2016-11-07 16:52 | rock'n roll | Comments(0)  

ニール・ヤング『DECADE〜輝ける10年』に寄せて

ニール・ヤング最初のベスト・アルバムは76年に発売された
『DECADE』(輝ける10年)だった。ワーナー・パイオニア
(現ワーナーミュージック・ジャパン)から国内盤もしっか
りリリースされたが、何と3枚組で価格は確か¥6,000だった
と記憶する。そんなものは諦めるに越したことはない。何し
ろこっちは浪人確定組の高校3年だ。卒業記念に買ったのは
マンフレッドマンズ・アースバンド『ローリング・サイレン
ス』と『ザ・バーズ・グレイテスト・ヒッツ』所沢・ミノヤ
のカウンター越しにいた店員のお姉さんは長身の美女で、私
は萌えたが、当然交際には至らず。それでも300円分まけて
くれたことは今でもはっきり覚えている。確か初めて購入し
た輸入盤がこの2枚じゃないかな。

私が通った所沢北高等学校は、今でこそ立派な進学校となっ
たが、当時は落ちこぼれの巣窟であり、埼玉ベース住吉連合
の予備軍バイカーとノンポリと、川越高校に落ちた優等生の
混血であり、野戦病院のようなものだった。それでも幸せな
気持になったのは、ラジオから流れてくる「プラウド・メア
リー」であり、美容院の息子が持ち込んだ「セックス・マシ
ーン」であり、治外法権の「津軽じょんがら節」だった。私
は同級生の兄が弾く寺内タケシの津軽に圧倒されて、何故か
バックマンターナー・オーヴァー・ドライヴと、西の町から
やってきたキャロルをコピーするバンドに誘われたが、いか
んせん実力は伴わず。

そんな個人史はともかく、大事なのはニール・ヤングの最初
の10年を見つめられたことだろう。バッファローからCSN&
Yへと栄光の駒を進めながらも、何故か「俺ってだめだもん
ね〜」とか、「あかんべ〜」とか、そんなことを当時から彼
はずっと歌ってきた「川面に裸足で突っ込み、ハイスクール
の頃のように手足を伸ばしたい」普通そんなことを大人たち
は歌わない。むしろ見ては見ないふりをするのではないだろ
うか?それに加えて、死んでしまった友人たちのために、弔
いのレコーディング・セッションを、テキーラの杯をしこた
ま重ねながら深夜に行うなんて、あまりに青臭さ過ぎるじゃ
んか。

友の一人は自死をした。憧れて止まなかった師も息絶えた。
明日からの私は一体どうすればいいのだろう? 書き込まれ
ることのない日誌。閉じられたままのノート。冬は長い。そ
れでも私はこれからも書いていく。長い冬に逆らうように、
もっともらしい態度に異を唱えながら。

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by obinborn | 2016-11-06 05:03 | rock'n roll | Comments(0)  

ザ・バンド『ムーンドッグ・マチネー』を、オリジナルの時代順に組み直してみました!

ザ・バンドの73年作『ムーンドッグ・マチネー』は、彼らが
音楽の先輩たちに敬意を表したカバー・アルバムとしてあま
りに有名ですね。ぼくも長年愛聴してきましたが、ちょっと
ばかり気になって、オリジナル・ソングがリリースされた年
を調べ、年代順にシークエンスを組み直すとどうなるのか?
を試してみました。以下にご報告しましょう!

☆      ☆      ☆

SIDE A

1 THIRD MAN THEME 49年 オーストリアのチター奏者、
アントーン・カラスによる映画挿入インスト。邦題は「第三
の男」

2 MYSTERY TRAIN 53年 メンフィスのブルーズマン、
ジュニア・パーカーのSUN吹き込み。ほぼ速攻でエルヴィス・
プレスリーが54年に取り上げた

3 THE GREAT PRETENDER 55年 コーラス・グループの
プラターズが同年12月にヒットさせ、全米チャート一位に

4 AIN'T GOT NO HOME  57年 ニューオーリンズのR&B
シンガー、クラレンス”フロッグマン”ヘンリーが同年1月に全米
チャート20位へと送り込む

5 I'M READY 59年 ニューオーリンズの偉大なシンガー/ピ
アニスト、ファッツ・ドミノが同年5月に全米チャート16位へ

SIDE B

1 SAVED 61年 気風のいい女性R&B歌手、ラヴァーン・ベ
イカーのヒット曲 61年5月全米で37位と大健闘した

2 SHARE YOUR LOVE 63年 メンフィス〜テキサスをベース
にしたボビー”ブルー”ブランドが絶唱したバラード曲。ザ・バン
ドはみんなブランドやパーカーを愛していたね

3 PROMISED LAND 64年 勿論オリジナルはチャック・ベリ
ー。多くのヒット曲を生み出したベリーだが、これは何故かチャ
ート・インせず。だからこそ、この勇気あるカバーを讃えよう

4 A CHANGE IS GONNA COME 65年 言わずと知れたサム・
クックの記念碑。65年の2月に全米31位。折りしも時は公民権
運動の真っ只中。サムの願いを聞き取りたい

5 HOLY COW 66年 ニューオーリンズR&Bの新世代、リー
・ドーシーが同年11月に全米チャートの23位へ。インディ・レ
ーベルAMY発。プロデュースはアラン・トゥーサン

と、まあ物好きなことをしてしまいました(笑)皆さんがこれを
機会にまた『ムーンドッグ』アルバムを棚の隅から引っぱり出し
てくだされば、それに勝る喜びはありません!

*ジョエル・ウィットバーン氏の労作『THE BILLBOARD BOOK
OF TOP 40 HITS』を参考資料にしました。ありがとう、ミスタ
・ウィットバーン

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by obinborn | 2016-11-05 17:59 | rock'n roll | Comments(0)  

ニール・ヤング『TIME FADES AWAY』

やばいやばい。懐かしい写真を見て昔を思い出していたら眠れ
なくなってしまい、起き出して深夜ニール・ヤングの『TIME
FADES AWAY』(73年)をコーヒー飲みながら聞いている。
ヤングにとって最初のライブ・アルバムとなった本作は、当時
行われた全米ツアーからシアトル、クリーヴランド、サンディ
エゴ、サクラメントでの音源を収録しているが、全8曲がすべ
て新曲で構成されるという画期的なものだった。通常ライブ作
といえばファン・サーヴィスのためのグレイテスト・ヒッツ集
であったり、アーティストにとって活動に一区切り付ける意味
合いがあったり、またはレコード会社が人気にあやかって勝手
にリリースする場合もあるのだが、そうした慣習をヤングは覆
して、73年時点での”現状報告”にしたのだった。そういう意味
では、のちにジャクソン・ブラウンが新しいナンバーばかりの
ライブ作『RUNNING ON EMPTY』を発表する伏線となったの
かもしれない。

72年〜73年のヤングといえば、アルバム『HARVEST』が全米
で第一位に輝き、シングル・カットされたHEART OF GOLDも
また72年の2月、堂々と一位にチャート・インしている。そん
な意味では彼にとって最初の頂点であり、ジェイムズ・テイラ
ーやキャロル・キングの活躍とともにシンガー・ソングライタ
ーの大ブームを巻き起こしたわけだが、必要以上の名声を得て
しまったヤングは新たに苦悩を抱え込むことになった。「もう
僕は大きな会場ではやりたくない。これからは無名のバーや小
さなクラブ、つまり聴衆の顔がはっきり見える場所で歌いたい
のさ」これはヤングの本音であっただろう。

『TIME FADES AWAY』が収録された会場が比較的大きいこと
は歓声の大きさからも容易に想像出来る。そういう意味ではヤ
ングの意思に背いていたのかもしれない。しかしヒット曲のH
EART OF GOLDや当時の最新作『HARVEST』からのナンバー
を焼き直すのではなく、新曲ばかりで徹底的に固め打ちしたと
ころに、ヤングのアーティスト魂を感じずにはいられない。そ
れも内省的なピアノの弾き語り歌L.A、苦みに満ちた自己遍歴
を吐露したDON'T BE DENIED、ヤング自らが監督となった映
画のタイトル・トラックJOURNEY THROUGH THE PAST、の
ちに定期化される障がい児のためのベネフィット・コンサート
の名前を冠したTHE BRIDGEなど、重要曲が演奏されているの
だから、ファンにはたまらない贈り物だ。

とりわけB面最後を飾る長尺のLAST DANCEは劇的な盛り上が
りを見せる。ジャック・ニッチェのピアノもいいし、ティム・
ドラモンドのベースとジョニー・バーバータのドラムの骨太な
コンビネイションが何よりもヤングの実像を伝えようと懸命に
なっている点が素晴しい。加えてクロスビー&ナッシュがコー
ラスで盛り上げ、ベン・キースのペダル・スティールが砂埃を
舞い上げていく。クレイジー・ホースとの荒れ馬ぶりが湾岸戦
争への抗議とともに轟音で示されたのちの『WELD』も価値あ
るライブ作であり、その際に共演したソニック・ユースに刺激
されたノイズ・エクスペリエンス王『ARC』も重要な副産物だ
が、その発端は間違いなくこの『TIME FADES AWAY』にある。
そのことを忘れずにいたい。このアルバムはハル宮沢的なナイ
ーブと中山義雄の黙示録の肖像。傷だらけのロック、血塗れの
国旗、果たされなかった約束の縮図なのだ。きみは元気かい?
もうすぐ夜が明け、エレクトリック・ギターの凱旋が始まる。

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by obinborn | 2016-11-04 04:47 | rock'n roll | Comments(0)  

誰もが満たされない心を持っている〜ブルース・スプリングスティーン

今日(12日)は7月以来久し振りに自由が丘のバードソング・
カフェに行きました。この店のオーナーは旧友の梅澤くん。
店を開ける前に、彼と近くの居酒屋で互いの近況報告やこの
夏の参議院〜都知事選、あるいは自分たちの政治的な態度(
距離感)を徹底的に話し合いました。むろん梅澤くんとぼく
とでは日米安保や自衛隊に関する見解は微妙に違うのですが、
それでも彼と本音で話せて良かった。以降は彼の店に行き、
たっぷり音楽三昧。プチDJもやらせて頂いて、感じのいいお
客さまたちとも打ち解けることが出来ました。こういう時間
〜人と人との直な関係を築けるから、ぼくは音楽バー通いを
止められないのかもしれません。音楽にデータや情報ばかり
を求める聞き手の「心の貧しさ」に関しても大いに語り合い
ました。そもそも何故ぼくたちはロック音楽を好きになった
のだろうか? その答えはまさに砂を噛むように切なかった
り、自分の手元から崩れ去ったりするものなのかも知れませ
ん。それでもブルース・スプリングスティーンの「ハングリ
ー・ハート」を聴く時、ぼくは自分でもいつの間にか忘れて
いたり、ないがしろにしたり、粗末なまでに部屋の片隅に追
いやってしまった感情のことを、すぐに思い起こします。


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by obinborn | 2016-09-13 01:45 | rock'n roll | Comments(0)  

パブロック・ナイト、大盛況のうち終了しました! 

10日は渋谷のTANGLEにてパブロック・ナイトが開催されま
した。何と40名越えの大盛況!いや〜楽しかったです!コー
ディネイトしてくださったHさん、DJ諸氏、TANGLEのマイ
ケルさんとみおさん、そして何よりも来て頂いたお客さま、
本当にありがとうございました!お陰様で私は◎歳最後の夏
をしっかり締めくくることが出来ました。またお会いしましょ
う!以下私のプレイリストです。

*    *    *

SKEETER DAVIS&NRBQ/いつか王子様が
NRBQ/RIDIN' IN MY CAR
ELVIS COSTELLO/THE OTHER SIDE OF SUMMER
NRBQ/IF I DON'T HAVE YOU
JOE TEX/IF SUGAR WAS AS SWEET AS YOU
FABULOUS THUNDERBIRDS/(YOU AIN'T NOTHIN' BUT) FINE
FLAMIN' GROOVIES/MISERY
ELVIS COSTELLO/GETTING MIGHTY CROWDED
KOKOMO/FOREVER
ROCKPILE/NOW AND ALWAYS
NICK LOWE/I LOVE THE SOUND OF BREAKING GLASS
NICK LOWE/I KNEW THE BRIDE(WHEN SHE USED TO R&R)
NICK LOWE/CRUEL TO BE KIND

〜ONE MORE MILE TO GO〜

GRAHAM PARKER& THE RUMOUR/KANSAS CITY
EDDIE& THE HOT RODS/GLORIA〜SATISFACTION

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by obinborn | 2016-09-11 01:39 | rock'n roll | Comments(0)  

ウィルコ・ジョンソンは帰っていく故郷のことを考えさせる

ウィルコとロジャーの『GOING BACK HOME』(2014年)を
LP盤で入手!リー・ブリローと喧嘩別れした後はずっと自ら歌
ってきたウィルコが、やっと本格的なヴォーカリストと出会え
たという意味で、本作はエポックだった。まるで溶接工のよう
にタフなロジャーの歌を得て、ウィルコのマシンガン・ギター
も水を得た魚のよう。二人の出会いは英MOJO誌の授賞式での
こと。むろんそれまでも互いを認識していただろうが、二人は
「お前もR&Bが好きなだけやん!」とすぐさま意気投合したら
しい。アルバムの主旨はウィルコのこれまでのキャリアを振り
返るもので、フィールグッド時代からソロまでの代表曲がリメ
イクされ、そこにウィルコ永遠のアイドルであるボブ・ディラ
ンの「窓から這い出せ」が加わる。また本作での演奏は盟友ノ
ーマン・ワット・ロイbにディラン・ハウdsと、あくまでウィ
ルコ・ジョンソン・バンド主導で録音されている。当時末期の
癌と宣告された(のちに誤診と判明)ウィルコの気持を汲めば、
まるで自分の家族のように、長年苦楽を共にした仲間と最後に
なるかもしれないレコーディングに臨んだのは当然の選択だっ
たろう。わずか2年前のこととはいえ、そんなことひとつひと
つを思い出しているうちに胸が一杯になってくる。アルバムが
Going Back Homeに始まり、All Through The Cityで終わると
いう構成が実に泣かせる。つまりドクター・フィールグッド最
初期のナンバー2曲を最初と最後に据えることで、ウィルコが
青年期を駆け抜けたフィールグッズへのオマージュになってい
るのだ。その想いが聴こえる人にはちゃんと届くことだろう。
付属されたブックレットにはウィルコとロジャーそれぞれの若
き時代の写真が添えられている。私がザ・フーの『ライヴ・ア
ット・リーズ』に夢中だった頃、あるいはフィールグッズの登
場に衝撃を受けた頃、まさか二人が21世紀になってから心を通
わせ、新たな名盤を産み落とすとは想像も出来なかった(長生
きはするものだ)片やスタジアム・ロッカー片やパブ・エリア
と、ロジャーとウィルコでは置かれた環境こそ異なるものの、
費やされた長い歳月の間にもたらされた寛容な心が、この二人
をしっかり結び付けた。まるでブリティッシュ・ロック50年の
歩みを凝縮するかような『GOING BACK HOME』は、私に帰っ
ていく場所や故郷のことを思い起こさせる。

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by obinborn | 2016-08-12 17:55 | rock'n roll | Comments(0)  

8月7日はパブロック・ナイトのリハでした!

7日は渋谷のバーTANGLEにてパブロック・ナイトの公開リハー
サルでした! TANGLEさんは今日初めてお伺いしたのですが、気
さくなみおさんとマイケルさんのお陰ですっかり打ち解け、ぼく
はビールを6杯も飲むほどでした。リハとは言えDJ諸氏は皆気合
い入りまくり!負けていられないなあ〜(笑)以下ぼくのプレイ
リストです。写真はみおさんと。

DAVE EDMUNDS/CRAWRING FROM THE WRECKAGE
DUCKS DELUXE/LOVE'S MELODY
FLAMIN' GROOVIES/BLUE TURNS TO GREY
EDDIE& THE HOTRODS/THE KIDS ARE ALRIGHT
DR.FEELGOOD/WATCH YOUR STEP
NICK LOWE&LOS STRAIGHTJACKETS/HALF A BOY& ...
GERAINT WATKINS/MOUSTIQUE
(B TO B)
DAVE EDMUNDS/SHOT OF R&B
NICK LOWE&LOS STRAIGHT JACKETS/RAGING EYES

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by obinborn | 2016-08-08 01:11 | rock'n roll | Comments(0)  

7月30日のアレックス・チルトン〜パワーポップ・ナイト


今日(30日)は渋谷の喫茶スマイルにてアレックス・チルトン
〜パワーポップのDJナイトでした。会場は立ち見でぎゅうぎゅ
うなほどの大入り!今は亡きアレックスの音楽を愛する人々が
こんなにもいることに筆者は思わず胸が一杯になってしまった。
それもこれも若い世代の人たちが流行に左右されず、REM以降
のカレッジ〜オルタナ・シーンにしっかり耳を澄ませながら、
ビッグ・スターやアレックスを辿っていった証左であろう。時
代の脚光を浴びなかった故に、アレックスはいつしかメンフィ
スのアンサング・ヒーローとなり、その音楽は若い連中へと確
実に受け継がれていったのだ。気取らない態度といい、どこか
ぶっきらぼうな佇まいといい、アレックスの音楽に常に流れて
いたのは、ごくナチュラルに自分と向き合い、他人の曲も自分
の歌と変わらずに愛でる心だったと思う。DJの皆さん、アレッ
クス愛に貫かれた素晴しいライブを繰り広げたビート・キャラ
ヴァンの四人、わざわざ集まってくださったお客様、スマイル
店主の北山さんetc…ほんま楽しかったです!帰りの電車のなか
筆者は思わず感動の涙がこぼれてきてしまいました。皆また会
おうぜ!That's Nice ! 以下私のプレイリストです。
*   *   *
ALEX CHILTON/THE OOGUM BOOGM SONG
ALEX CHILTON/LITTLE GTO
ALEX CHILTON/GUANTANAMERICA
BOXTOPS/SOUL DEEP
ALEX CHILTON/PARADISE
ALEX CHILTON/SUMMERTIME BLUES
ALEX CHILTON/LET ME GET CLOSE TO YOU
ALEX CHILTON/HOOK ME UP
ALEX CHILTON/TRAMP
ALEX CHILTON/COME BY HERE
(one more mile to go)
ALEX CHILTON/SEPTEMBER GURLS

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by obinborn | 2016-07-31 01:44 | rock'n roll | Comments(0)  

髭スワンプのボビー・ランスさん

ボビー・ランスは71年の『ファースト・ピース』は持っていま
したが、72年のセカンド『ローリン・マン』は先日大阪出張の
際やっと入手することが出来ました。前作はマスル・ショール
ズでの録音で、バリー・バケットやフッド=ホウキンズなどい
わゆるスワンパーズと合流して作られたもの(デュエイン・オ
ールマン参加説あり)でしたが、『ローリン・マン』では一転
してニューヨークのアトランティック・スタジオでのロケーシ
ョンが組まれました。前作のようにスタジオメンの力を借りる
のではなく、無名ながらも自分の仲間たちとともに録音した点
に好感が持てます。ヴァン・モリソンでいえば、彼が自分のバ
ンドで臨んだ『ヒズ・ストリート・クワイア』にも通じる”親和
力”がポイントですね。

所属レーベルもコテリオンから親会社のアトランティックへと
移籍(昇格?)し、レコード会社から期待を寄せられていた当
時の様子が伺えます。自らギターやピアノを弾くランスですが、
やはりその強烈に泥臭いヴォーカルが最大の魅力でしょう。70
年代前半は彼のようなダミ声の持ち主が、ロック・シーン全体
のダウン・トゥ・アース志向と相俟って脚光を浴びましたが、
ランスもまたそんな一人でした。前作でのこなれた名人芸と違
い、より求心力を増した歌が全編にビシバシと漲っています。
ちょっとメロウなコード感のあるLAST STOP CHANGE HAND
Sではイントロのギター・ハーモニクスから思い切り気持を持っ
ていかれますし、ゴスペル・ライクなHE PLAYED THE REALS
での希求するかのような感情表現も見事。そしてスライド・ギ
ターが炸裂するブギウギ・ロックンロールのYOU GOT TO RO
CK YOUR OWNの骨太な味わいはまさにランスの真骨頂であり、
レコーディング・スタジオの熱気が伝わってくるようです。

残念ながらランス本人の詳しい経歴は不明ですが、契約レーベ
ルから想像するに、かのジェリー・ウェクスラーに見出された
たのかもしれませんし、彼の出資協力を得てキャプリコーン・
レーベルを設立したばかりのフィル・ウォルデンの審美眼に
叶ったという可能性もあります。いずれにしても、今ではもう
滅多に出てこない”真性スワンプ”の記録がここにはあります。
マスル録音の『ファースト・ピース』のほうが人気は高いよう
ですが、そうした話題抜きに自分のバンドで勝負に出たこの
『ローリン・マン』に、ランスの男気を感じずにはいられませ
ん。個人的にはボビー・ウィットロックの『ロウ・ヴェルヴェ
ット』(これも自分のバンドでの録音)と並ぶ愛聴盤になりそ
うです。ローウェル・ジョージを彷彿させるランスの髭面も最
高!きっとこれからも髭スワンプの知られざる名盤として語り
継がれていくことでしょう。

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by obinborn | 2016-07-16 16:11 | rock'n roll | Comments(0)