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テクノロジーとアコースティックの幸せな関係のこと

今日は昨日のぶんも歩かなければならなかったので20、000歩以上を
記録しました  雨で歩けないと1kg増えてしまう そんな強迫観念は凄い
ものがあります(笑) お陰さまでウェストのクビレが復活 とくにTシャツに
なったときはそれが際立ちますね

昨年発売されてから愛聴しているのがブルース コバーンのライヴ作『
Slice O LifeーLive Solo』です もともとコバーンは70年代から大好きで
アルバムも追ってきたのですが 自分の環境の変化もあり80年辺りを境に
いつの間にか封印してしまったのです (自分の80年代はブルーズ/R&Bの
探求の旅へと費やされました)

ところで この『Slice O Life』はバンド サウンドから離れてアコースティ
ク ギターの弾き語りによるソロパフォーマンスとなっているのですが その点だけ
を取って原点回帰と謳うのはいささか早計のような気がします そう、同じ生ギター
といっても70年代と21世紀とでは響き方が明らかに異なる、、、そんな感想を
抱かざるを得なかったからです

今やアコースティック ギターといっても かつてのように外部マイクで音を拾うので
はなく マイクを内蔵してシールドでアンプリファイドするのはもはや常識ですよね
(そのことをあげつらってアンプラグドの定義を言う趣味は筆者にはありません)
昔はそれだけPAやミキサー卓に関しての認識が幼かったともいえるでしょう 

ブルース コバーンのこのソロ ライヴを丹念に聞いていくと いろいろなことに気が
付きます 内蔵マイクは会場に平等に響かせるために当然のこととしても  
ギターをループさせながら違うギターを同期させたり ディレイを駆使しなが
ら残響というコンセプトに寄り添ったりと   たとえ生ギター一本に関しても
その鳴らせ方/響かせ方は何とも多彩です

私は自分が大好きなレゲエ/ダブ音楽のことを唐突に思い起こしました
そう、レゲエのループ あるいはダブの音処理をコバーンは援用したのではないかと
今やコバーンにとって欠かせないプロデューサーのコリン ランデンの出番もまさに
ここにあるのでは?  インナースリーヴにはルーフトップのPCに向き合うランデン
の姿がありますが まさにこのライヴを象徴するようなショットでは?

むろんそうした環境は 確かなスキルを積み上げていったコバーンのギターが
あってのこと 元々ジャンゴ ラインハルトのジプシー ジャズの軽やかな語法も
出来れば ドローンを維持していくストロークを力強くグルーヴさせることにも
コバーンは確かな輪郭を描いてきました 

だからこその実感なんだなあ
テクノロジーの時代を迎えてのアコースティックの弾き語り
その指標のようなものがブルース コバーンによって示されたのです
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by obinborn | 2010-10-31 19:21 | one day i walk | Comments(0)  

セルダム シーンへの道のり

雨の土曜日 家で音楽を聞くのに最適です  こちらもどんどん更新
しましょう 今回取り上げるのは70年代のブルーグラス シーンで活躍
したセルダム シーンです 彼らが結成15周年を祝して86年の11月10日
に行ったライヴ二枚組が『Live At The Keneddy Center』(Sugar Hill 88年)
なのですが これをじっくり聞いてみましょう

もともと私がセルダム シーンのことを知ったのはオリジナル メンバーだった
ジョン スターリング(g)がリンダ ロンシュタットのアルバムに参加していたから
でした その曲はポール クラフト作の「Keep Me From Blowing Away」という
ワルツ ナンバーで 淡々としながらも祈りのような情感を込めたその曲に惚れた
からでした 所収アルバムはリンダの74年作『Heart Like A Wheel』です

さらにセルダムシーン脱退後のジョンスターリングが発表したソロ作『Long Time
Gone』(Sugar Hill 80年)のプロデュースがローウェルジョージとオウディアッシュ
ワース(J.Jケイルでお馴染みですね)だったことも私のようなロック小僧の
興味を引きつけました  ちなみにアルバム表題曲の「Long Time Gone」の
作者はあのディッキー ベッツ先生なのでした

前置きが長くなりましたがセルダムシーンのこのライヴ盤は まず選曲がとてもいい
です マールトラヴィスの「Dark As A Dungeon」もあれば 前述した「Keep Me~」
もゲストのリンダをメインヴォーカルに収録されています  ジョン フォガティの
「Big Train From Memphis」やヒルマン/パーソンズの「Wheels」の選曲
はロックファンには親しみやすいですし 後者にはパーソンズゆかりのエミルーハリス
が招かれているといった心憎さ! テキサスフォークの神話的な存在であるタウン
ズ ヴァン ザントの「If I Needed You」も何気にセレクトされています

アルバムには伝承歌「Working On A Buiding」(これまたジョン フォガティが
ブルーグラス/カントリ−アルバムで取り上げていました)もありますし リンダも
吹き込みを残したジョンコーツ「The Sweetest Gift」も登場します むろんリンダと
エミルーがヴォーカルなのでした セルダムシーンのメンバーではジョンダーフィ
のマンドリンとマイクオールドリッジのドブロが何とも言えない陰影を醸し出していき
ます

リンダもボニー レイット同様に原曲を聞く楽しみを与えてくれた人です
リンダ版を聞いてから長い歳月を経てやっとセルダムシーンが演奏してリンダが歌う
「Keep Me From Blowing Away」を聞くことが出来たのです
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by obinborn | 2010-10-30 18:07 | one day i walk | Comments(0)  

フォーク音楽本来の語彙 

今朝は台風の影響で強い雨が降っています 少々の雨ならいつもは
ウォーキングをするのですが さすがに今日は諦めました
こんな日はきっとお店も暇でしょうね 客商売の方々、同情を申し上げます(笑)

今日棚から引っ張ってきたのは『Bread&Roses:Festival Of AcousticMusic』
です ミミ ファーリナが提唱したこの非営利的な音楽組織は74年に始まったようで
すが 本作では77年の10月にバークレーのグリークシアターで行われた第一回め
のステージの模様がLP2枚に収められています

マリアマルダー ダンヒックス ジャクソンブラウン&デヴィッドリンドリー
ジェシコリンヤングといったスターたちの演奏も勿論素晴らしいのですが 
ピートシガー デイヴヴァンロンク ジョーンバエズといった顔ぶれにミミ(バエズの
妹)が引き継いだ60年代フォーク運動の骨子が滲むような気がします

ジョン ヘラルド率いるバンドが「Ramblin' Jack Elliot」を
歌った次にジャック エリオットが出て来るという心憎い演出もありますし ミッキー
ニューベリーやトム パクストンも堂々たる歌を披露します 異色の顔ぶれとしては
エジンバラ出身のボーイズ オブ ザ ロックや黒人コーラスのパースエイジョンズ
も登場します ちょうどニューポート フォーク フェスにエムザ ハル ディーンが
出ていたように こうした視点で”フォーク”を捉えるという姿勢を私は支持します
バングラデシュ コンサートでのラヴィ シャンカールなどでそうした視座を鍛えられ
たロック ファンも少なくないのではないでしょうか

リッチー ヘヴンズは例によってアコースティック グルーヴで強力に煽ります
カントリー ジョーの歌もいい  拾いものはジョイ オブ クッキング出身の
トニ ブラウン&テリー ガースウェイトかな(トニー&テリー名義のキャピトル盤も
いつか紹介しましょう) 最後は全員でゴスペル曲「Just A Closer Walk
With Thee」で大団円です

”自分のことしか歌わない”フォーク音楽は大嫌いですが 本来のフォークはこんなに
も豊かな音楽的な語彙を持っている そんなことを思い起こしてくれる懐かしいアル
バムです  こういう聞き直しも雨の日にはなかなかオツですね(笑)
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by obinborn | 2010-10-30 11:48 | one day i walk | Comments(0)  

10月29日〜自己救済へのきざはし

宮部みゆき『ブレイヴ ストーリー』を読み始めた と書いたのは9月半ばの
ことでした 上中下と全3巻(約1,500ページ)に及ぶ巨編とはいえ やっと
中編に差し掛かったというのは何とも情けない限りです

もともとぼくは流し読みが出来ないタイプで読むのはかなり遅い方です
これだと筋書きを忘れかねないような危惧もあり反省もあるのですが
いくらページを進めても頭に活字が入っていかないと納得出来ない性
なので仕方ありません(笑)

この『ブレイヴ ストーリー』はアニメ化されたことでも判るように 基本的には
10代の人のための冒険奇譚(ファンタジー)なのですが ぼくも物語の
迷宮に入り込むような楽しさを感じています

宮部さん自身が取材で「物語の楽しさを再発見していった 新しいとこ
ろは何もないファンタジーなんですが、、、」と応えています
ミステリーの騎手とも言われてきた彼女ですが「本のなかで人を殺していく
ことに本当に疲れてしまった だからこそ救済の物語を書きたかった」とも
正直に話しています 

「私はそんなにタフじゃない」とも

作家も音楽家もある一定の時間のなかでどうしても自己救済していかなけ
ればならない時期というものがあります そうした流れのなかに03年に発表
されたこの『ブレイヴ ストーリー』があったのでしょう その方向性は最新作で
ある『小暮写眞館』(10年 以前のlogで紹介済)にもくっきりと映し出されて
います

まだ読んでいる最中ですので感想は最小限に留めたいと思いますが
現実社会と二重写しとなりながら壮大な時間の旅をするワタル少年の物語
は むろん大人が読んでも示唆に富むものです

宮部さんにとっての自己救済へのきざはしだった『ブレイヴ ストーリー』が
広く読者の共感を得た
そうした方向性があればこそ書物も音楽もまっすぐに生きていくのでしょう
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by obinborn | 2010-10-29 21:42 | 文学 | Comments(0)  

俺の足元に地獄という名をした猟犬が付きまとっていくよ

秋を通り越して急に寒くなってきました 今日も10,533歩のウォーキングを
したのですが 家に戻ってきてもすぐにシャワーを浴びないところが夏との大きな
違いですね ダウンジャケットもそろそろ出番かもしれません

昨日書いた「いつか審判の日が来る〜」というのはぼくがマジに考えていること
です 善人にも悪人にも 名を成した人にも無名の人にも 死だけは誰にも平等に
いつか訪れます その際せめて曇りない自分でいたいと願うのはまっとうな人間
の感情ではないでしょうか  それ故に人によっては信仰を求め救済を願うので
しょう 人生の主題というのはおよそそういうものだと

ブルーズ音楽というのも現世の煩悩と対話するものですが 今日はポール・ジェ
レミアの白人ブルーズを聞いてみましょう ジェレミアは今なお現役でツアーを
続けている人ですが そんな彼のファースト アルバム『Just Enough』(folkways
68年)には ブルーズに対する彼のアプローチが最も純度高く表現されています

オリジナル曲に混ざるのはマディの「I Be Troubled」や ビッグ ビルの「When
The Things Go Wrong」といったナンバーです ウディ ガスリー作の「自警団員」
はライ クーダーも取り上げていましたが  フォーク リヴァイヴァルの洗礼を受けた
ジェレミア(彼は44年4月生まれです)の世代らしい選曲といえるでしょう

しかし何といっても白眉はロバート ジョンソンの「Come On In My Kitchen」と
「Hell Hound On My Trail」の2曲です  一部でプロデューサーでもあるパトリック
スカイの助演もありますが 殆どがジェレミアの弾き語りで進められるせいか
ジョンソンの曲との相性はすごくいい 2曲とも糸を引くように艶かしいボトルネック
ギターが曲に深い陰影を与えていて 思わず息を飲むほど

ジャケットには駅の待ち合い室で次の汽車を待つジェレミアの姿が映し出されてい
ます ブルーズという音楽が個人の営為を日々問い直すものであるならば 彼にとって
”駅”というメタファーは次に訪れる日々に向けての途中報告  いわばブルーズという
名の便りかもしれません

地獄という名の猟犬に恐れを抱きながら
最後の審判に畏怖しながら
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by obinborn | 2010-10-29 17:16 | one day i walk | Comments(0)  

昨日のような今日 今日のような昨日

「80年代は少なくとも私にとってはあまりいい10年間ではなかったわ」

ボニー レイットはかつてそんな発言をしたことがある
音楽ビジネスが肥大化し 華美なステージングとMTVに乗っ取られた感も
あるエイティーズ
そんな環境はコツコツと手元で音楽を温めていくタイプの彼女にとって
生きにくいものだったことだろう
自分の居場所がない そんな寂しさに襲われていたのかも知れない

レイットは殆どの場合ソングライターではないが  歌の優れた解釈者で
あり続けている

「私はジェイムズ テイラーの影の部分に惹かれます」

そんな汲み取り方が レイットらしいなと思う

孤独で為すすべもない老人に向けたジョン プラインの「モンゴメリー
から来た天使」を 今なおレイットはステージ終盤に据える

その心映えのようなもの
そのまえでぼくは何てちっぽけなんだろう
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by obinborn | 2010-10-28 20:53 | one day i walk | Comments(0)  

聞き手のなかで育つもの

日本に欧米のような優れた音楽ジャーナリズムがあるかどうかは
論議が分かれるところだが 全体の趨勢としてはカタログ志向や
データの充実が進んだ一方で 聞き手がその音楽から受けた感動
を伝えるような文章は以前より少なくなってしまったように思う

いつも言っていることだが 音楽は演奏する側と聞き手とが交信して
こそ初めて成り立つ そのような関係性に思いを馳せれば 聞き手が
イマジネイションを膨らませていくような文章がもっとあっていい
最近はもう書かれていないようだが 鈴木博文さんはそうした意味でも
音楽家としてだけでなく文章家としても優れていた

だいたいあれほど言葉が重要なディランでさえ それを語る自称評論家
連中の文章ときたら 歌詞に触れるどころか知識自慢や公演日データの
羅列ばかりだ そこには少なくとも音楽を聞いて自分をそこに投影させよう
という心の動きは見受けられない そんな意味では初めてディランを聞く
高校生のほうがよほど素直にディランを受け止めているのではないだろうか?

少し話は異なるかもしれないが 北中正和さんが書かれた『ロックが聴こえる
本105ー小説に登場するロック』(シンコーミュージック 1991年)は 本のなか
で挿入される音楽について書き留めた画期的な本だった そこに流れているのは
ロックの英雄伝説に加担するのではなく 普段の生活のなかでロックがどう聞こえ
どう受け止められているか そうした埋もれがちなことに耳を傾けようとする柔らか
な河のようなものだ

この時点でティム オブライエンの『本当の戦争の話をしよう』を取り上げている
目利きもさすがだが やはりそれ以上に伝わってくるのは音楽も映画も小説も
表現という同じ地平に立っているという当たり前だが忘れられがちな認識である
そして感情を抑えた北中さんらしい文体が かえって読者の想像力を育んでいく
こともありがたい

これがかつて東京新聞に連載されていたという事実にも感銘を受けたりして

マニアの視点はやせ細っていく
しかし音楽の流れそのものに耳を傾ける者は
やがて大河へと辿り着いていくだろう
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by obinborn | 2010-10-28 17:45 | rock'n roll | Comments(0)  

かつて私は

皆さんご存じのようにJAL(日本航空)の大幅な人員整理が始まっています
あれだけ土地売買などで乱脈経営を続けながらそのツケをリストラで埋めよう
とするのですから従業員はたまったものではないでしょう

先日のパイロットの削減に続いて今回はスチュワーデス(アテンダント)に対する
自主退職の勧告です ある操縦士が「経験がものを言うパイロットを年齢が高い
順に切っていくのはいかがなものか?  」とコメントしていましたが 今回の客室
乗務員に対するリストラでも「歳を喰ったアテンダントのサーヴィスをお客さまは
喜ぶでしょうか? 」などというあからさまなハラスメントが行われているようです

見方によっては将来に伸びる人材を残すという詭弁も成り立つのでしょうが
数あるJALの組合のなかでも独立系の組合員の人数と今回会社が目標とする
リストラ要員の数は一致するようで そんな観点からも透けて見えてくるものは
少なくありません こんな状況ではこの会社の飛行機には乗りたくないと思う人が
出てきても不思議ではないでしょう 御巣鷹山の悲劇が頭をかすめます

そもそも人が人をリストラすることに関して 「じゃあ自分はどうなの? 」
という自問をするのが人の道です にもかかわらずそれをしない輩がいかに多い
ことでしょう もっとも究極的にそこら辺の問題を考えるとその人は退職するか自殺
するしかありませんので いわゆるオーディナリィ ピープル(普通の人々)は 
心に鎧をかけながら 喜怒哀楽を表に現すことなく日々を過ごしているのかもしれ
ません

ハル アシュビー監督による映画『帰郷』は ベトナムから帰還した兵士の入水自殺
でエンドロールを迎えます 故郷で自分を待っていたはずのガールフレンドを友人に
寝取られ(その男にも彼の真実があります)た果ての選択です その場面で流れてくる
のがティム バックレーの「Once I Was」だったのです  私はいつの間にか自殺も
出来ない単なるおっさんになってしまいましたが せめてこの映画やドラッグ渦で死ん
でいったティム バックレーのことは覚えていようと思っています

   ぼくはかつて兵士だった
   見知らぬ土地できみを思いながら戦闘に加わった
   
   ぼくはかつて猟師だった
   きみに新鮮な肉を届けたいと思って猟に出た

   ぼくはかつて恋人だった
   きみの瞳に何かを探しながら
   でも それはやがて嘘へとすり替わっていった

   ときどき恐れとともに ぼくは思い起こすのさ
   きみはぼくのことを覚えているのかな? と

   ティム バックレー「Once I Was」  (1967年)
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by obinborn | 2010-10-28 14:29 | one day i walk | Comments(4)  

ビート詩人の跡地を求めて

今日のウォーキングは10,459歩とやや軽めに仕上げました
ジムで体を鍛えている佐野元春さんのまえでは私の歩きなど
まだまだ甘いものですが もはや毎日の歩きは思索のための
人生の主題となりつつあります

そもそも限りない欲望を呑み込んでいくような物質社会に踊らされている
のが私たちの現実です  音楽にしてもネガティヴなことはあまり言いたく
ありませんが 100人の新人が毎年デビューするとして そのすべてが価値
ある成果を収め 記憶に留まるなんていうことはありません 
宣伝を鵜呑みにするのではなく 自分の耳で本物の匂いを嗅ぎ分けていき
ましょう  私にも必要なものとそうではないものがだんだん見えてきました

ヴァン モリソンの詞作にも 現代文明への警告 歴代の詩人や作家への敬意
そして自然や沈黙との対話がよく出てきますが 彼のそんな思索の足がかり
となった一枚が73年の『苦闘のハイウェイ』でした これといったヒット曲の収録
もなくかなり地味な仕上がりで 私自身忘れていたようなアルバムだったの
ですが 先日DJの際オオツボさんが回していたとき 認識を新たにした次第です

全体がジャズのスモールコンボを意識した4ビートでゆったりと進行していきます
そのビートのさざ波のなかをじっくりと噛み締めるように歌う彼のスタイルの萌芽
が感じ取れます  こういう展開が3分間ポップスの市場原理と相容れるはずは
ありません 結果ゆっくりとフロウしていく長尺のナンバーが多くなってきた時期で
もありました  ヴァンといえば80年代に引退説が囁かれましたが 資本主義の
ルートにスピリチュアルなものを乗せていく矛盾が恐らく彼のなかで飽和点に達し
てしまった故だったのでしょう

ジョニー コピンが後年カヴァーした「Warm Love」のような可愛らしく軽快な曲も
いいし 「ぼくたちは世界大戦が終わってから生まれた」と歌い出される「Wild Chil
dren」にもヴァンの世代が濃密に映し出されています あるいは「The Great Dece
ption」での欺瞞ロッカーや宗教への告発は 世俗を嫌うヴァンの姿と重なっていきます

最大の聞き物は10分を超える「Autumn Song」でしょうか
まさにゆっくりと歩いていくようなテンポで秋の気配を滲ませていくこの曲は
期せずして この季節の思索に欠かせない私のベスト トラックとなりました
ヴァンと掛け合っていくジョン プラタニアのギターも素晴らしいの一言

このアルバムをリリースしたあと ヴァンは初期のキャリアを凝縮した2枚組の
ライヴ盤を経て あの名作『ヴィードン フリース』を生み出していきますが
そんな立ち位置から振り返ってみても この『苦闘のハイウェイ』はもっと語られる
べき作品かもしれません 

ジャケットには牛や鳥をあしらった大地が描かれ 老人が宙を仰いでいます
また左側にいる姿を服で隠した人間も何やら暗示と警句に満ちているようです


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by obinborn | 2010-10-27 19:04 | one day i walk | Comments(2)  

フリーフロウランチ 10周年おめでとうございます!

昨日は佐野元春の帰りに池袋のフリーフロウランチへ行ってきました
お店は10周年記念のプライスダウンウィーク最終日ということもあって
超満員 こういう雰囲気のときは一人でいると結構辛いものがありますが
幸いザディコキックスのお二方、ヨシタケさんと西田さんがいらっしゃった
ので思わず三人でテーブルを囲み 音楽談義に花を咲かせたのでした

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ヨシタケさんと西田さん 
「オビさんの周りにはきれいな(心の)人が集まっていますね」と評価して
いただきました いえいえそんなそんな^0^

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店主の深田さんとオビン
10周年おめでとうございます! 以前から「せめて10年はやらなきゃ!」
とおっしゃっていたのが印象に残っています

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音楽バーというとどうしてもマニアの巣窟のようになりがちですが
フリーフロウは 明るい雰囲気と接客業の原点である作法そして料理の美味しさ
で定評を得てきました  来月にはこの店ゆかりのバンドを束ねたアニヴァーサリー
ライヴが江古田のBuddyで行われます こちらも楽しみですね
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by obinborn | 2010-10-27 14:55 | rock'n roll | Comments(0)