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12月31日

今年を振り返る

ある意味 CDを買う ライヴに出掛けるといったこと以上に
読書(大衆文学)へと舵を取ったことが大きなひとつだった 

DJも数多く各地でやらせていただいた
そしてやはり何といっても8キロ減量したことが大きかった

情報はなるべく遮断した
それらはまったく何の意味もなかった
ウォーキングをしていると  街から音楽が聴こえてきた

佐野元春が年齢に見合う思索的な成果を出していること
東京ローカル・ホンクが何度も何度も演奏の瞬間に奇跡を見せたこと
中村まりが今年もまた視界をすくっと押し広げてみせたこと

それらが収穫なのだと思った

整理というより 単に積み直しただけとの声もありそうですが、、、(苦笑)


来日公演やライナーノーツを含めて とても大きなものをこの二人から
授かりました
CDと同じ内容のDVDによる2枚組

ぼくは音だけで気持ちが一杯になってしまい まだ映像の方を見ていません
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by obinborn | 2010-12-31 01:16 | one day i walk | Comments(0)  

今年読んだ大衆小説50冊

1 森絵都 「つきのふね」

2 角田光代「森に眠る魚」

3 伊坂幸太郎「オーデュポンの祈り」

4佐々木譲「ユニット」

5 吉田修一「横道世之介」

6川上弘美「古道具 中野商店」

7 蓮見圭一「八月十五日の夜会」

8 川上弘美「はじめての文学」(自選アンソロジー)

9 保坂和志「残響」

10 沢木耕太郎「血の味」

11&12 佐々木譲「警官の血」(上)(下)

13 桐野夏生「IN」

14天童竜太「孤独の歌声」

15天童竜太「あふれた愛」

16 川上弘美「溺レる」

17 佐々木譲「制服捜査」

18 佐々木譲「廃墟に乞う」

19 20 21 高村薫「レディジョーカー」(上)(中)(下)

22 (取り上げる価値を感じませんでした)

23 村上春樹「1Q84」book 3

24 白石一文「ほかならぬ人へ」

25 井上荒野「切羽へ」

26小川洋子「はじめての文学」(自選アンソロジー)

27 28 高村薫「マークスの山」(上)(下)

29 佐々木譲「暴雪圏」

30 佐々木譲「北帰行」

31角田光代「三月の招待状」

32小川洋子「夜明けの縁を彷徨う人々」

33 奥田英朗「家日和」

34村上春樹「神の子どもたちはみな踊る」(再読)

35 36 高村薫「照柿」(上)(下)

37 宮部みゆき「小暮写眞館」☆☆☆☆☆

38 川上弘美「おめでとう」

39佐々木譲「夜を急ぐ者よ」

40   41浅田次郎「終わらざる夏」(上)(下)☆☆☆☆☆

42  43 44 宮部みゆき「ブレイヴストーリー」(上)(中)(下)☆☆☆☆☆

45 角田光代「密やかな楽園」☆☆☆☆☆

46角田光代「ツリーハウス」☆☆☆☆☆

47中島京子「小さいおうち」☆☆☆☆☆

48 (取り上げる価値を感じませんでした)

49 50 山崎豊子「運命の人」(一)(二)


〜雑感〜

3月にアレックス・チルトンが死んだ 押し詰まった暮れに牛心隊長が死んだ
本当の意味でオルタナティヴであり続けた魂のかけらが矢のように去っていった
そんな1年だったと思う

サブカルが総じて崩れ 何ら実態のない”主流”が跋扈していく
そんな喪失感のなか 少なくとも自分は何をどう感じたのか    
そのことを語りかけてくれたのが上記の48冊だ

音楽雑誌でさえ状況論に終始しているなか
ジョージ・カックルさんの文章はまるで灯火のように私を励ましてくれた

どうして人々は最初に聞いたときのような気持ちで音楽を 本を 映画を語らない
のだろう?  (要は素直ではないのだ)

「小暮写眞館」も「ツリーハウス」も自分を語ることで他人と痛みを共有していく
そんな視点の宿り方は いつも私に言葉を運び込んでくる
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by obinborn | 2010-12-30 17:21 | 文学 | Comments(0)  

12月30日

今日もアルバイトだったが 帰宅後昨日に続いて大掃除をしたら
こんな額縁が出てきました

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イアン マクレガンがボビー ウーマックと笑みを交わすの図
89年の5月に マックがデヴィッド リンドレー&エル オーXの
メンバーとして来日した時 追っかけをしてサインを貰ったのでした

写真のデータは明らかにされていないが マックの髪型などから
恐らくロン ウッドの『ナウ ルック』(75年)セッション時のレセプションかと
思われる

美しい 美し過ぎる
無鉄砲なロックンロールがソウル音楽というしなやかな翼と出会いながら
音楽的な収穫を生み出していった頃の記録

マックのサインにはこう書かれている

「ボビー、ぼくたちは何で笑っていたんだっけ!?」
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by obinborn | 2010-12-30 16:50 | rock'n roll | Comments(0)  

ウー・ララ

若いときは年寄りの言うことなんか 鼻で笑ってきた

ああ、でも今のぼくが解っていることを

ぼくがもっと若い頃知っていたらなあと思うよ


ねえ、お若いの

愛というのは盲目なんだ お前は優し過ぎるけれど

それを利用されないように

素敵なカンカンショウはお前をとりこにするけれど

バックステージではいつも現実に引き戻される

だから ぼくのように学び取りなさい


ああ、今のぼくが知っていることを

もっと若い頃に解っていたらなあ

(ロン・ウッド&ロニー・レイン「ウー・ ララ」)
フェイシズ73年の最終作『ウー・ララ』のB面ラストに収録

誰もが”若気の至り”に顔を赤らめることがあると思うが そんな気持ちを
自分に語りかけるのと同時に 若者を諭すという手法を用いている
いやはや 若者は防弾チョッキを着ている 傷の手当をしなくても構わない
と思うばかりで それほど賢くはないのだ

かつて愛と呼ばれたものが”すれっからし”へとすり変わっていく
信じるに値すると思えた感情がいつか目減りしていく
それを受け入れるのかどうかをこの歌の主人公は自問する
救いはまるでハミングのようなウーララ〜という可愛らしいリフレインで
これは「ケセラ・ケラ」(何とかなるさ)同様の道筋を示すかのようだ

華やかなロックンロール ライフに別れを告げるようにフェイシズから離脱し
蒔を焚き畑を耕すカントリー ライフに安息を見出していったロニー・レイン
そんな彼の歩みと二重映しともなる名曲である

パーティはいつか終わる
気怠い朝がまたやって来る
薄光のなか 彼はまた歩き始める
ウーララ〜と口ずさみながら
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by obinborn | 2010-12-29 17:52 | rock'n roll | Comments(0)  

12月28日

山崎豊子『運命の人』(二)を読了 今年50冊め

山崎はアンチ・ヒーローというか社会とまじめに対峙しようと思えば
思うほど規範から外れていくようなアウトローたちを描くのが上手い
今回の『運命の人』も正義感に満ちた新聞記者が沖縄返還の裏で
アメリカと密約された文書をスクープしたことが発端となって当局か
ら逮捕されるというのが 前半の主なあらすじだ

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話変わって タワレコとワーナーの合同企画”Tower To The People"
でロックの名盤が求めやすい価格で年末にリリースされている

そのなかの一枚でボニー・レイットの『ストリートライツ』(74年)の
解説原稿を書かせていただいた デヴィッド・スピノザやスティーヴ・
ガッドなどニューヨークのスタジオ・ミュージシャンとともに録音に臨
んだこのアルバム 必ずしも世評は好意的ではなかったように記憶
するが ぼくは好きな作品である

ちょうど時期的にもジェイムズ・テイラーがNYに出向きスピノザらと
『ウォーキング・マン』(ぼくの生活そのもの?!)で新境地を打ち出し
た時期と重なる ライナーではそこら辺の成果と課題についても書い
てみた

そういえば本作にはJTの「レイニー・デイ・マン」が収録されている
この曲をJTのトリビュート ライヴで歌うレイットの姿も印象的で
彼女はこう言いながら歌い始めるのだ

「私はジェイムズの影の部分に惹かれるの」

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余談だが レイットの現行CDでは『ギヴ・イット・アップ』(72年)と
『テイキン・マイ・タイム』(73年)のライナーを書いていますので
よろしかったら 

本日はアルバム・レビュー用の短評を6枚ほど書いて送信した
一枚のアルバムに対して250字余りの短い文章では 何を書き
何を削ぎ落とすのか あるいは文体のリズムがいかに大事かを
改めて考えさせられる

ちなみに本日は以下の作品について

ザ バンド『南十字星』
ネッド ドヒニー『ファースト』
ライ クーダー『チキン スキン ミュージック』
バッファロー スプリングフィールド『アゲイン』
CSN&Y『4 ウェイ ストリート』
ザ シティ『夢語り』

言わずもがなの傑作ばかりですが だからこそいきなりPCに向
かうのではなく まずは手書きの原稿用紙で書いてみました
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by obinborn | 2010-12-29 00:46 | one day i walk | Comments(1)  

12月27日

25日を過ぎるとさっと引くようにクリスマスツリーを片付ける街並
この国はどこまでも無宗教なんだなあ〜と思う
うちのblogの壁紙は意地になって正月過ぎまでツリーです(笑)

本日のウォーキングは17,437歩
5月から始めて220日余り 休んだ日は大雨が降ったわずか2日のみ

やはりメタポは病気だという認識がまだまだ浸透していないのだろう
たとえ誤解(「いいよなオビは時間があって」の類)されても
他ならぬ自分自身が医者からキツいことを言われ 苦しみながら(註1)
少しずつ克服してきたのだから
御同輩を励ますためにも 日々の成果を披瀝していきたい

信念と運動  体は正直だ

註1 「苦しみながら」
35度の猛暑のなか90分の歩行を続ける苦しみ 
満たされない食欲の苦しみ そして何も変わらないのではという疑念
それらすべてがオビンの秘めたる意志のもと 鮮やかに統制されていった
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by obinborn | 2010-12-27 19:24 | one day i walk | Comments(2)  

12月26日

今日の歩きは10,506
本当は原稿を進めなければいけないのですが 山崎豊子『運命の人』
が面白く 第2巻を読み進めてしまいました 第3巻の文庫化は来年1月
なので読みたくとも読めないのが残念ですけれど

さて たまには宣伝を(笑)

12月20日にクリンクより発売された『マイク・フィニガン』(76年)と
『スティーヴ・ヌーナン』(68年)の解説原稿を書かせていただきました

フィニガンはデイヴ メイソンの黄金期を支えた鍵盤奏者であり 本作は
マスル ショールズで録音された彼の初ソロ作 ヴォーカリストとしての
彼の魅力が十全に発揮された名盤です 古くはジミ ヘンドリクスの
『エレクトリック レディランド』にも参加していたセッション マンとして記憶
されている方も少なくないでしょう  そんな彼が巨匠ジェリー ウェクスラー
のプロデュースの元で吹き込んだ本作 スワンプロック ファンには言わずも
がなのマスト アイテムです (原盤ワーナーブラザーズ)

ヌーナンは60年代半ばから南カリフォルニアのフォーク サーキットを歩ん
だ人で 彼と仲間のグレッグ コープランドは ジャクソン ブラウンに大きな
影響を与えたことでよく知られています 本作はジャクソン初期の名曲「
シャドウドリームソング」を収録 トム ラッシュのヴァージョンがよく知られ
ていますが ヌーナンの解釈やアレンジはジャクソンの友人ならではの魅力
があり フォークからSSWへと移行していく時代の貴重なドキュメントとして
も忘れ難い作品です (原盤エレクトラ)

今年も残り少なくなりました

信じる音楽家たちをしっかりと見守っていくこと
時流(メインストリーム)には迎合しないこと
そんなことを大切にしながらこれからも書いていければな と思っています
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by obinborn | 2010-12-26 23:30 | one day i walk | Comments(0)  

12月25日

早朝バイトを終えると早速ウォーキングを開始した
今日の成果は15,380歩
本も山崎豊子『運命の人』(1)を読了 今年49冊め

近所の中古レコ店で『メンフィス  サウンド オリジナル コレクションvol.1』
(キング 75年)を1,500円で購入
当時 日キングがロンドン レーベル経由で配給していたハイ サウンドの
コンピレイションLPだ

これが素晴らしい!

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ウィリー ミッチェルのHi-Soundといえば当時はアル グリーンが人気!
オーティスクレイやOV.ライトといったディープなシンガーがやっと 紹介され
さらにドンブライアントやその妻君アンピーブルズらの単独LPが組まれる
ことで 日本のサザーン ソウル ファンは飛躍的に増大していったのである

このコンピでは さらにクワイエット エレガンスやジョージ ジャクソン
そしてフィリップ ミッチェルら更にマイナーな存在が紹介されていった
オビンも当時はここまで聞き込むことは出来ず 懐かしさとともに今回やっと
購入したわけ

事実 収録曲でぼくが知っていたのはアン ピーブルズ”a love vibration"のみ
けれど 冒頭のクワイエット エレガンスが歌うジェイムズ カーの持ち歌
”you've got my mind messed up"にノックアウトされてしまった!
カーのgoldwax吹き込みより 柔和な歌と演奏に親近感が増していく

ハイ サウンドの良さは 抑制が効いたリズム セクションの魅力に尽きる
アル グリーンのような優しめの声質を持ったシンガーとも相性がいいのは
そのためかなあ〜

きっと現行のCDではもっと充実したコンピが組まれているのだろうけれど
それを判断する耳をぼくは持っていないし 曲数が多過ぎるCDのシーク
エンスよりは ずっと曲を把握できるシングル盤やLP盤に
より愛着は湧いていくのでした
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by obinborn | 2010-12-25 19:16 | one day i walk | Comments(4)  

苦みや失意あるいは視野があるクリスマス・ソングについて

うまくやれる人も  しくじっている人も
 
お金がない人も ありあまっている人も

教えている人も 教えられている人も

平和な街も 闘っている街も

メリー クリスマス

(佐野元春「クリスマス タイム イン ブルー」)

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”個人的なこと”に執着していては けっして見えてこないものを
佐野はすくっと拾い上げ 鮮やかなスケイプのなかへと溶け込ませていく
クリスマスのときも”ブルー”(憂鬱)であるという表題が
世界に対する彼の想像力を端的に物語っている

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こちらはポーグス”fairytale of New York"(87年)の12インチから

ゲイトフォールド ジャケットを開けると歌詞にちなんでニューヨークの
こんな写真が収められていた

若い頃のカップルの無邪気なクリスマスを回想するのが一番の歌詞
二番ではもはや老いてしまい 互いをやりこめる夫婦の樣が 変わるテ
ンポとともに対比され 曲という時間のなかで過去と現在が交錯していく

「あなたはハンサムだったわ!」
「おまえだって可愛かったのに!」

という夫婦喧嘩を実際の男女ヴォーカルでコミカルに描き出すのだが
「〜だった」 「〜だったのに」 という過去形がほろ苦く迫る

歳月とともに”すれっからし”になってしまった夢あるいは失意が 
この歌にきれいごとだけではないリアリティを与えている

またアイルランド出身のシェイン マガウワンがニューヨークをテーマとする
ことで 歌の主人公が移民としてこの街にやってきたことを仄めかすような
広がりを感じさせる
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by obinborn | 2010-12-23 16:46 | rock'n roll | Comments(3)  

12月23日

年末年始は久しぶりに原稿なしで過ごせるかな? なんて甘く考えていたら
神はそう許してくれませんでした
読書もキリのいい50冊を目指していたのですが 今年はどうやら48冊で
終わってしまいそうです

原稿を書くこと自体に関してぼくはまったく苦痛ではなくむしろ楽しいくらい
なのですが 気持ちが乗らないとなかなか書き始められないというクセがある
のです 同業の小松崎健郎さん(元気かな?)なんかも間違いなくそんなタイプ
であり ぼくらはお互いに傷を舐め合っています(笑)

まして好きだった牛心隊長が死んでしまったとなればなおさらです
彼について書くのならまだしも 全然違う音楽についての文章なのですから
ほんと一苦労、、、なのです

それにしても もはやザッパもビーフハートもいないとなると
つくずくロックをめぐる歴史が二回りくらい幕を閉じてしまったような寂しさに襲わ
れてしまいます

ロックの精神論を振りかざすわけじゃないけど それでもロック音楽の根幹を成す
のは”反骨精神”だとぼくは思っています
それを商業主義との折り合いのなかで実現させなければならないところに苦みも
矛盾もあるのですが そうした意味ではザッパも隊長も大いに健闘したといえるの
ではないでしょうか?

もう一点この二人に共通するのはユーモアの感覚です

プログレやジャズ顔負けの高度なインプロ演奏をしつつも耽美的になったり
自家撞着になったりするのではなく ときに下世話なネタまで仕込むあたりに
ぼくはザッパの本質があると思います(そんな意味ではやはりアメリカの人だ
よなあ〜)

ディランそっくりのハーモニカで彼のことを揶揄したこともあるザッパですが
ディランといえども有名になるにつれて”権力”とか”象徴”になっていくことが
ザッパはきっと許せなかったのだと思います

彼らの偉業のまえでは ぼくなど取るに足らない存在に過ぎませんが
自分の好きなものを脅かすような権力や権威には
これからもしっかりと NO ! という意思表示をしていこうと思います

自分が自分であり続けることはすなわち 自分が他の誰かになってはいけない
ということと同義です

まるでバニラアイスのように甘い愛やら平和やらが誰にとって都合のいい
お題目なのか?
その裏に隠蔽されているものの恐ろしさはどれほどのものだろう?

そんなことを思うたびに 強い気持ちでいなければと思うオビンでした
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by obinborn | 2010-12-23 13:17 | rock'n roll | Comments(2)