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8月31日

かつて闘士だったと名乗るような男を信用してはいけない
69年という革命の季節を遠巻きに見ていたぼくは今もそう実感する
かつての学園闘士とやらが今やどんなにぶざまな姿になっているかは
きみたちがよく知っていることだろう

あの時代を煩悶することのないフォーク歌手や自己誇示的なロッカーが何を言おうが
ぼくはただ石を投げるだけだ(60年代をネタにトーク・ショウなどやって
いるフォーク・シンガーなど死んでしまえ!)

北方謙三『あれは幻の旗だったのか』(双葉社 84年)を読了
今年22冊め

ある意味徹底して劇画的に学園闘争を突き放している

活動家がGIを拉致し そのGIが安保反対デモの集会に発砲する
そのGIを活動家が刺殺することで デモ学生や群衆に明確な動機付けを
与える そうした青写真自体には暗い誘惑が確かにある

そこからの微妙なズレ 闘争に加担した各人の位相の違いを本書は描く
何故なら それが小説の役割だからだ

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by obinborn | 2011-08-31 19:44 | 文学 | Comments(0)  

8月29日

以前まだ会社勤めをしていた頃 書類の年号を西暦にするか元号に
するかで上司と意見が分かれたことがある
その上司に悪意はなく 彼にとって慣れ親しんだ元号を選択したに過ぎない
のだろうが ぼくはその時 世の中にはいろいろな人がいるなあ と途方に暮れる
ような気持ちになったものだ

後日 その人はこうも言い放った「小説って何かの役に立つの?」

上司との齟齬はもう決定的だった

*           *           *

北方謙三『烈日』(85年 講談社)を読了 今年21冊め

仕事場を離れて街を歩いていく時 仮面が剥がれていく
そんな描写も出て来るが それもまたぼくがかつて苦々しくもリアルに感じたことだった

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by obinborn | 2011-08-29 18:07 | 文学 | Comments(0)  

8月28日

先日necoチャンネルで岩井俊二監督の映画『loveletter』(95年)を
放映していたので 思わず見入ってしまった

個人の記憶がいつしか他者のそれへと辿り着き 不思議な結び目を作る
そんな記憶の幸福な連鎖が すくっと羽根を伸ばしていく

映像にしか出来ないことをしっかり描いている作品だとも思う

そう、たとえば藤井樹が冬の街角で何かを振り返る場面などはどうだろう

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by obinborn | 2011-08-28 20:31 | one day i walk | Comments(0)  

8月27日

昨年の秋以来 久し振りに山田Cakeくんと会う

その夜いっしょにコスモポリタン・カウボーイズを観ることは以前から
決まっていたのだが せっかくだったらライヴまえに一杯やらない?
という流れになり 池袋の立ち飲み屋でしばし歓談を

その店のBGMがまたまた素晴らしく ビートルズの「for you blue」
「dig a pony」そして「old brown shoe」などがガンガン流れてきて
互いにこの頃のビートルズはアーシーでたまらんとか 解散があと1、2年
遅かったなら マスル・ショールズでレコーディングしていたかもね
などとなどと

その後池袋のフリー・フロウで久し振りにコスモポリタン・カウボーイズを

ハル宮沢(ex:渋さ知らズ)のダシの効いたヴォーカルや腰の座ったエレク
トリック・ギターを聞いていると スタイルから音楽に入ることの馬鹿らしさが
逆に見えてくる

この日は多田葉子(バリトン・サックス、クラリネットほか)が 他のセッション
仕事のため参加出来なかったのは残念だったが 最近活動をともにしている
間所直哉さんのコンガやカウベルがいい感じに収まる 彼の演奏には先日
ザディコキックスのゲスト・プレイヤーとして接したばかり

それにしてもピーター・ポール&マリーの「悲しみのジェット・プレイン」
(leaving on a jet plane)を強力なバンド・サウンドへと生まれ変わらせる
などカウボーイズの奔放さは相変わらず
この日の2ステージを宮沢がストラトキャスター一本で通したことも
押しのニュアンスをより強めていたように思う

頭の固いフォーク・ファンや彼らの出演を拒む偏狭なライヴ・ハウス
あるいはルー・リードの『メタル・マシーン・ミュージック』に0点を付けるような
”感性”には ハル宮沢の繊細過ぎる心の揺れなどけっして理解出来ないことだろう

しかし ニール・ヤングにも通じるその”音の虹”をぼくは見渡すことが出来る
くっきりと 鮮やかに


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写真中央はcakeくんから頂いた秋田名物”いぶりハタハタ”
今日は八月最後の日曜
今晩のアテはこれで決まりだな(笑)
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by obinborn | 2011-08-28 10:17 | rock'n roll | Comments(0)  

8月23日

「ああ、この人は聞き上手だな」と思わせる人がたまにいる

細部にことさら固執するのではなく 相手の話を聞きながら
その流れに沿いつつ次第に核心へと向かっていくような

これまで何十人かの音楽家の方々にインタビューをさせていただいてきたけれど
果たして自分が”聞き上手”だったか? と問われると いささか心もとない

とくに一介のライターとしてまだ駆け出しだった頃などは
自分が用意した質問を相手にぶつけるだけでいっぱいいっぱいだった
それは少なくとも会話とか交歓とか呼べるものではなかった
自分の側だけに都合がいいものを いい取材だったとは人は言ってくれない

それでも何とかがんばっていければと思うのは
相手が心を開いてくれたと思える瞬間を感じることがぼくにもあるからだ

生まれた土地も育った時代や環境も異なる者どうしが それでも音楽を共通項
として交差する

素敵じゃないか!

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by obinborn | 2011-08-23 17:24 | one day i walk | Comments(2)  

8月22日

今日は同居人の誕生日だったので 家でしばしDJ会を

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ザ・バンドの”ブラウン・アルバム”に始まり  ジェイムズ・テイラー
60年代のビーチ・ボーイズ  そしてスティーヴ・ウインウッドに
ヴァン・モリソンの『ムーンダンス』などなど

長らく一緒に暮らしていると どうやら音楽の好みまで似てくるものらしい

そのなかでも彼女に一番聞きたいと言われたのが
ラスカルズの「A Ray Of Hope」(希望の光)だった
混迷する時代の真っ只中 69年に生まれたこの曲は 次のように歌い出されていく

「もし本当に望めば ぼくたちは本物のソウルを勝ち得ることが出来る
あなたの最終コーナーに愛を置き 羽ばたかせなさい 憎しみ合うことに溺れるのは
容易いけれども 一線を引くべきだと思うよ  ときに人は間違った方向に向かうから
神様の許しなるものの下でね」

志を持って生き続けていくのは本当に難しい

ときにぼく自身が 数々の冷笑や薄笑いに打ち負かされそうだ
ときにあなた自身も 人を値踏みするような薄暗い誘惑に負けそうになる

フェリックス・キャヴァリエのヴォーカルは力強く
この作品が生まれてから40年以上経った今でも 輝きを失わない

背筋を伸ばさなきゃ と思うのはいつもこんな時だ

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by obinborn | 2011-08-23 01:35 | rock'n roll | Comments(0)  

8月21日

薄暗いバーの お日様とは無縁のような片隅に
年老いた一人の男がいた

彼の心はウィスキーと友だちなのさ
ぼろぼろになって 椅子に深く身を沈めながら

ぼくは彼の傍らへと歩いていった
驚くべきことに その老人は立ち上がり「ここに来なさい」と言った
そんなわずかの時間が ぼくには長い旅のように思えたよ

老人は言った 
「きみはまだ若くて こんな場所は初めてのようだね
迷惑かもしれないが 少しばかり私の話を聞いておくれ」

「その昔 父と子が一緒に暮らしていた でも次第にいたたまれなくなって
離ればなれになったのさ」

ぼくと老人とのわずかな時間
少しだけぼくは彼の気持ちがわかったのかな

いつの日か 太陽が差し込みますように
ぼくのために
彼のために

(ジェイムズ・テイラー「オンリー・フォー・ミー」)

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by obinborn | 2011-08-21 21:42 | one day i walk | Comments(2)  

8月20日

大井町のグルーヴァーズにてDJ会

文屋さんに新井さんという濃ゆ〜いソウル・マスターお二人に加え
”天才スクラッチャー”アライくんがまたもや大活躍!
皆様 ありがとうございました

私はその陰で ひっそりとニック・ロウを回すのだった^0^

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1 Shake That Rat
2 Born A Woman
3 Heart Of The City
4 So It Goes
5 Dose Of You
6 Rocky Road
7Heart( Rockpile Ver.)
8Tanque-Ray
9 Half A Boy, Half A Man
10 Ragin' Eyes
11 7 Nights To Rock
12 Baby, It's You (w/Elvis Costtelo)
13 Breakaway
14 Long Walk Back
15 Trying To Live My Life Without You(Brinsley's)
16 When I Write A Book
17 I Knew The Bride(When She Used To Rock N Roll)
18(What's So Funny 'bout) Peace,Love And Understanding(w/Costtelo)
19 The Rose Of England
20 Cruel To Be Kind
21Poor Side Of Town

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「ぼくが60年代に多くの時間とエネルギーを注いできたあのヒッピーっていう奴は
すっかり古臭くナンセンスなものになっていた その姿が廃れていくのをぼくは
ずっと見てきたしね すると頭のなかでフレーズが閃いた!そう年老いたどこ
かのヒッピーが語るという設定でね ”今すべてが変わろうとしている きみは笑うか
も知れないが だからといって平和と愛と理解のどこが一体可笑しいんだい?”
すごいタイトルを思い付いたもんさ そしてリックにはジュディ・シルの『jesus was
closs maker』を少しばかり皮肉っぽく拝借したのさ 勿論平和と愛っていうのは
基本的にはいいものだと思っているよ でも昔の夢はいつか終わった あの時のぼく
はまさにひとりぽっちで荒れ地に立っていたようなものさ 何かに気が付くためにね
そんな意味でこの『(What's So Funny About) Peace Love And Understandin
g』は まさしくぼくにとって目覚めの歌だったんだ」(ニック・ロウ/ブリンズリー・
シュウォーツが解散した74年に)
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by obinborn | 2011-08-21 01:02 | one day i walk | Comments(4)  

8月19日

”弦克”こと木下弦二と佐藤克彦のデュオ・ライヴを
大井町のグルーヴァーズにて

内山田洋とクール・ファイヴの「東京砂漠」を歌い終えると
自分たちのバンドである東京ローカル・ホンクの「昼休み」へと
場面転換も鮮やかにすぐさま雪崩れ込む
そんな弦二の心の動きのようなものが直に伝わってくる2時間だった

ある日たまたま入った喫茶店で流れてきた歌謡曲の歌詞にどきりとする
そんな体験は多かれ少なかれ誰にでもあると思うが
弦二もまた日本語のそうした広がりの不思議さ・面白さに
自身のソングライティングの作法を重ね合わせているかのようだ

佐藤克彦のラップ・スティール、マンドリン、ギターも
弦二のそうした揺れを後押しする

それにしても弦二の歌い方はいつだって素直だ
余分な装飾を排してただただ澄み渡っていくその声は
いつしか聞き手の影となり写し絵となっていく

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by obinborn | 2011-08-20 01:08 | one day i walk | Comments(0)  

8月16日

中村まりの取材を 新宿にて

初めて彼女のライヴに接したのは 09年の10月のことだった
それ以来 中村はいつもぼくの音楽的な関心ごとの中心にいたのだが
今日はおよそ90分に亘って自ら語り尽くしてくれた

インタビューのプライオリティに関して中村がどう考えているのかは
あえて訊かなかったものの
今回のような個人webへの掲載を目的とした取材に
快く応じてくれたことにも感謝せずにはいられない

お盆でいつもより人ごみは少なかったとはいえ
それでも喧騒に塗れた街のなかで
この”百年に一度の声”は静かに語り始めた

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(写真は昨年の初秋 ジェフ&エイモス公演が行われた渋谷クアトロにて)
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by obinborn | 2011-08-17 04:51 | 中村まり | Comments(2)