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ロング・インタヴュー、中原由貴(其の一)

 中原由貴というドラムス奏者を知る人はどれくらいいるのだろうか。
タマコウォルズでの活動はもとより、青山陽一 the BM'sのメンバーと
しても頭角を現してきた人だ。また最近ではカーネーションのサポー
ト・ドラマーに抜擢されるなど俄然注目を浴びている。さざ波のよう
にしなやかなビートを送り込める秀逸なプレイヤーなのだが、ムーさ
んという愛称で親しまれているように、本人はいたってナチュラルな
佇まい。謙虚な姿勢も崩さない。そんな中原由貴に話を聞いた。待ち
合わせた時間に遅れたわけでもないのに、駅の改札口を抜けると彼女
はぼくの名前を呼びながら、駆け足でこちらへと向かってきた。

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☆ドラム・セットに憧れて

ーーぼくが中原さんの演奏を初めて聞いたのは2010年の6月、沼袋
のオルガン・ジャズ倶楽部でのことでした。青山陽一 the BM'sのメ
ンバーとしての中原さんにまずは接したわけですが、こんな素晴ら
しいドラムスを叩く人がいるんだ!と感激しました。これは演奏を
もっと聞かなきゃいけないぞ、いつか正式にお話を伺いたいな、と       
も次第に思い始めました。まずはドラムスを始められたきっかけを
教えて頂けますか。

 「ありがとうございます。私は北九州の小倉出身なのですが、あ
れは小学校6年生の春休み、これから中学に入学するという時期の
ことでした。バンド・エイドってあったじゃないですか。「Do They
Know It's Christmas?」の。家にそのバンド・エイドのメイキング・
ヴィデオというのがありまして、それを観ていたらフィル・コリン
ズがレコーディングする場面が出てきて、彼のドラム・セットを後
ろから撮影したシーンがば~んと映ったんです。タムがいっぱい並
んでいて、わあ~、カッコイイな!と思いました。それが直接のき
っかけです。私には四つ上の姉がいまして、お姉ちゃんはデュラン
・デュランとかカルチャー・クラブとかマドンナとか当時流行って
いた音楽をよく聞いていたのですが、私はまだとくに音楽が好きっ
ていう感じではなかったんですね。ですから音楽の前にドラムとい
う形に憧れたのでしょう。それからしばらくして母が駅前にあった
ドラム・スクールを探してきてくれて、そこに通い始めました。初
日にはドラムスには手だけではなく足も使うんだ!と知って驚きま
した。その教室は大きな部屋に生徒たちを集め、みんなに教えると
いうやり方だったので、個別指導はほとんどなかったのですが、そ
の教室をやめてから先生のところを訪ねて直接教えてもらったりも
しました。一番最初の課題曲はビートルズの「Come Together」だ
ったと思います」

ーーおお、いきなりミディアム・グルーヴの極致のような曲ですね。

 「もう難しくって(笑)。先生なりに考えた意味のある選曲だっ
たのかもしれませんが、普通のパターンじゃないですよね(笑)。
それから中学の文化祭でエイス・ワンダーの「モンマルトルの森」
をやろう!ということになりました。あの頃はまだバンド・スコア
がなかなか手に入らなくって、ドラムの先生にカセット・テープに
録音した曲を渡して、バンドの全パートを譜面に起こしてもらった
んです。でもなぜかその曲をB面の頭に入れて渡してしまって、先
生はA面の頭に入ってた曲の譜面を作ってくれたんですよ。私たち
はそれに気付かず練習してしまい、やっと曲になって聞いてみると、
私たちが練習していたのはあの有名な「La Bamba」(チカーノ・
ロッカー、リッチー・バレンス59年の大ヒット。80年代にはロス・
ロボスのヴァージョンでも親しまれた)だったんです(笑)。それ
が文化祭直前だったので、仕方なく本番でも「La Bamba」をやり
ました。そんなことも懐かしいですね。小学校の時に6年間学校で
貯金をさせられていまして、それが卒業する時に戻って来たのです
が、そのお金で初めて買ったのがTAMAの黒いドラム・セットでし
た。やはりこの時点でも、この音楽はどういう音楽に影響されて出
てきたのかとか、どういう歴史を持っているのかとか、そういう深
く掘っていくような聞き方は全然出来なかったのですが、わりと熱
心に音楽を聞いていた友だちがある日、フィフティーズの曲を集め
たコンピレーション・アルバムを貸してくれたんです。そこに入っ
ていた(ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの)「Rock Around The
Clock」を聞いた時、何となくピンと来たことを覚えています。当
時はエフェクトのかかったドラムの音が主流の時代でしたから、自
分が叩いているドラムの生音に近い音を聞いて、これなら出来るか
も!と短絡的に思ってしまったんだと思います」

ーーなるほど。スウィング・ビートのお手本のようなドラムスです
ね。

 「はい。あの頃はまだ16ビートのほうが難しく聞こえがちな年齢
でしたから、シンプルななかの奥深さなどまだ全然理解出来ていな
かったんですけどね」

☆☆思い込みの激しい子供でした

ーー中原さんは子供の頃、どんな女の子だったのでしょう。

 「とにかく体が大きかったので、それで人生変わってしまったみ
たいな部分はあるかもしれません。小学校5年と6年の夏休みに身
長が10センチずつ伸びていったんです。6年生の時の身長がもう170
センチありましたから。そんな子がランドセルしょって歩いている
わけです(笑)。体はでかいし、いっぱい食べる(笑)。気は優し
くて力持ちじゃないですけれど、自然とそういうキャラになって今
現在までに至っています。小学校の卒業アルバムを後から見ても、
私だけ一人大きいんです。だから遊園地に子供料金で入ろうとする
と止められたり、バスに乗る時にも大人料金でしょと言われたりで、
気持ちはそれなりに複雑でしたね。それで次第に考え込むような性
格になったのかもしれません。でも運動も大好きで、私は剣道部に
入っていたんですよ。何でも出来る系の子供ではなかったのですが、
のめり込むと止まらないというか、打ち込んだらまっしぐらみたい
なところはあったと思います。生徒会の行事や剣道の練習で夜の8
時9時まで学校に残っていたこともよくありました」

ーーそうかあ。でも何となくムーさんらしいですね。

 「実は私、幼稚園を中退しているんです。というのもある日のこ
と幼稚園の廊下を歩いていたら走ってきた男の子と角で出会い頭に
ぶつかってしまい、その子がお弁当箱を床に落としてしまったんで
す。男の子はわんわん泣き出すし、その子からぶつかってきたのに、
先生は私のほうを叱るしで、子供心に『やってられん!』と思いま
した。今でもときどき床にばらまかれたお弁当の中身にうずらの卵
が入っていたのを思い出すことがあります、、、。それまでにもい
ろいろあったんですが、その事件を機に幼稚園の送迎バスに乗らず
に一日中遊んで、バスが戻ってくると家に帰る、という日々が数日
続きました。でもすぐ幼稚園に行ってないのが母親にばれてこっぴ
どく叱られまして、その時に理由を話して幼稚園を辞めたいと言い
ました。母親も、おまえがきちんと自分の気持ちを説明出来るのな
ら辞めてもいいよ、と言ってくれまして、母といっしょに園長先生
に電話したのですが、その先生もいい人で、これだけ自分でしっか
り考えることが出来る子なら無理に通園しなくてもいいんじゃない
か、と言ってくれたんですよ。そう言われると逆に通ってもいいか
なと思い直したりもしたのですが、その後ハシカにかかって一週間
ほどまた休んでしまい、もういいか、という感じで幼稚園には行か
なくなりました。そのぶん小学校に入学する時は恐怖でしたね(笑)。
幼稚園時代は他にも『大事なものは身につけて持っていなさい』と
言われるとお遊戯の時間にまで肌身離さず持っていて怒られたり、
『今日はお遊戯の時間があるのでできるだけ早く着替えましょう』
と言われると朝から着替えて待っていたりと、かなり思い込みが激
しいというか、バランスが悪い子供だったかもしれません」

☆☆☆ドラマーへの道

ーードラムスの練習はどんな風になさってきたのでしょうか。

 「大学時代は基礎練をよくしていたと思います。家でも膝に巻く
ゴム製の練習台でスティック練習をしたりしていたのですが、最近
はスタジオに入ってみんなといっしょに練習するのがやっぱり好き
だなあ、というのを理由にして個人練習はサボり気味です(笑)。
でも個人でスタジオに入らないとできない練習もありますからねえ。
細かいことになりますが、私の場合右利きのせいもあるのかもしれ
ませんが、左手と右手だとどうしても右手の力のほうが強いんです。
そのぶん左手が主導権を握れないというか、左手から演奏をスター
トさせることが出来ないので、左が単なる右の補助になりがちなん
です。たとえばタムを回していくフィルなんかで最後がフロア・タ
ムになるような場合だと、そのまま左手でシンバルを叩けば位置的
にも一番いいわけじゃないですか。でも私は右でヒットしてしまう。
裏の拍にハイハット・オープンを使う時も、私はわざわざ右手を持
っていってしまう。(東京ローカル・ホンクの)田中クニオさんな
んかを見ていると、左右を両方きれいに使い分けておられますよね。
凄いなあ、と思います」

ーー筋トレとかはどういう風にするのですか。

 「左手をもっと強くするために左手だけでドリブルの練習をした
り、砂を詰めた一升瓶を左手で毎日振っていたこともあります。
でも、それも私が思い込みで始めたことなので、たぶんきっと何の
役にも立っていないと思います(苦笑)。大学時代にすごく風変わ
りな、でもものすごく教えるのがうまい人がいて、その人は大学の
ビッグ・バンドを教えに来ていた卒業生で、ゴダイゴのプロデュー
サーなどをなさっていたジョニー・野村さんなのですが、私が部室
で練習しているとひょこっとジョニーさんが現れて、『左手が死ん
でいるからこうやって叩いてみてごらん』とか『ここでこの音を抜
いてみると左手がもっと自由に動くようになるよ』とか、目から鱗
が落ちるようなことをたくさん教えてくれました。当時は意味が解
らなくって数年後に『あっ!ジョニーさんが言っていたのはこうい
う意味だったのか!』と思ったこともたくさんあります。私の場合
はとくにドラムの師匠と呼べるような人はいないのですが、ジョニ
ーさんには本当にいろいろなことを教わりました」

(其の二に続く)

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タマコウォルズの仲間たち
左から佐藤”sugarbeans"友亮(kbd,vo) 中原”moo"由貴(ds,vo)
西池崇(g,vo)   河野薫(b,vo)   鳥羽修(g,prod,mixing)   高橋結子(perc)

ロックやファンクのイディオムを、六人編成という大所帯ならではの剛胆な
バンド・サウンドのなかに溶け合わせた彼らの演奏はまさに圧巻!
下記は2010年の3月に発売された彼らの最新アルバム『Hog's Babble〜a sequel
to dogear era』 詩情溢れる「アイビー」では中原が可憐な歌声を届けている。

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by obinborn | 2011-10-28 22:45 | インタヴュー取材 | Comments(2)  

ロング・インタヴュー、中原由貴(其の二)

ーー初心者の中学生が叩くスネアと今現在の中原さんのワン・ドロ
ップが明らかに違うように、ドラムスというのはやはり身体に直接
関わってくる楽器なのかもしれません。

 「そうですね。私もそう思います。やはりそういう意味では”生楽
器”なのかな。以前青山陽一さんが企画されたブルース・セッション
が原宿のクロコダイルであり、私はその時初めて上原ユカリさん、
林立夫さん、鈴木茂とハックルバックにいらっしゃった林敏明さん
といった大先輩たちとご一緒させて頂いたのですが、リハーサルも
本番ももう何も喉を通らないくらい緊張しました。ある時リハーサ
ル・スタジオでユカリさんが『俺、1回引退しているからさあ~』
なんて言いながら、次の瞬間ふとタムをポン、と一打叩いたんです
ね。その音がもう(笑)。タムの一打がこうも違うのか、と私はも
う本当にびっくりしてしまいました。でも、小尾さんはどうしてそ
んなにドラムスに関心があるのですか?」

ーードラムスによってバンドが決まる。聞き手の一人としてそんな
思いがあるからかもしれません。NRBQが日本にやって来た時、ト
ム・アルドリーノのドラムスを初めて目のあたりにしたのですが、
バックビートがバシバシと決まっていくわけです。恐らく0,01秒く
らいの単位での抜群のタイム感が彼にはあるのでしょう。でもトム
本人はきっとそんなことは意識せず、ただ自然にプレイしているだ
けなのだと思うのですが、バンド全体に活気を与えているのがこっ
ちにもはっきりと伝わってきたんです。先ほど林立夫さんのお名前
が出ましたが、ぼくはやはり林さんやジム・ケルトナーのように歌
心と間合いがあるドラマーがとくに好きですね。そして中原さんに
関して言えば、16ビートでこれだけ間合いのあるヒューマン・タッ
チを打ち出せる人はなかなかいないんじゃないか、と思っています。

 「わあ~、そんなことをおっしゃって頂けるなんて身に余る光栄
です。確かに私はとくに青山さんと一緒にやる時は16ビートが中心
になっているかもしれませんねえ。16ビートのパターン1小節だけ
で唸らされるようなプレイヤーに憧れるんですけども、8ビートを
叩かせると全然ダメ、というようなプレイヤーにはなりたくないな
あとも思ってまして。またクニオさんの話になってしまいますが、
あの人が叩き出す歌心溢れる8ビートは本当にすごいと思うんです。
クニオさんの無駄のない8ビートが始まっただけでもう東京ローカ
・ホンクの歌が作る情景の最初のページが始まるんですよねえ。
8ビートをしっかり持っている人にはやはり憧れますね」

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☆☆☆☆テクニックに走らなかった故に守られたことがあります

ーークニオちゃんは最高の歌伴ドラマーだよね。でも中原さんが叩
く8ビートも素晴らしいと思います。

 「よくバンド仲間たちと話すのですが、私たちより上の世代には
めちゃくちゃ上手い人がたくさんいるんですよ。でも私たちの世代
はパンクやニューウェイヴを通り過ぎたことも関係しているのかも
しれませんが、大学時代の同世代の仲間たちも、テクニック至上主
義というよりは、味があるとかいわゆるヘタウマというような人の
ほうがかっこいい、と思う傾向にある人が多かった気がします。私
はどちらかというと”訛り”のある演奏のほうが好きですし、なんで
も出来るようになりたい!と思って練習をしなかったぶん守られた
ものがあるのかもしれないなーというような気もします。ドラムス
を長年やっているとだんだんラテンやジャズに手を出したくなった
り、出すべきじゃないか、という提案をされたりすることもよく
あるんですが、雰囲気だけの生半可な気持ちではラテンやジャズは
演奏出来ないぞ、という畏れもあって、そこら辺の選択については
慎重でした。ただ最近になってようやくそういう音楽の勉強もして
おけば良かったな、と思うようになってきました。でもやはり、東
京ローカル・ホンクの木下弦二さんがおっしゃっていた、という話
を聞いたのですが、苦労して習得した技術をそのまま使うのではな
く、そのテクニックを一度寝かせて禁欲的になるほうが、本当の意
味で音楽全体を見渡せるんだと私も思います」

ーー16ビートの一番解りやすい典型例を挙げると、マーヴィン・ゲ
イの「What's Going On」と「Mercy Mercy Me(The Ecology)」、
スティーヴィ・ワンダーの「Tuesday Heartbreak」などがあると思
うのですが、これら70年代初期の16打ちは時代の変遷とともにグラ
ウンド・ビートになり、ニュー・ジャック・スウィングになり、あ
るいはヒップホップやレゲエのダンスホールにもどんどん援用され
ていきました。勿論ループとしても当たり前のようにサンプリング
されているビートですが、こうした現象について一人の音楽家とし
て、どういう印象をお持ちですか。

 「確かに90年代には打ち込みが当たり前のようになっていました
ね。ジャスト・ビートだけではなく、ヨレも強弱も機械で調整して
出来てしまうのですから、もうドラマーは商売上がったりだ!とい
う話もよく聞きました。私個人の意見を言わせて頂くならば、シー
ケンサーとかサンプリング・マシンとかが入っているものはあまり
好んで聞かないほうですねえ。演奏する立場としても、バンド・ア
ンサンブルのなかに一個だけでも反応してくれない機械があるのは
嫌です。同期モノに生のリズムを合わせていくアプローチも面白い
とは思うのですが、私はとにかく全部が生楽器で反応し合っていく
演奏が好きなんですね。勿論クリックに合わせてドラムスの練習を
することはありますが、バンド全員がクリックに合わせて演奏する
というのはちょっとなあ~、と思ってしまうんです。まあそのバン
ドが目指す音楽にもよるのでしょうし、こんなことをドラマーが発
言したりすると『自信がないからじゃないの?』なんて意地悪を言
われたりもするんですけどね(笑)。そして私自身の演奏スタイル
について言うと、ここでこういうタメを作ろうとか、次にハネよう
とかを意識しているわけではないので、『もっとスクエアに叩いて
みて!』とか『まったくハネないでみて!』と言われても、自分が
ハネてるのかハネてないのかも解らなくなってきて、全然出来なか
ったりします(笑)。でもそうやって自分のなかから自然に出てく
るビートが私のドラムスなんだと感じてくださったとしたら、すご
ごく嬉しいです」

(其の三に続く)

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by obinborn | 2011-10-28 22:14 | インタヴュー取材 | Comments(0)  

ロング・インタヴュー、中原由貴(其の三)

☆☆☆☆☆私はバンド・グルーヴを信じています

ーー青山陽一the BM'sの演奏はベースレスのトリオ編成故に、綱渡
り的なグルーヴがとてもスリリングです。

 「鳥羽修さんに青山さんを紹介されたのが最初の出会いでした。
その後青山さんから声を掛けられBM'sに参加するようになってか
ら5年くらい経ちますが、青山さんはとても器の大きな方ですね。
私の演奏に細かく口を挟むのではなく、すごく自由にプレイさせ
てくれます。勿論スタジオでは曲の構成全体をこう変えようよ、
こうやり直そうよといった試行錯誤はあるのですが、基本の部分
では各自の演奏を尊重してくれるんです。またライヴの場では私
の演奏が途中でヨレたり走ったりすることも多々あるのですが、
そこでの三人の駆け引き次第で最高の展開に持っていってもらっ
たなあ、ということもたくさんあります。オルガン・トリオであ
る現在のBM'sはベースレスという特殊な編成なだけに自由度も高
く、その場その場でどう展開するかスリリングな部分もあると思
いますが、伊藤隆博さんのオルガンは左手とフット・ペダルでベ
ースを兼ねていることもあって、すごく牽引力があるんです。
伊藤さんが司令塔となって演奏中に『こっちに行くぞ!』という
暗黙のサインを出すと、新たな流れが次々と生まれてきますし、
その膨らんだ部分を三人でどんどん拡大していく時などは、まさ
にライヴならではの醍醐味を感じます。BM’sには長い歴史があり
歴代のメンバーもたくさんいますが、伊藤さんだけは初期からず
っと青山さんと演奏していますよね。そんなことも関係している
のかもしれません。タマコウォルズに関してはBM'sのように私が
が呼ばれて参加するようになったわけではなく、自分たちが始め
た自分たちのバンドという意識がやはり強いです。タマコウォル
ズはジャムっぽい演奏の面白さを追求している部分もありますが、
6人編成という大所帯なだけに、新曲の基本アレンジを決めるま
でにすごく時間をかけます。私は最初アウトロの長い演奏が苦手
で本当に苦労しましたが、タマコをずっとやり続けているうちに
だんだん長い演奏の面白さがわかってきました。それもこの6人
のやりとりの塩梅がわかって来たから、というのも大きいと思い
ますし、みんなが私に本当に寄り添ってくれているなあと感じて
います。ベースの河野薫さんは私がどうなったって信じられない
くらい付き合ってくれて、一緒になって曲を膨らませてくれるん
ですよ。ベーシストによってはドラムスがちょっとでもヨレたり
遅くなったりすると、そのことを気が付かせるためにクリックの
役割をしようとする人もいるのですが、そうして修正すると細部
では持ち直したとしても、サウンド全体のグルーヴが削がれてし
まうと思うんです。それもドラムの人の裁量によっては削がれな
いこともあるかもしれないんですけど、私はそうやられると、も
う一気にそこからガタガタになってしまいます。ですからBM’s
にしてもタマコにしても、私が一緒に演奏するメンバーたちはそ
こら辺の共通認識を持っている人たちが多いと思います。最低限
の守りに入ってしまうような演奏ではなく、どんどんグルーヴの
波に飛び込んでいく勇気が私にもだんだん解ってきました」

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(タマコウォルズのベーシスト、河野薫と)

ーーBM'sの「Friday Rider」で中原さんはマーチング・ビートを
援用されています。これは素晴らしい効果を上げていますね。

 「あの曲を初めて演奏した時のことは、その日のスタジオの
風景までをくっきりと思い起こすことが出来ます。最初にレコー
ディングされたものは違うアレンジだったのですが、青山さんに
『もう少しラテンっぽく出来ないかな?』と言われ、そこで思い
付いたのがあのドラミングだったんです。先ほどラテンやジャズ
には走らなかったというお話をさせて頂きましたが、そんな私が
ラテンのなかで唯一練習したことがあるのがソンゴのパターンで
した。これはドラム・キット全体を使って手足をバラバラに動か
す練習のようなリズム・パターンなのですが、そのパターンを全
部スネアだけに置き換えて使ってみたら、ハマったんです!
私の演奏が普段どれだけ青山さんのお役に立っているのかは解ら
ないのですが、あの曲に関しては少しは貢献出来たかな~と感じ
ています」

ーー青山さんの久し振りのアルバム『Blues For Tomato』がもう
すぐ発売されます。レコーディング・メンバーの一人として中原
さんの立場から見ると、どんな仕上がりになったと思われますか。

 「これは青山さんの音楽ですし、リリース前に私のほうからど
れだけ話していいのかは解らないのですが、ベーシックなレコー
ディングはたった2日間で集中しながら終わらせることが出来ま
した。今回はBM'sのオルガン・トリオに千ヶ崎学さんのベースが
加わったカルテットでの一発録音です。あとはそこに青山さんが
いろいろと被せていく作業だったのですが、この前完成した最終
版を聞かせてもらったらすごくいい感じでした。そうですね、
『Blues For Tomato』のアルバムには4人が『せ~の!』で臨み、
全力疾走した勢いが詰まっていると思います」

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(10月に発売された青山陽一のニュー・アルバム『Blues For Tomato』
ここ数年青山がテーマとして掲げてきたオルガン・トリオでのシンプルで
隙間のあるグルーヴを発展させた意欲作であり、中原のドラムスも生なら
ではの勢いに満ちている)

ーーお好きなドラマーをぜひ教えてください。

 「私が一番影響を受けたのはカーネーションにいた矢部浩志さ
んです。カーネーションのライヴ音源などを聞くと、さっきのお
話ではないですが、全体がウネりながら一つのグルーヴを作って
進んでいるのが解ります。長い間奏やアウトロでも矢部さんが出
した一瞬のフィル・インで展開したり終わったりするんですけど
も、そのフィルがちゃんと終焉を告げるように長尺の演奏全体が
デザインされてるんですよ。アイ・コンタクトではなく音だけで
反応し理解し合える関係というのも理想ですけども、そういう風
に物語を作れる矢部さんの力はやはり凄いと思います。私はロッ
クも勿論好きなのですが、とくにブラック・ミュージックが好き
なので、クライド・スタブルフィールドとバーナード・パーディ
はとくに好きなドラマーですね。ジェイムズ・ブラウンのドラ
マーでジャボ・スタークスではなくクライドの名前を挙げたのは、
私が大好きな『In The Jungle Groove』の頃のJB'sのメンバーだ
ったからです。クライドが叩く「(Give It Up Or)Turn It A Loo
se」はいつ聞いても素晴らしい! バーナード・パーディはアレ
サ・フランクリンの『Live At Fillmore West』などをよく聞きま
した。バーナードのソロ・アルバムには「Aretha」というそのま
まのラヴ・ソングもありますね。アレサのフィルモア・ライヴの
頃に二人がステディだったんだよ、という話を聞くと『そうだっ
たんだ!やっぱり音楽っていいなあ!』と思ったり(笑)。バー
ナードのライヴは二度観ています。あのファットバック・ビート
とハイハットのオープン&クローズで会場にいたお客さんたちが
全員唸っていて、みんなやっぱりここでぐっと来るんだなあ!と
聞いていて何だかとても嬉しくなりました。後で彼のスネアをこ
っそりチェックして、後日探し回ったのですが、そのものは重す
ぎたのと高すぎたので買えず、そのピッコロを買いました。でも
それは結局スネア自体のパワーが強すぎて私には使いこなせず、
矢部さんが使っているのと同じPearlのスネアを探して買いまして、
今はそれをメインで使っています」

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(JBにアリーサという二大棟梁が70年代初期に残した大いなる道しるべ。
ドラムスはクライドにバーナードが文句なしの快演を聞かせる)


☆☆☆☆☆☆囲碁お見知りおきを

ーーところで普段のバンド活動とは別に、中原さんが企画されて
いる自主イベントに”囲碁お見知りおきを”があります。これはど
ういった主旨なのでしょうか。

 「小尾さんが中学や高校時代にラジオを夢中になって聞いたり、
必死になってエア・チェックしていたというお話を先ほどされて
いましたね。私も明治時代にあった芝居小屋のように、そこにそ
れしか娯楽がなかった故に、収入も違えば趣味も違う、生い立ち
も違う、そんないろいろな種類の人たちが集まる、というような
場所を作れたらなあと思ったのが始まりです。
これまでやったイベントでは音楽だけではなく、詩の朗読や演劇
や紙芝居なども交えています。料理や飲みものも含めて、その小
屋の空間に置かれたひとつひとつの出し物をどれも並列に楽しん
で頂けたら、と思います。それはライヴハウスのような音楽に特
化した場所ではないことが多いですし、他の参加者のみんなも自
分がメインで普段やっている場所とは違って、それぞれが難しい
環境で工夫してやってくれているんですけども、そこに集まって
来てくれた人たちにとって、自分がそれまでに触手を伸ばしたこ
とがなかった新しい世界への入り口になったら嬉しいなあと思い
ます。また東京ローカル・ホンクの話になりますけども、彼らは
大掛かりな音響設備がないところでもちゃんと音楽が出来る。そ
ういう音楽のあり方について考えさせられたことも、きっかけの
ひとつです」

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(今年9月に吉祥寺で行われた第二回目の”囲碁お見知りおきを”
の会。音楽のみならず寸劇、写真展、詩の朗読までの多彩で手作り
感溢れるイベントだった。なおこの日中原はスティーヴィ・ワンダ
ーの「Ebony Eyes」を日本語詞で披露。スタンディング・スタイル
のドラムスとともに会場は温かい拍手に包まれた)

ーー雑多で気楽な面白さがあるようですね。

 「というのも私たちがツアーで京都の拾得に行った時、ふと入
ってきた外国人のお客さんがいたんです。その人は日本人の彼女
とデートしていて、ふとライヴが見たいという話になり、何をや
っているかも知らずにフラッと拾得に来てくれたんです。そうい
う音楽との接し方もいいなあと思いました。今はライヴハウスっ
てバンド同士が土日の奪い合いみたいな状況になっているじゃな
いですか。お客さんにしても毎回来てくれるようなすごく熱心な
人たちがいるかと思えば、一生ライヴハウスには縁がないような
人たちもいる。そこら辺があまりにも極端に二分化してしまって
いるような気がするんです。もっと自由に出入りして欲しいし、
もっと気楽にその場を楽しんで欲しい。今日時間あるけど何して
遊ぶ? ライヴでも行く? みたいなことがあったらいいなあと
思います。今日はさっきまで生まれて初めてフラメンコを観に行
っていたのですが、そのくらいの初心者的な好奇心でいいんだと
思うんです。私は父と上海に行ったことがあるのですが『新天地』
いう場所に行った時、思わず心が高鳴りました。レストランやバ
ーやライヴもやっているような飲食店、ファッションビルなどが
集まった場所だったんですが、旅行者やおじさんもおばさんも若
者たちも、あらゆる年齢と人種の人たちが集まってとにかく活気
に満ち溢れていまして、無謀なまでのエネルギーを感じることが
出来ました。向こうにはこんな言い伝えもあるそうなんです。
『お金と仕事がなかったら、とにかく新天地に行け!』って」

ーー今日はお忙しいなか、どうもありがとうございました。それ
では最後に生涯のフェイヴァリット・アルバムを5枚挙げてみて
頂けますか。

 「こちらこそありがとうございました。小尾さんといろいろお
話出来て今日はすごく楽しかったです。5枚というのは難しいの
ですが、まずはスライ&ザ・ファミリー・ストーンの『Fresh』
です。ジェイムズ・ブラウンは編集アルバムで申し訳ないのです
が、大好きな『In The Jungle Groove』を選びましょう。あとは
グラハム・セントラル・ステイションの『Release Yourself』と
カーネーションの『Booby』です。最後の一枚は、、、う~ん、
どうしようかな、、、。そうだ!ブルース・ブラザーズのファー
スト・アルバム『ブルースは絆』です! それと曲単位で言って
もいいですか? 私はダニー・ハサウェイの「Jelous Guy」とス
ティーヴィ・ワンダーの「Ebony Eyes」にはかなり影響を受け
ました。「Jelous Guy」のハネるようなビートを辿っていくうち
にニューオーリンズの音楽に目覚め、ミーターズを好きになって
いったりしましたから、そんな意味でも忘れられないですね」

2011年9月24日 西荻窪のRonnie'sにて
取材・文 小尾 隆

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(スティーヴィが76年に発表した一大音楽絵巻。終盤の「Ebony Eyes」では横揺れのしなや
かなビートがずっと余韻を残していく)

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(スライにハサウェイ。キホンにして言わずもがなの名作。心して聞こう!)



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by obinborn | 2011-10-28 22:10 | インタヴュー取材 | Comments(0)  

中原由貴インタヴュー(後日談)

中原由貴さんがご自身のblogで筆者のことを取り上げてくださいました!
http://mooran170.tamacowolds.net/?page=0

いやあ、嬉しいなあ〜
と同時に 女の人って本当にいろんなところを見ているんだな〜とも
思いました
スパゲティ屋さんでの場面なんて 当時は互いに知らなかったんだから
忘れていてもおかしくないですよね
女、コワッ(笑)

少々こっ恥ずかしいのですが 以下中原さんのblogから抜粋させて頂きます
ムーさん、ありがとう!
ぼくもこれを機に精進致します!

 ☆    ☆    ☆

小尾さんという人、そして囲碁お見知りおきを楽団娑婆に出る、の巻

 先日もこちらでちょびっと触れましたが、ライターの小尾隆さんにインタビューしていただいた記事が小尾さんのブログにアップされました!小尾さんと初めてお会いしたのは、正確に言うと一方的にお見かけしたんですが、青山陽一さんのライブ会場近くのスパゲティ屋さんで、小尾さんが青山さんにご挨拶されていた時でした。確かご自分はまだ食べている途中だったのにわざわざ立ち上がって青山さんにご挨拶されるその姿は、当時私にとっては全く知らない人だったにも関わらずはっきりと覚えているくらい印象的でした。なんとまっすぐな方だ、と思ったのですが、その後お話させていただくようになり、先日インタビューをしていただいた際にいろいろとお話した後も、相対した人をまっすぐにとらえて目を逸らさずに真剣に対峙する方だなあという印象を強く持ちました。「ライブがよかったです!」というようなことをものすごい熱量を持って伝えてくださる笑顔が大変素敵な方なんですが、きっと曲がったことやよくないと思ったことには同じ熱量で真剣に怒るんだろうなあ、とも思いました。この度はそんな小尾さんが、小尾さんの刀で私の人生を切り取ってくださいました。アップされたのを読んでみると、私は全然きかれたことに答えていなかったり、関係ない話を始めたり、とまあ本当によく小尾さんは辛抱強く聞いてくださったなあと思いましたが、自分で読んでみていろいろと振り返るいいきっかけをいただきました。これまでにお世話になったいろんな人たちと小尾さんに一礼をいたしまして、これからまた気を引き締め直して進んで行こうと思ったらまたワクワクして来ました。こんなチャンスをくれた小尾さんに、本当に感謝いたします。

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「大抵の人々は『それは面白い!今度また連絡するから!』と言ってもう二度と
電話をしない。でもアレックスは、そういう断り方が出来なかったんだよ」
(デヴィッド・フリクルによるアレックス・チルトンのインタヴューより)
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by obinborn | 2011-10-28 20:12 | インタヴュー取材 | Comments(2)  

違和感があった 言いたいことが残った

先日青山に出掛けた際 たまたま反原発のデモを見かけた
9月19日に東京で行われたこのデモは主催者発表で5万人が集まった
と伝えられている(実際はその半分くらいというのが通例らしい)

原発反対 金か命か 人類に本当の遺産を
そんなお題目がコールされ レスポンスされていく

何ひとつ間違ってはいない いやきっと彼らは正しいのだろう
その主張も行動も恐らく何ら悪意に基ずくわけではない

それでも違和感は残った
たとえばこんな声たちが聞こえてきた 「東電カイタイ!」
解体という言葉を無神経に使って欲しくなかった

当たり前のことだが 東電の社員にもその下(註)で働く派遣社員にもバイトにも
家族がいるだろう 妻がいて子供たちがいるかもしれない
親がいて祖先たちがいるだろう

ぼくが聞いた限り「東電カイタイ!」と言うその叫びのなかに
彼らへの想像力は見いだせなかった

もう少し言おうか 何カ所かで警察との軋轢があったらしいが
デモ側の人間の命より警官や機動隊の命を低く見るような意見には
ぼくはけっして与することは出来ない(皮肉にもニール・ヤング
「オハイオ」と真逆の構図だが これもまた真実だ)

声は強く勇ましい 主張は正しく正義に満ちている
でも あたかも悪が自分たちの対岸にあるかのような見方は
少なくともぼくには気持ち悪いものとしてしか映らなかった
全共闘のノスタルジーさえそこにはあり ぼくにはアレルギーがとくに
強い問題でもある

善と悪 あるいは敵と味方を二分化して 仮想敵を見つけ出すような
やり方ではこうした行動も恐らく先が見えている
それに デモに参加しないことが無関心だなんていうレトリック(修辞)
には ほとほとうんざりさせられる

恐らくその盲目的な確信ゆえに
きっとその正義という旗ゆえに
ぼくはその光景を遠巻きに眺めるしかなかったのである

*このテキストは9月に一度UPしたものに追加と修正を加えたものです


(註)「その下」
小泉/竹中による規制緩和・新自由主義以降企業はリスクを避けるため
派遣やバイトを増やし本体をスリム化していった その結果民主主義下
での「階層化」や「使い捨て」が加速していった 原発ジプシーと呼ば
れる人たちが真っ先に犠牲になったことは3月の事故の際でも明らか


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(非常にデリケートな問題を孕んでいますので白か黒かといったような
直接的な対応はご遠慮ください 真摯なご意見に関しては受け止めさせて頂きます)


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by obinborn | 2011-10-27 07:10 | rock'n roll | Comments(12)  

11月10日

先日の西荻窪でのトーク・イベントで まだ顔に幼さが残る若い方から
「20代のうちに聞いておきたいアルバムは何ですか?」という質問を
頂きました

好みの問題でもありますし 属する時代が違うからなあ〜なんていう気持ちは
当然ながらあったのですが それでもぼくが即答させて頂いたのがジョン・
レノンの『ロックンロール』(75年)でした

というのもジョンの自作がひとつも入っていないジョンのアルバムとして
これ以上彼を感じる作品が他に見受けられないから というのが圧倒的な
理由です ジョンが青年時代に親しんだ50年代のロックンロールばかりを
集め選曲し 自らのヴォーカルで歌い直したこの作品には 思いっきり彼
を感じることが出来るのです

フィル・スペクターのアレンジが野暮ったいなあ もっとリズム・セクション
が際立つミックスをして欲しかったなあ という思いは勿論ぼくにもあります
しかし それでもこの作品が胸を打つのは シャウターとしてのジョンが存分
に味わえるということ以上に これがロックの写し絵となっているからなのです

ありていに言えばカヴァーされた原曲を好奇心とともに辿っていけば きみは
ロックンロールの博士になれるということでもありますが それよりは切実な
響きを「Stand By Me」や「Just Because」に聞き取って欲しいという気持ち
の方が強いのです そして冒頭曲「Be Bop a Lu La」の”ウェ〜ル〜”の恐らく
言葉にならない思い

以心伝心とか温故知新という感情の強い流れを持ったアルバムでもあるでしょう
しかしこの作品を聞く時 何故かぼくは現在のジョンしか見えないのです

ちなみに友部正人はこのアルバムに触発されて自作曲「ロックンロール」を作り
ジョンの歩みを重ね合わせながら自分の辿ってきた旅を歌っています 友部がこ
の曲を東京ローカル・ホンクと再演奏した時 ぼくは運命を感じずにはいられま
せんでした


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1. Be-Bop-A-Lula
2. Stand By Me
3. Medley: Rip It Up/Ready Teddy
4. You Can't Catch Me
5. Ain't That A Shame
6. Do You Wanna Dance
7. Sweet Little Sixteen
8. Slippin' And Slidin'
9. Peggy Sue
10. Medley: Bring It On Home To Me/Send Me Some Lovin’
11. Bony Moronie
12. Ya Ya
13. Just Because
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by obinborn | 2011-10-27 07:09 | rock'n roll | Comments(4)  

11月9日

もっと自分の宣伝をしろ! と広報担当よりお叱りを頂きましたので
ならばたまには営業をしたいと思います
まあキホン的に自分語りをするよりは(インタヴューなどで)音楽家の方々
を輝かせるほうが 私の場合性に合っているのですけどね(笑)

米シンガー・ソングライターのベテラン、ジェシ・ウィンチェスター09年の
アルバム『Love Filling Station』がいよいよ明日(10日)国内仕様でクリンク・
レコードから発売されます http://www.clinck.co.jp/merurido/dtl.php?ky=CRCD3289

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繰り返し聞くに耐えうる素晴らしい作品なので ぼくもちょいとばかり
気合いを入れて 7,500字に及ぶ解説を書かせていただきました 通常ライ
ナーノーツというのは約4,000字前後なので いかに分量が多いかお分かり
かと思います 担当氏によると8ページのブックレットにはカラーでディスコ
グラフィも付けたというから楽しみです 

CDのライナーなんかいちいち読まねえよ、という方の気持ちも解りますが 
何らかのガイド役になればいいなと思いながらいつも書いていますので
もしよろしければご購入ください そしてこれを機にジェシの素晴らしさを
語り合えればとても嬉しいです


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by obinborn | 2011-10-27 07:08 | one day i walk | Comments(0)  

11月8日

西荻窪のshallow's cafeにて 安藤誠さんとのトーク・セッションを

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とどのつまり 自分のなかできちんと濾過された音楽が一番肌に馴染むのではという
思いをめぐり あちこちに意味のある寄り道をさせていただいた

10代の頃輝いていたものが必ずしも今現在のぼくやあなたを照らし出したりはしない
それでも導かれていくものがあるとすれば
それがその人にとっての大いなる”選択”であり”海図”なのではないだろうか

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(小尾の選曲分)
Geoff And Amos/ Calolaina Sunshine Girl
Van Morrison/ Trourbadours
Rolling Stones/You Got The Silver
Gram Persons/Cash On The Barrelhead ~Hickory Wind
Grateful Dead/Attics Of My Life
Ronnie Lane / You Never Can Tell
John Sebastian/I Dont Want Nobodyelse
Jesse Winchester/ Baby Blue

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(写真撮影:kameさん)
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by obinborn | 2011-10-27 07:07 | one day i walk | Comments(4)  

お知らせ

来る11月8日(火)に安藤誠さんと私によるトーク・セッションがあります

ご存知の方も多いと思いますが 安藤さんは釧路湿原でロッジ「ヒッコリー・
ウィンド」を経営されており トムス・キャビンが招聘する来日ミュージシャン
たちのツアーに組み込まれることも多い信頼のお店の人気者です

当日は”Favourites 、Each Of Us” と題し 安藤さんと小尾がそれぞれの音楽遍歴
や音楽観を語り合いながら 好きな音楽を聞いていこうというユル〜い主旨ですが
二部構成でたっぷりと楽しんで頂けるかと思います
勿論 質問やツッコミもOKです(私はいつもボケ役なのだ^0^)

場所は西荻窪のShallow's Cafeにて
http://www42.tok2.com/home/yosan1222/
18時半オープンの19時半スタートです
参加費は2,000円で 他に1ドリンク&1フードのオーダーをお願いします
限定12名なので電話(03-5980-8289)でご予約されたほうが
確実かもしれません
(現時点で10名様からのご予約を頂いています)
なお お土産として安藤さんより秘蔵音源CDRのご用意も!

めったにない機会だと思いますので 皆さんと飲みながらワイワイやれれば
とても嬉しいです それではご来場をお待ちしています!


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by obinborn | 2011-10-27 07:06 | one day i walk | Comments(0)  

11月2日

品川区にある湾岸音響スタジオにて
東京ローカル・ホンクのプロモーション・ヴィデオの撮影会
それもファンを30名スタジオに招いて行うという まさにスペシャルな夜となった
(勿論ぼくも公募して当選した)

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2日前に突如Twitterで公表された告知だったが
スタジオには熱心なファンが詰めかけ タキシードに正装したいささか
緊張気味のホンクメンを温かく迎えた 

新しいアルバムのリリースにあたって 今回の彼らはとくにチャレンジングだった
先行シングルを3曲も用意し それらすべてをネット配信した試みはその最たるもの
だろう そうした選択一つ一つは彼らが熟考を重ねた結果だった

木下弦二の言葉を借りれば「今までのぼくたちは美味しい料理を作るだけで
精一杯でした。でもこれからは届け方もきちんと考えなければ」である

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それでもこうして新旧のファンたちとの交信を怠らないところにこの人たち
の音楽との関わり方が如実に伺える もっと平たく言えば人の良さのようなもの
が溢れ出す

実際のPVに使われるのはこれまでもライヴで幾度となく披露されてきた新曲
「おいでおいで」であり 実際この日も確か6回ほどテイクが重ねられた
連続して聞いた限りでは 演奏レベル自体はどのテイクも高水準の甲乙付けがた
いものであり むしろ音響面や映像サイドの”保険”として多めにテイクを
録音したという印象を受けた

この「おいでおいで」という曲自体は
幼い生を受け止めていく歌なのだが 身長がまだ150cmにも届かなかった頃の
視界や匂いを追っていくあたりに 弦二のソングライティングの才や着眼点の
面白さを感じてならない

PVの撮影以外は気の置けないスタジオ・ミニ・ライヴといった塩梅で
「ヒコーキのうた」「ききたいこと」「弱気なアマノさん」など比較的初期の
彼らの曲が演奏されたことも 自分たちがどういう場所から何を思い音楽を始めて
いったのかを物語るかのよう

その頂点が最後に歌われたコール&レスポンスも鮮やかな「おいのりのうた」
だった 

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その「おいのりのうた」の余韻を帰りの電車のなかでそっと噛み締めながら
ぼくはまた一人歩き出していく

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by obinborn | 2011-10-27 07:04 | one day i walk | Comments(0)