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7月30日のアレックス・チルトン〜パワーポップ・ナイト


今日(30日)は渋谷の喫茶スマイルにてアレックス・チルトン
〜パワーポップのDJナイトでした。会場は立ち見でぎゅうぎゅ
うなほどの大入り!今は亡きアレックスの音楽を愛する人々が
こんなにもいることに筆者は思わず胸が一杯になってしまった。
それもこれも若い世代の人たちが流行に左右されず、REM以降
のカレッジ〜オルタナ・シーンにしっかり耳を澄ませながら、
ビッグ・スターやアレックスを辿っていった証左であろう。時
代の脚光を浴びなかった故に、アレックスはいつしかメンフィ
スのアンサング・ヒーローとなり、その音楽は若い連中へと確
実に受け継がれていったのだ。気取らない態度といい、どこか
ぶっきらぼうな佇まいといい、アレックスの音楽に常に流れて
いたのは、ごくナチュラルに自分と向き合い、他人の曲も自分
の歌と変わらずに愛でる心だったと思う。DJの皆さん、アレッ
クス愛に貫かれた素晴しいライブを繰り広げたビート・キャラ
ヴァンの四人、わざわざ集まってくださったお客様、スマイル
店主の北山さんetc…ほんま楽しかったです!帰りの電車のなか
筆者は思わず感動の涙がこぼれてきてしまいました。皆また会
おうぜ!That's Nice ! 以下私のプレイリストです。
*   *   *
ALEX CHILTON/THE OOGUM BOOGM SONG
ALEX CHILTON/LITTLE GTO
ALEX CHILTON/GUANTANAMERICA
BOXTOPS/SOUL DEEP
ALEX CHILTON/PARADISE
ALEX CHILTON/SUMMERTIME BLUES
ALEX CHILTON/LET ME GET CLOSE TO YOU
ALEX CHILTON/HOOK ME UP
ALEX CHILTON/TRAMP
ALEX CHILTON/COME BY HERE
(one more mile to go)
ALEX CHILTON/SEPTEMBER GURLS

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by obinborn | 2016-07-31 01:44 | rock'n roll | Comments(0)  

7月19日の木下弦二

梅雨の終わりを告げるかのように、この日夕方の東京には豪雨
が降り注いだ。そんな悪天候の只中、道に迷っていた筆者を迎
えにわざわざ駆け足でやって来て、道案内するのが木下弦二ら
しい。東京ローカル・ホンクでのスリーデイズを無事終えた彼
は、19日神田小川町のショーンという小さなバーで弾き語りの
ソロを行った。しかも普段の木下が看板とするセミアコではな
く、プラグド・インのアクースティック・ギターを使用すると
いう、極めてレアな驚きとともに。

雨の火曜にもかかわらず会場は満員だ。きっとホンクでの彼と
はまたニュアンスが異なる弦二の姿を確かめようとした方々が
集まったのだろう。実際彼は普段のソロがそうであるように、
仲井戸麗市の「スケッチ'89.夏」をはじめ、松任谷由実の「9月
には帰らない」細野晴臣の「住所不定無職」などカバー曲を交
えながら、澄み切った歌声を響かせていった。以前からたまに
取り上げてきた「上を向いて歩こう」にしても、単に永六輔の
死去という直近の話題としてではなく、混乱した今現在の日本
の写し絵となって、こちらの五臓六腑へと確実に染み亘ってく
る。弦二が直截的なプロテストソングを歌い、この世界のあり
方に異議を申し立てることは一切ない。それでも彼の優れたオ
リジナル曲は、「身も蓋もない」であれ「いつも一緒」であれ、
何かを聞き手の心に宿していく。言葉が平易であればあるほど、
弦二がギリギリまで削ぎ落したソングライティングを心掛け、
実践していることがよく解る。

アンコールの声に応えて彼が用意したのは、スティーヴィ・ワ
ンダーのYou're the Sunshine of My Life。そう、ワンダーが73
年の3月に全米ポップ・チャートの一位へ押し上げた名曲であ
る。このハッピーソングでは、明るく無邪気な戯れが深い喪失
と隣り合わせになっている。そんな複雑で傷だらけの様相を、
木下弦二は笑顔のなかに、暖かい太陽のなかにそっと包んで
いく。

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by obinborn | 2016-07-20 02:06 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

中井大介の新作『SOMEWHERE』に寄せて

中井大介さんが、彼の新しいアルバムを送ってくださった。
紹介記事を書くために以前からMP3音源で接していたとは
いえ、最終ミックスを経た音像で聞く『SOMEWHERE』は
やはり格別だ。ぼくのリコメンドは以下の通りです。

丁寧に織り込まれた音たち。
光の束となってきらめいていく言葉たち。
何が正しくて、何が間違っているのかは誰にも解らない。
昨日よりも今日のほうが確かだとも言いきれない。
中井大介はそんな毎日のなかから歌を拾い上げ、
物言わぬ貨物船や愛おしい人々に眼差しを注いでいる。
(小尾隆・音楽著述業)

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by obinborn | 2016-07-17 17:17 | one day i walk | Comments(0)  

7月16日の東京ローカル・ホンク

16日は東京ローカル・ホンクのワンマン・ライブを高円寺の
JIROKICHIにて、たっぷり3時間堪能した。先月のツアー最
終日には気の毒なほど声帯を痛めていた木下弦二だが、この
日は彼本来のイノセント・ヴォイスが復活。四人の演奏もビ
シっと引き締まり、最近では躊躇なくベストと呼べる内容に
なった。楽曲もうずまき〜ホンクの20年以上を凝縮するかの
ように、うずまき時代の「おいのりのうた」から弦二の最新
ソロ・アルバムに収録された「また会おう」までが、しっか
りと組曲のように束ねられていった。

初期の無邪気な「海辺の家の一週間」もあれば、苦みに満ち
た最新曲の「身も蓋もない」や「ダーク・マター」での哲学
的な洞察もある。そうしたソングライティングの変化や、渋
味を増したこの夜の演奏が、見事なまでに彼らの成長過程を
捉えていた。彼らの世代には珍しく、人力による生きた演奏
に持てるすべての力を注ぎ込んだ情熱がたっぷり。やや大袈
裟に言えば、かつてザ・バンドも成し得なかった領域にまで、
今現在のホンクはしっかりと足を踏み込みつつある。

自分の窓から見える光景をしっかり歌詞に書き留め、それら
を柔らかな旋律とグルーヴのある演奏で飛躍させていく。言
葉で言えば簡単かもしれないが、実はあまりに困難な課題へ
とホンクは立ち向かい修練を重ねてきた。しかも最初に楽器
を手にした時の初々しさを彼らが見失うことはない。それは
きっと、メジャーになるかインディのシーンに留まるかとい
った大雑把な二元論ではあるまい。自分たちの好きなことや
愛する光景を彼らは守る。それはすなわち、自分がどうして
も好きになれないことや、暗い情感には囚われまいとする心
映えだ。東京ローカル・ホンクは多くを語らずとも、名もな
い花に水を差すように、枯れた土地に雨を降らせるように、
長い歳月に亘って演奏してきた。その価値を思わずにはいら
れない。今頃楽器の搬出はもう終わっただろうか。夜が明け
れば彼らのバンは明日の公演地である水戸へ向かう。一期一
会に笑みを交わしながら。「ハイウェイソング」を口ずさみ
ながら。

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by obinborn | 2016-07-17 01:49 | 東京ローカル・ホンク | Comments(0)  

髭スワンプのボビー・ランスさん

ボビー・ランスは71年の『ファースト・ピース』は持っていま
したが、72年のセカンド『ローリン・マン』は先日大阪出張の
際やっと入手することが出来ました。前作はマスル・ショール
ズでの録音で、バリー・バケットやフッド=ホウキンズなどい
わゆるスワンパーズと合流して作られたもの(デュエイン・オ
ールマン参加説あり)でしたが、『ローリン・マン』では一転
してニューヨークのアトランティック・スタジオでのロケーシ
ョンが組まれました。前作のようにスタジオメンの力を借りる
のではなく、無名ながらも自分の仲間たちとともに録音した点
に好感が持てます。ヴァン・モリソンでいえば、彼が自分のバ
ンドで臨んだ『ヒズ・ストリート・クワイア』にも通じる”親和
力”がポイントですね。

所属レーベルもコテリオンから親会社のアトランティックへと
移籍(昇格?)し、レコード会社から期待を寄せられていた当
時の様子が伺えます。自らギターやピアノを弾くランスですが、
やはりその強烈に泥臭いヴォーカルが最大の魅力でしょう。70
年代前半は彼のようなダミ声の持ち主が、ロック・シーン全体
のダウン・トゥ・アース志向と相俟って脚光を浴びましたが、
ランスもまたそんな一人でした。前作でのこなれた名人芸と違
い、より求心力を増した歌が全編にビシバシと漲っています。
ちょっとメロウなコード感のあるLAST STOP CHANGE HAND
Sではイントロのギター・ハーモニクスから思い切り気持を持っ
ていかれますし、ゴスペル・ライクなHE PLAYED THE REALS
での希求するかのような感情表現も見事。そしてスライド・ギ
ターが炸裂するブギウギ・ロックンロールのYOU GOT TO RO
CK YOUR OWNの骨太な味わいはまさにランスの真骨頂であり、
レコーディング・スタジオの熱気が伝わってくるようです。

残念ながらランス本人の詳しい経歴は不明ですが、契約レーベ
ルから想像するに、かのジェリー・ウェクスラーに見出された
たのかもしれませんし、彼の出資協力を得てキャプリコーン・
レーベルを設立したばかりのフィル・ウォルデンの審美眼に
叶ったという可能性もあります。いずれにしても、今ではもう
滅多に出てこない”真性スワンプ”の記録がここにはあります。
マスル録音の『ファースト・ピース』のほうが人気は高いよう
ですが、そうした話題抜きに自分のバンドで勝負に出たこの
『ローリン・マン』に、ランスの男気を感じずにはいられませ
ん。個人的にはボビー・ウィットロックの『ロウ・ヴェルヴェ
ット』(これも自分のバンドでの録音)と並ぶ愛聴盤になりそ
うです。ローウェル・ジョージを彷彿させるランスの髭面も最
高!きっとこれからも髭スワンプの知られざる名盤として語り
継がれていくことでしょう。

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by obinborn | 2016-07-16 16:11 | rock'n roll | Comments(0)  

7月14日のツル&ザ・シスター・レイ/サーディン・ヘッド

14日は元住吉のPOWERS2にてツル&ザ・シスター・レイと
サーディン・ヘッドのツーマン・ライブを。まずはシスター
・レイのノイジーでパンキッシュな演奏にヤラれた!バンド
名から容易に想像出来るように、彼らはヴェルベッツやルー
・リードに倣った大音量ロックを炸裂させた!しかし単なる
轟音には終わらず、ツルのギター・パートひとつ取っても考
え抜かれた経験値を感じさせる。とくにヴェルベッツWhat's
Goes Onの痙攣するようなビートは、60年代のN.Yファクト
リーにあった鋭さを運んでくるかのようだった。

対するサーディン・ヘッドは、筆者が現在最も注目している
ジャム・バンドだ。二本のギターの駆け引きと多彩なビート
を繰り出していくリズム・セクションは、ときに激しくぶつ
かり合いながら、ときに息を呑むようなメロディックな輪郭
を共有しながら、スリリングな音模様をどこまでも自由に描
き出す。最も叙情的な曲Blow Rippleでコーラスが加わる以外
はすべてインストゥルメンタルなのだが、デッドのDARK S
TARやクリムゾンの『太陽と戦慄』に幻惑されたかつての音
楽少年は、サーディンが放出し続ける雄大かつ繊細な音の塊
に今日も心震わせたのだった。彼らは一体どんな音楽を聞い
て育ち、どんな演奏にインスパイアされてきたのだろう? 
いつかそんなことを四人と語り合ってみたい。

アンコールでは先に演奏したシスター・レイのツルをステー
ジへと呼び戻したサーディンが、ツルとともにデヴィッド・
ボウイのHang on YourselfとHeroesの2曲を演奏。とくに
テンポを落としながら迫る後者では、三人のギター奏者が
ソロ・パートを分け合うなど、この夜ならではの感動的な
場面が繰り広げられていった。

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by obinborn | 2016-07-15 06:12 | rock'n roll | Comments(0)