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12月28日の中村まり

28日はsakana、中村まり、ロンサム・ストリングスという
贅沢過ぎるスリーマン・ライブを所沢のMOJOにてたっぷり
堪能した。ベン・ワットとトレイシー・ソーンを思わせる男
女デュオのsakanaは、ポコペンのメリハリある歌唱が過日と
少しも変わらず健在。まるで朝露のように瑞々しい音楽を今
日も届けてくれた。そのことを讃えたい。

二番手の中村まりはまだスタジオ・レコーディングされてな
いTHROUGH MY HEART AGAINや、STILL IN THE SUNなど
新曲を中心に組み立てた構成が新鮮であり、とくにINTO TH
E CLOUDSの鮮烈な歌唱には思わず鳥肌が立った。またカバ
ーではディランのRING THEM BELLSやポール・マッカートニ
ーの「幸せのノック〜LET 'EM IN」を、フォーキーな独自の
解釈で演奏して聴衆たちをたちまち魅了する。中村の”マッカ
ートニー愛”に関しては、まめに彼女のライブに通ってきた者
ならば、Rocky RaccoonやMull of Kintyreが登場した日々を、
懐かしく思い起こされた方々がいらっしゃるかもしれない。

今夜の締めは新作『Soundtrack』をリリースしたばかりのロ
ンサム・ストリングスだ。その新譜からはジョン・サイモン
のLast Summer、ディランのサウンドトラック・アルバム『
ビリー・ザ・キッド』から5曲を束ねながら、インストゥルメ
ンタル・バンドならではのイメージの自由な飛躍へと賭けて
いく。腕達者であり音楽心を持ったストリング・カルテット
ならではの光景だ。その演奏のひとつひとつを記憶出来れば
どんなに素敵なことだろう。

ロンサム・ストリングスはこの夜最後の曲として、故:大原裕
の名曲「旅行」を選んだ。その後のアンコールでは久し振りに
中村まりとジョイントしながら、2011年の記念碑『フォークロ
ア・セッション』に収録されたThe Cuckoo Birdと、ウディ・
ガスリーのHard Travelin'を奏でた。音楽というケメストリーは
遥か時空を超えてやって来る。そんなことを思わずにはいられ
ない夜だった。

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by obinborn | 2016-12-29 03:21 | 中村まり | Comments(0)  

『ブルース&ソウル・レコーズ』誌の最新号に寄せて

『ブルース&ソウル・レコーズ』最新号が届く。特集は
ストーンズの『ブルー&ロンサム』。幾人かのライター
たちが各自の視点からこの”温故知新”作を検証し、言葉
を寄せているが、どうしても知り合いのお二人の文章か
ら読み進めてしまう。私とほぼ同世代と思われる妹尾み
えは「ソロ回しに頼らない」ストーンズ解釈のリトル・
ウォルター曲を、シンバル・ワークまで模したジミー・
リード曲を称える。一方で飲みダチの日向一輝はどうだ
ろう。彼はエディ・テイラー曲のストーンズ演奏につい
て「一発録りゆえ、ミックの歌唱部分にハープはない」
ことを指摘し、だからこそ、そこにブライアンの存在を
感じまくるのだと語る。いずれもブルースを深く聞き進
めてきた者ならではの洞察だ。だが彼らはマニアックな
地点に着地するのではない。妹尾はブルースをエンター
ティメントまで昇華させたストーンズの姿を評価する。
日向は一生懸命なミック・ジャガーの歌とハープに比喩
ではない青さを感じ、遥か年長者の音楽に驚愕する。

音楽について書かれた文章はそれこそピンからキリまで
ある。優れた評論が何であるか、また誰が書いたものか
どうかは意見が分かれるだろう。しかし、真逆にあるバ
ータ記事は多い。なかには音楽専門誌よりも一般新聞や
メガショップの広告誌のほうが遥かに身入りがいい!と
公言するクソ音楽評論家もいるくらいだ。そうした醒め
た(諦めた)認識が跋扈するなか、終始気持良く『ブル
ース&ソウル・レコーズ』誌を読み進めた。むろん音楽
を聞きながら。そう、今夜の私の友はジミー・リードの
『I'M JIMMY REED』だ。レコード・プレイヤーは二度
めのHONEST I DOを再生し、やがてB面にあるLITTLE
RAINを奏でてゆく。

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by obinborn | 2016-12-26 01:26 | blues with me | Comments(0)  

小池真理子『望みは何と訊かれたら』

小池真理子『望みは何と訊かれたら』(07年)を再読。
あの忌まわしい連合赤軍事件をモチーフにしながら学園
闘争の時代を検証している。高邁な思想が平気で他者を
傷付け、排除し、自己目的化していった顛末をリアルに
描き切っている。こればかりは70年代の序盤に学生だっ
た作者にとって避けては通れない主題なのだろう。事実、
小池さんの小説はこのテーマを扱ったものが多い(直木
賞に輝いた96年作『恋』はその最たるもの)

裏テーマはこれまた作者が得意とする男女の秘めやかな
関係であり、そうした個人的な事項と集団が暴走した時
の怖さを対にした小説の構成は流石だと認めざるを得な
い。ところで、学園闘争の反省も虚しく90年代半ばには
オウム真理教が世間を震撼させる。その事件を今なお生
々しく記憶されている方々は少なくないだろう。

時代の雰囲気。もっともらしい主張。それらに吞み込ま
ていった若者たち。それらを思い返すたびに私はその場
から離れたくなる。加齢とともに遠近法で学園闘争の季
節を振り返りながら、私はこう思うのであった。「もう
まっぴらだ。誰かのスローガンに従う下部になるなんて」

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by obinborn | 2016-12-25 18:36 | 文学 | Comments(0)  

大宮のレコード店、GRIS GRISを再訪しました!

今日は天気は今いちでしたが、久し振りに大宮のグリグリ・
レコードまで行き、念願のソウル・サヴァイヴァーズ『TAK
E ANOTHER LOOK』(ATCO SD33-277)を購入してきまし
た!ワーナーの名盤探検隊でCD化されたとはいえ、やはり米
オリジナルLPを入手出来た喜びは格別ですね。思わず店番し
ていたスタッフの方に記念撮影をお願いしちゃいました(笑)

7年ぶりに訪れたグリグリさん。懐かしかったな〜。およそ
一時間ほど堀り、旧交を温めるべくおしゃべりに花が咲きま
した。「震災後は音楽の聞き方が変わってしまいました」と
いう非常にデリケートな問題から”ディラン特需”のヨタ話ま
で。ついでにアナログで欲しかったレニー・ブランク『HOU
ND DOG MAN』(BIG TREE BT76003)も安価でゲット出来
ました。めでたしめでたし。

長い歳月が嘘のように、つい昨日までお店で親しげに会話し
ていた自分と店員さんとの姿が思い浮かびます。大宮の周り
の景色もあまり変わっていなかったし、ふと、あと10年経っ
ても20年経っても、オレずっとこの場所に来れたらなあ〜。
帰り道、そんな気持がどうしようもなく溢れ出てきてしまい
ました。

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by obinborn | 2016-12-22 17:16 | one day i walk | Comments(2)  

俺は「いいね!」などしない

先日ある音楽家に「オビさんはとくに”いいね!”しなくとも
いつもライブに来てくれるから大変嬉しいです」と言われた。
そう、皆さんもご存知の通り、俺は自分が間違いなく行く(
と決まってる)イベントにしか”いいね!”を押さないポリシー
を貫き、たとえ行く時もいいね!などめんどうなのでしない
ことが多い。あるバンドのライブ告知に60人のいいね!があっ
たとしよう。その60人全員が来てくれたらパフォーマーもお
店もお客さんもハッピーになる。そういう想像をもっとしてみ
ようよ。こんなこと言ってる俺自身、過去行かないライブにつ
いいいね!して激しく後悔したことがあるのだが、それ以来FB
の安易な装置は人間関係の誤解のもとになると感じた。

ところが俺とは逆に何でも節操なくいいね!しまくる割に一度
も会場で見たことがない人がいる。価値観の違いと言ってしま
えばそれまでだが、人として安っぽく見られてしまうのは致し
方ないだろう。狼が来るよの”狼少年”ならぬ”狼ジジイ”であり、
この◎氏はとにかく嫌われている。何が「応援の気持です」だ
よ。応援や心配や近況報告だったら直接メールやラインするの
が一番いいじゃんか。要は自己アピールや顕示欲でしょ?こん
なジジイと一緒に酒など飲みたくはないわな(苦笑)
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by obinborn | 2016-12-22 07:11 | rock'n roll | Comments(0)  

12月20日の佐野元春&コヨーテ・バンド

20日は佐野元春&コヨーテ・バンドを恵比寿ガーデンにて。
恒例のクリスマス・ライブながら、近年の曲を固め打ちする
展開が清々しい。剥き出しのギター・ロックそして情熱。

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by obinborn | 2016-12-21 00:22 | rock'n roll | Comments(0)  

大宮のGRIS GRISに行こう!

大宮のレコード店GRIS GRISは昔から大好きなお店です。
以前は北浦和に姉妹店のSLIM CHANCEがあったのですが、
こちらは惜しまれつつも閉店し、現在は一本化したGRIS G
RIS本店で頑張っています。オールジャンルの中古盤をメイ
ンにしながらもお薦めの新品を扱っているのがユニークで、
デッドやルーツ系の品揃えが抜群です。店主の三平さんと
は古くからの知り合いですし、ぼくが骨折して入院していた
時に従業員の女性がお見舞いに来てくださったり、忘年会に
呼ばれたりと、個人的なお付き合いもあります。

それでも最近は家から遠いせいもあって、すっかりご無沙汰
になってしまいました。そんな時に飛び込んできたのが、隅
田さんからの「グリグリにソウル・サヴァイヴァーズのセカ
ンド・アルバムがあるよ」という嬉しい知らせでした。早速
久し振りに三平さんに電話をし、取り置きをお願いしました。
たぶん年内にはお伺い出来ると思います。

レコード店に限らず、好きなお店が無くなると皆さんは「残
念です。あんなに良心的だったのに...」と口を揃えたように
話す。ぼくもその一人かもしれませんが、最近は「あとで悔
いを残さないように通おう!」という建設的な考え方が好き
ですね。そうそう、残念!とかネットで呟いてる人達に限っ
て実はあまり通っていなかった、というデータも小売業界に
はあるらしいです。これ、当事者にとっては切実ですよね。

大宮駅を東口に出て商店街を抜けた辺りにお店はあります。
またすぐ近くには有名な氷川神社があり、森林豊かなその参
道に寄り道するのもぼくは大好きでした。今度久し振りにお
店に行けるのを、今からすごく楽しみにしています。折しも
世の中はレコード・ブーム再来です。これがGRIS GRISにと
って追い風になることを願って止みません。

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by obinborn | 2016-12-19 15:27 | one day i walk | Comments(0)  

エルトン・ジョン『17-11-70』再訪

エルトン・ジョンの最初のライブ盤『17-11-70』、すごく
いいですね!トーピン=ジョンのソングライター・コンビ
によるリリカルな印象を打ち出した初期の3枚と、映画『
フレンズ』の音楽担当を経てリリースされた本作は、本国
イギリスばかりでなく、アメリカに於いてもいよいよ人気
歌手として認められてきたエルトンの姿を見事に捉えてい
ます。

アルバム・タイトルにあるように70年の11月17日、ニュー
ヨークのA&Rスタジオに観客を集め、スタジオ・ライブ形
式でレコーディングされた本作は、詩情溢れるSSWという
よりは、ライブ・パフォーマーとしての実力を浮き彫りに
しています。一曲めが「パイロットに連れてって」二曲め
がストーンズが前年にヒットさせたばかりの「ホンキー・
トンク・ウィメン」であることも、エルトンのロックンロ
ーラーぶりを強調する結果になりました。

何よりピアノ・トリオという編成がいい。ディー・マレイ
のbとナイジェル・オルソン(のちにソロ歌手として成功)
のdsを伴っただけのシンプルなサウンドゆえに、かえって
ピアノ・ロッカー、エルトンの確かな実力が伝わってくる
のです。何でもジェリー・リー・ルイスの「火の玉ロック」
を聞いて彼はロック音楽に目覚めたとか。ギターレスのバ
ンドをどう感じるかは人によって意見が違うでしょうが、
隙間のある音群が新鮮です。90年代に台頭したベン・フォ
ールズ・ファイヴの雛形と指摘するのも可能でしょう。

Bサイド最後の「教会を焼きつくせ」はライブ・パフォー
マー、エルトンの真骨頂でしょう。途中にエルヴィス・プ
レスリーの「ザッツ・オールライト・ママ」クリーデンス
の「プラウド・メアリー」ビートルズの「ゲット・バック」
を即興で挟みながらの展開が最高にスリリング!ジャケット
には立ってピアノを弾くエルトンが映し出されていますが、
そんな勇姿を思い浮かべながら聞きたいです。

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by obinborn | 2016-12-19 02:37 | rock'n roll | Comments(0)  

ありがとう、ボビー”ブルー”ブランドさんへ

今日(18日)は隣町・東長崎のクレオール・コーヒーに行き、
ボビー・ブランドの『Come Fly With Me』(abc 78年)を購
入しました。今さらと怒られそうですが、これメチャクチャ
良いですね!デューク/ピーコック時代のブランドがブルーズ
・ファンの”聖典”であることはむろん間違いないのですが、も
っと柔らかくなった彼の姿に出会えるという意味で、この通称
ブランコ・アルバムはまさに鉄板だと確信するに至りました。

もう少し具体的に言うと、リズムのヴァリエーションが広くな
り、時に使用されるエレピの柔らかな音色や女声コーラスも効
果を上げています。そういう意味ではよりソウルに接近したブ
ランドの姿に立ち会えます。デューク時代には殆ど見受けられ
なかった例の”うがい歌唱”も随所に押し出され、以降のマラコ
時代へと自然に繫がっていきます。新たにスタックスの社主と
なったアル・ベルのプロデュース。西海岸からナッシュヴィル、
さらにシカゴ、テキサスまで足を伸ばしたレコーディングから
は、新しい時代にどう対応しようか?というブランドの試行錯
誤とチャレンジングと孤独が密かに聴こえてくるようです。同
時代のオーティス・クレイやシル・ジョンソンの動きと比較し
てみるのも一興ですし、メンフィスで育ったソウル・チルドレ
ンがドン・ディヴィスと出会い、シカゴ録音の大傑作『FINDE
R KEEPERS』を作り上げたことなどを思い起こしてしまいま
した。

若い頃はよく理解出来なかったブランドの音楽が、今では毎日
の”きしみ”のように染み渡る。互いに悪意なんか全然ないのに、
レコード屋さんの話題を交わしただけで、「元カノは今も元気
で良かったなあ〜」と思う反面、まるで癒えていない古傷のよ
うな痛みを運んでくる。音楽とはきっとそういうものだろう。
ありがとう、ボビー・ブランドさん。ぼくはあなたの歌が大好
きです。

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by obinborn | 2016-12-18 18:50 | blues with me | Comments(0)  

12月17日の日誌

今日は勤務先の隣の不動産屋さんのご主人と幾つかの打ち合わ
せをした後、彼から来年のカレンダーを頂きました。午前に仕
事を終えた僕は江古田のレストランで昼食を。今は小池真理子
さんの『望みは何かと訊かれたら』(07年)を再読し始めまし
た。学園闘争が盛んだった60年代末を検証した小池さんの自伝
的な小説です。ある意味、僕はこの地平からずっと戦ってきま
した。今の若い人たちにはとても信じて貰えないと思いますが、
あの時代は大学を卒業したくとも、バリケード封鎖と闘争によ
って学校を卒業出来ない人たちがいました。少なくとも僕はそ
の事実を覚え、伝えていきたいと思っています。偉そうな言葉
たち。プラカードに貼られた標語たち。僕はそれらを激しく憎
みます。そして同時にもっと実感のある日々の感覚を大事にし
こうと思っています。

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by obinborn | 2016-12-17 22:46 | one day i walk | Comments(0)