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デヴィッド・リンドレー『WIN THIS RECORD!』

リンドレーの『WIN THIS RECORD!』(82年 アサイラム)
にサインをして貰ったのは、彼がエル・レイオー・Xを率い
て来日した89年のこと。キーボードがイアン・マクレガン
だったこともあり、東京公演のすべてに駆け付けたものだ。
カミさんの名前も併記されているから、もし別れた時はど
うしようかな(笑)

それはともかく思い出深いLPだ。エタ・ジェイムズのSO
METHINGS GOT A HOLD ON ME、タイロン・ディヴィス
のTURNING POINTといったR&B、ワイルド・チュピトラ
ス〜ネヴィル・ブラザーズでおなじみのBROTHER JOHN、
トゥーツ&ザ・メイタルズのレゲエPREMATUREといった
カバーからリンドレーのオリジナルまで、まさに大衆音楽
の五目飯といった塩梅。演奏をサポートするのはヒスパニ
ックのホルヘ・カルデロン(ソロ『シティ・ミュージック』
あり)、マザーロード出身のウィリアム・スミッティ・ス
ミス(アラン・トゥーサン制作のソロあり)、キング・クリ
ムゾンを脱退して渡米したイアン・ウォーレスなど。また
ゲストとしてブッカー・T・ジョーンズが、TURNING POIN
Tでシンコペイト効きまくりのオルガンを弾いている!

前作『化け物』同様に一番感じるのは、リンドレーがかなり
のレゲエ好きだということ。ROCK IT WITH Iの途中ではダブ
にまで挑戦している。これは当時の非黒人系としては、クラ
ッシュの『サンデニスタ!』佐野元春の「クリスマス・タイ
ム・イン・ブルー」同様、かなり先駆だったんじゃないかな。
「渡英してテリー・リードと活動していた頃、レゲエに出会
ったんだ。それはぼくにとってかなり衝撃的な体験だった。
イギリスではプリンス・バスターやデズモンド・デッカーな
どスカも大好きになったよ!」06年の取材時にそう語ってく
れたことは今でもよく覚えている。

いち早く中近東音楽を取り上げていたサイケ・ポップ・バン
ドのカレイドスコープでプロ・デビューし、英国で試行錯誤
を繰り返し、その後はジャクソン・ブラウンとの共演で一躍
有名になっていくリンドレー。この『WIN THIS RECORD』
は以降ワールド・ミュージックに食指を伸ばしていく彼の原
点なのかな?そして重要なのは常に陽性のスライド・ギター
とお茶目なヴォーカルで聞き手の心をほぐしてくれること。
出会えて良かったと思えるアーティストの一人だ。

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by obinborn | 2017-02-02 14:28 | one day i walk | Comments(0)  

キング・クリムゾン『アースバウンド』

ジョン・ウェットンの追悼(皆さんのいいね!に感謝)から
は少し離れますが、さっき一番好きなクリムゾン・アルバム
『EARTHBOUND』を取り出し今聞いています。72年に行な
われたアメリカ・ツアーから2~3月のフロリダやデラウェア
での公演を収録したこのライブ盤。もう完全にぶっちぎれま
くり!以前はブートレグのみで流通し、やがてアイランド系
列の廉価レーベルHELPからやっとこさオフィシャル化された
作品ですが、この元祖メタルの衝撃といったら!

メンバーはフリップ以下、コリンズ=バレル=ウォーレスと
いう布陣。貴公子グレッグ・レイクの代りにやけくその変態
ブルーズを歌うボズ・バレル、以降イアン・マシューズのA
OR名盤『スティーリン・ホーム』まで触手を伸ばしていく
メル・コリンズ(ホワイト・ソウルのココモのメンバーでも
あった)のアルト、テナー、バリトン・サックスの呻き声、
そして馬力に任せたイアン・ウォーレスはドタバタしまくり
でバスドラをキックします。それらがフリップの細~いギタ
ーと混然一体となり、いつの間にか巨大なカオスとなってい
く様が感動的。とくにB面2曲めGROONでのウォーレスの
ドラムス・ソロは圧巻の一言です。

とても健全なる男子女子、つまり「きみのことを一生守るよ」
とか「愛がすべてさ」(古っ~)とか薄~いリリックを口ず
さむような方々にはお薦め出来ませんが、人生の深遠や薄幸
そして明日なき21世紀という荒野を駆け巡る者たちにとって
は、またとないスターレス&バイブル・ブラック(星なき夜
と黒い聖書の物語)になるでしょう。

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by obinborn | 2017-02-01 19:21 | one day i walk | Comments(0)  

犬と道

俺は犬と一緒に歩いた/俺は犬と一緒に歩いた/ある日のこと道端で杖付き老人と会った/老人は俺の犬を殺めてしまった/次の日から俺は一人で歩いた/風が吹き雲は鉛色になった/俺は初めて寂しさを知った

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by obinborn | 2017-02-01 17:33 | one day i walk | Comments(0)  

追悼:ジョン・ウェットン

ジョン・ウェットンを追悼しながら『太陽と戦慄』(73年)
を聞き始めました。恐らく多くのプログレ・ファンが彼の名
前を知ったのはこのアルバムが最初のことだったと思います。
ウェットンはBook of SaturdayにExilesという2つの叙情曲
及びメタル・ヌーヴォー的なEasy Moneyの計3曲で男臭いヴ
ォーカルを取り、他の即興的なインプロヴィゼーション曲群
との見事な均衡を保ちました。また演奏面で言えば、硬質な
音色で広いレンジを駆け抜ける彼のエレクトリック・ベース
は、オカズを狂おしいまでに叩きまくるビル・ブルフォード
のドラムスと抜群の相性を示しました。そこにフリップの神
経症ギター、デヴィッド・クロスのヴァイオリンとヴィオラ、
ジェイミー・ムーアのパーカッションがせめぎ合い、音とい
う絵の具を使いながら抽象画を描いていきます。そこには静
と動の鮮やかな対比があり、同時代のマイルズ・ディヴィズ
のようなエレクトリックな混乱があり、使用する楽器が違え
ばフォーク・エリアのペンタングルの方向性に行っていたか
な?とも夢想します。

いずれにせよ、私にとってはまさに”10代の名盤”のひとつ。
以前ブログの個人史欄My Profile欄に記しましたが、高校生
の時この『太陽と戦慄』を買い爆音で聞いていたのですが、
息子の将来を案じたのか父親から激しく叱責されました。そ
んなことも懐かしい思い出です。なお、父はこの1月に没後
8年を迎えました。早いものです。クリムゾンとオールマン
を遂に理解し得なかった彼ですが、遺品を整理しているうち
に机からは何とボブ・ディランのベストCDが出てきました。

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by obinborn | 2017-02-01 13:12 | one day i walk | Comments(0)